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700万人が使う「自動家計簿」で月2万円の節約効果

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「わが経営」を語る 辻庸介マネーフォワード社長(1)

公開日: 2018/12/12 (ビジネス)

撮影・中村豊 撮影・中村豊

 マネーフォワードは、IT(情報技術)によって金融サービスを提供するフィンテックを駆使するベンチャービジネスとして、2017年9月に東京マザーズ市場に上場した。辻庸介社長(42)は、「人々のお金の悩みを解消したい」との思いから6年前に創業し、様々なサービスを矢継ぎ早に開発している。金融機関などとオープンに提携して事業を拡げ、将来は国際的なプラットフォーマ―になることが夢である。その戦略を語ってもらった。(聞き手は経済ジャーナリスト、森一夫)

 ――マネーフォワードは「すべての人の『お金のプラットフォーム』になる」というのがビジョンだそうですね。

 私はソニーからネット証券のマネックス証券に出向して、昔は電話や対面によってなされていた個人の株式取引が、一気にネット取引に移行するのを目の当たりにしました。ITのすさまじさを体感して、これは面白いなと思ったのです。

 ただネットになっても、損したりうまくできなかったりで、ユーザーもまだ少なくて、株式取引をする人は日本ではまだ一部です。お金については、皆さん悩みをいろいろ抱えているんです。

 それをITで解決できるサービスがあったらいいなと思い立ち、世の中にまだ無かったので、自分たちでやるかとワンルームマンションから始めたのがマネーフォワードという会社です。
 
 まずは個人向けから取り組み、お客様がご自分の資産状況を正確に知ることができるサービスから始めました。現状が分かれば、将来、どういう生活を送り、老後をどうするか、それに備えて資産運用のプランも立てられます。その現状把握のためのサービスが「マネーフォワードME」という自動家計簿サービスです。

 ――どのような特徴と強みがあるのですか。

 銀行、クレジットカード、証券、年金、ポイントなどの口座を、ID、パスワードだけ登録していただくと、後は自動でお金の動き、資産状況がスマートフォンで、一目でわかります。給料が振り込まれたとか高額の引き落としがあるとかも、いちいち教えてくれます。

 ユーザーが今や700万人を超える家計簿サービスになっています。データを集められる金融機関などの連携先は2600を超えます。強みは、最初にスマホで利用できるようにつくり、連携先がたくさんあって、ユーザーが一番多いことです。

 ――これで節約が可能だとか。

 体重を毎日測っていると、気をつけるので体重が増えないでしょう。「見えるか」は意外に大事です。手間がかからず、見ているだけで、無駄な支出がわかり、当社の利用者へのアンケートでは毎月2万円以上の節約効果が出ています。

 自動貯金の「しらたま」というサービスもやっています。しらずにたまるという意味で、例えばご自分で金額を設定してお釣りを自動的に貯金するといったものです。現状把握と自動貯蓄ができて、今後、自動投資運用もやっていきたいですね。

 アプリのお客様でやはりアドバイスが欲しいという方には、東京・新宿に「mirai talk」という店を設けて、家計簿を見ながら、家計の見直しなどの相談にも応じています。

 ――幅広くやっているのですね。

 究極的には、お金のことで頭を悩ませないで済む世の中になればいいなと思っています。私たちは金融商品を売る会社ではありません。350人くらいの社員のうち4割がエンジニアやクリエーターです。守るべきバリューで一番大事なのは「ユーザーフォーカス」で、ユーザーの立場にたってお金をどう扱ったらよいのかを助けるサービスをつくる、いわばモノづくりの会社なのです。

 ――企業向けにも、インターネットを介して利用できる様々なクラウドサービスを提供していますね。

 会計処理から確定申告、請求書管理、給与計算、経費精算、マイナンバー管理など、たくさんのクラウドサービスがあります。パッケージソフトのものは既に世の中に一杯ありますが、今クラウドサービスに移りつつあります。

 クラウドはまだ全体の10%くらいで、まだこれからですけど、圧倒的に便利ですから、こちらに長い目で見れば全部替わるでしょう。統計が無いのですが、クラウドサービスでは私たちが恐らくナンバーワンだと思います。

 例えば、会社の経理は今までですと、銀行の通帳をコピーして、会計ソフトに入力して、データを印刷してという感じだったと思います。クラウド会計ならば、銀行口座やクレジットカードなどの情報がそのまま自動的に集められ、人工知能がこれは業務委託費とかマーケティング費用だとかに仕訳けます。
 
 今まで10人でやっていた経理業務が3人で済むくらい生産性向上を図れます。それがパッケージソフトからクラウドサービスに替わってきているのです。

 ――クラウド化で先行しているわけですか。

 そうです。企業向けでは特にクラウド会計がメインで、その半分は会計事務所への売り上げです。また会計事務所さんが顧問先の企業に勧めてくださるんです。このチャンネルでは当社は圧倒的にナンバーワンです。

 全部ではないですが自動でかなり処理してくれて安いので、小さい会社にはすごくいい。サブスクリプション・モデルという毎月課金の料金で、初期費用ゼロ円、(5人未満の小企業向けプランでは)月々2000円弱で使えます。コスト負担の軽さが受けて、最近、創業1年以内の会社では、50%以上が一般にクラウド会計になっています。
(次回に続く、この連載は水曜日に掲載します)

森 一夫:「わが経営」を語る (経済ジャーナリスト、元日経新聞論説副主幹)

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森 一夫:「わが経営」を語る(経済ジャーナリスト、元日経新聞論説副主幹)
1950年東京都生まれ。72年早稲田大学政経学部卒。日本経済新聞社入社、産業部、日経BP社日経ビジネス副編集長、編集委員兼論説委員、コロンビア大学東アジア研究所、日本経済経営研究所客員研究員、特別編集委員兼論説委員を歴任。著書に「日本の経営」(日経文庫)、「中村邦夫『幸之助神話』を壊した男」(日経ビジネス人文庫)など。
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