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小池都知事「カイロ大首席は学生がひとりだったから」と40年前、私に嘘をついた

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【舛添要一が語る世界と日本(42)】パフォーマンスだけの小池知事、再選確実視だが・・・ 都知事選の争点

公開日: 2020/06/16 (政治)

CC BY-SA CC BY-SA /lucamascaro

 6月18日、東京都知事選が公示される。無風の選挙で、現職の小池都知事の再選が確実視されている。

 有権者も、新型コロナウイルスに翻弄される毎日で、都政全体を考える余裕がない状態だが、やはりきちんと小池都政4年間の総括をしておく必要がある。

 4年前の小池都知事の公約7つのゼロ、つまり、

①ペット殺処分
②待機児童
③満員電車
④残業
⑤都道電柱
⑥介護離職
⑦多摩格差

――をゼロにしようというものであるが、達成したのは①のみである。

 そもそも、こういう7項目を公約として掲げること自体が思いつき以外の何物でもない。

 たとえば、③や④は、日本人の働き方の問題であり、神奈川県、埼玉県、千葉県など近隣諸県から通勤している人もいる。皮肉なことに、小池都知事ではなく、新型コロナウイルスが満員電車も残業も無くしてしまったが、緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されるに従って、また元の状態に戻りつつある。

 また、無電柱化の工事完成には7年間が必要であり、これは従前の施工例を見れば分かることである。日常の市民生活を阻害しないために、真夜中にしか工事ができないからである。

 公約そのものが現実的でないものであっても、公約は公約であり、7つのうちの一つしか実現していないことは、誰が見ても失格である。しかも、小池都知事も有権者も、そんな公約など忘れてしまっている。

 彼女のパフォーマンスで、多くの時間と税金が失われている。

 たとえば豊洲市場問題である。「大山鳴動して鼠一匹」の諺のように、結局、自己宣伝のためにマスコミを総動員して大騒ぎし、何の改善も変更も行われなかった。これで、市場開設が遅れ、そのため築地市場が移転できず、東京五輪の開催準備が遅れてしまった。

 具体的には、環状2号線の全面開通が遅れている。これは、晴海の選手村から競技場まで選手を運ぶためにの幹線道路なのであり、五輪の運営に支障を来す。

 私は、この道路を使って、世界に先駆けて無人自動車を実用化する予定であった。しかし、小池都知事がパフォーマンスの材料にしている間に、この分野で、中国をはじめ世界に大きく遅れをとってしまった。

 築地の跡地は、とりあえずは五輪用の、とくに大型バスの駐車場にする予定であった。しかし、この整備も遅れている。

 東京五輪と言えば、組織委員会の森会長と私とで、コスト削減のために、競技施設の徹底的見直しを行ったが、小池都知事は、これまたパフォーマンスのために、ボート会場の見直しを提案し、宮城県まで赴き、宮城県民を糠喜びさせた挙げ句、結局は何の変更もしなかった。当たり前である。組織委員会と東京都で全国をくまなく調べた結果、海の森公園のそばの東京湾を使うしか手が無かったのである。

 幸か不幸か、新型コロナウイルス感染の影響で、東京五輪は1年延期になった。しかし、新型コロナ対策のため、これまで積み立ててきた都の貯金(財政調整基金)9500億円は、ほとんど使い切っており、延期のための財源をどう調達するか大きな問題である。

 小池都知事のパフォーマンスは、都民に大きな損害をもたらしているが、コロナ騒動で有権者がそのことを忘れてしまっている。運の強い政治家である。

 エジプトのカイロ大学を「首席で卒業」という学歴詐称問題が話題になっているが、カイロ大学の政治的声明で、彼女は同大学を1976年に卒業したということになった。現地で学んだ黒木亮氏などによると、それは事実と異なるようだ。

 私自身、若い頃、「首席で卒業というのは、学生が一人しかいなかったからなの」という説明を彼女から受けている。「学生が一人」というのは嘘だということは黒木氏らの調査で判明したが、私は40年近く騙されていたことになる。愉快な話ではない。

 何よりも、学歴詐称というのは、当選が無効になる決定的な犯罪である。

舛添 要一 (国際政治学者)

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