• tw
  • mail

カテゴリー

 ニュースカテゴリー

  • TOP
  • 独自記事
  • コロナ
  • 統一教会
  • 政治
  • ワールド
  • マーケット
  • ビジネス
  • IT/メディア
  • ソサエティ
  • 気象/科学
  • スポーツ/芸術
  • ニュース一覧

トヨタが水素エンジン 内燃機関存続の救世主?

あとで読む

【クルマが好き】まずはカローラスポーツに搭載しレース参戦

公開日: 2021/05/06 (ビジネス, 気象/科学)

【クルマが好き】まずはカローラスポーツに搭載しレース参戦

 トヨタ自動車がハイブリッドカー(HV)、燃料電池車(FCV)、電気自動車(EV)などに続く環境対応車として、「水素エンジン車」を開発することになった。これは従来の内燃機関(エンジン)が生き残る可能性を示唆しており、エンジン車を愛す熱心なモーターファンには朗報だろう。

 同じ水素を燃料とするのでも、FCVが燃料電池で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使ってモーターを回す電動車なのに対し、水素エンジン車はガソリンの代わりに水素でエンジンを動かす点で決定的に異なる。

 トヨタは水素エンジンを、まずモータースポーツに導入し、その存在をアピールする。カローラスポーツをベースとした競技車両に水素エンジンを搭載し、5月21~23日に静岡県の富士スピードウェイで行われる「スーパー耐久レース」の第3戦「NAPAC 富士SUPER TEC 24時間レース」に参戦するという。

 ガソリンの代わりに水素を燃料としてエンジンに使う研究開発は昔からある。日本では1970年代から武蔵工業大学(現東京都市大学)が研究開発し、東京モーターショーなどでその都度成果を発表していた。

 国内ではマツダ、海外では独BMWなどが水素エンジン車を開発し、公道で走行可能な試作車を発表してきた。しかし、水素の貯蔵や航続距離などがネックとなり、本格的な普及には至らなかった。

 今回トヨタは「ガソリンエンジンから燃料供給系と噴射系を変更し、水素を燃焼させることで動力を発生させる。ガソリンエンジンでも発生するごく微量のエンジンオイル燃焼分を除き、走行時に二酸化炭素(CO2)は発生しない」と説明している。

 水素エンジンで耐久レースに参戦する以上、トヨタは水素の燃焼効率、即ち1回の満充填で走ることができる航続距離を向上させているのだろう。

 そんな期待のかかる水素エンジンの最大の課題は、肝心の水素をどうやって調達するかだ。現在、工業用に利用する水素の大半は石油や天然ガスなど化石燃料を改質して取り出している。この場合、水素を取り出した後に残る炭素がCO2として大気に放出される。あるいは、水素を取り出した後の炭素を回収し、水素と結合させて燃料とする方法もある。「e-fuel (イーフューエル)」というが、これについては後述する。

 太陽光や風力などの再エネで発電した電力は、そのまま利用すべきだろうが、需要を上回る余剰電力が生まれた場合、水を電気分解して水素を取り出し、貯蔵しておく方法が環境にとってベストだろう。そうして水素を取り出すことができれば、文字通りCO2ゼロの人工燃料のストックができる。

 水素をクルマに搭載する場合、その貯蔵方法や衝突時などの安全性もネックとなるが、トヨタはFCVのミライを市販する実績がある。水素の扱いについて、トヨタは「ミライの市販を通して、積み重ねてきた技術・ノウハウを活用していく」としている。

 水素は既存の内燃機関で活用できる点が最大のポイントだ。トヨタは「水素エンジンにおける水素の燃焼の速さは、ガソリンよりも速く、応答性が良い特徴がある。優れた環境性能と同時に、クルマが持つ、音や振動を含めた『クルマを操る楽しさ』を実現する可能性を秘めている」とも説明している。

 FCVの普及には水素ステーションの設置がネックとなっているが、エンジン車の一部の部品交換で、水素をガソリンに代わる燃料として利用できるのであれば、水素ステーション普及のスピードは確実に早まるだろう。

 水素をめぐっては、さきほどちょっと触れたCO2と水素を合成した液体燃料e-fuelもある。ガソリンやディーゼル燃料に混合して使える。この研究開発はトヨタ、日産など日本メーカーやドイツのアウディ、ポルシェなど海外メーカーも進めている。液体燃料のe-fuelであれば、既存のガソリンスタンドなどのインフラを活用できそうだ。

 水素エンジンであれe-fuelであれ、コスト面で克服する課題は残るが、既存のガソリンエンジンやディーゼルエンジンを改良して利用できる点で、EVだけがゼロエミッションカーの本命とは言い切れないことがわかる。

 水素エンジンもしくはe-fuel の登場は、EVの影に隠れ、前世紀の遺物と目されそうな内燃機関の救世主となる可能性がある。トヨタ初の世界戦略車だけに、その行方が注目される。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

続報リクエストマイリストに追加

以下の記事がお勧めです

  • 【クルマが好き】 トヨタ 上海でスバルと共同開発EVお披露目

  • 【クルマが好き】 国内販売でヤリス初の首位に ホンダN-BOX抑え

  • 岩城 諒のバックナンバー

  • 気球で延期の国務長官の訪中、習氏の訪露阻止で早期実現か

  • 中国国務院人事、改革派一掃か

  • 朝日、毎日、東京、日経 同性婚差別発言に政権の姿勢問う

  • 秘書官更迭、オフレコ破りは気がかり

Tweet
LINEで送る

メニュー

    文字サイズ:

  • 小
  • 中
  • 大
ソクラとは 編集長プロフィール 利用案内 著作権について FAQ 利用規約 プライバシーポリシー 特定商取引法に基づく表示 メーキングソクラ お問い合わせ お知らせ一覧 コラムニストプロフィール

    文字サイズ:

  • 小
  • 中
  • 大
  • 一覧表示を切替
  • ソクラとは
  • 編集長プロフィール
  • 利用案内
  • 著作権について
  • メーキングソクラ
  • お知らせ一覧
  • FAQ
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表示
  • お問い合わせ
  • コラムニストプロフィール

Copyright © News Socra, Ltd. All rights reserved