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三菱自が名車パジェロから完全撤退

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【クルマが好き】アセアンでは「次期パジェロ」構想、ファンは期待

公開日: 2020/07/30 (ビジネス)

三菱パジェロ=三菱自提供 三菱パジェロ=三菱自提供

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

 三菱自動車が看板商品だったパジェロの生産から2021年にも完全に撤退し、子会社の生産工場も閉鎖することになった。三菱ファン、とりわけパジェロを愛するオフロード4WDファンにとっては感慨深いものがあるだろう。

 1982年にデビューした三菱パジェロは、それまでの三菱ジープに代わる新世代のオフロード4WDとして登場した。ジープ並みのオフロード走破性と乗用車並みの居住性を兼ね備え、当時の日本車にはないジャンルを切り開いた。

 しかし、発売当初の人気はいまひとつだった。転機となったのは、三菱自の社員ドライバーだった篠塚建次郎氏が1986年からパジェロでパリダカールラリーに参戦したことだ。

 篠塚氏は7月発売の自動車雑誌「レーシングオン507号」のインタビューで、パリダカで3位に入賞した1987年がパジェロの転機になったと回想している。

 「NHKがニュース番組で連日パリダカを報じてくれた。当時としては画期的なことだった。それまでパジェロは月に500~600台しか売れていなかったものが、2000~3000台売れるようになった」という。

 1997年には篠塚氏が日本人として初めてパリダカで優勝するなど、パジェロは一世を風靡し、今日の多目的スポーツ車(SUV)ブームの火付け役となった。軽のパジェロミニなども誕生し、パジェロは三菱自のドル箱となった。

 しかし、時代は変わった。当初オフロード4WDやクロカン4WDと呼ばれたパジェロのカテゴリーは、その後SUVと呼ばれるようになり、新型車が多数登場した。さらにはクロスオーバーと呼ばれるトヨタハリアーやC-HRのようなソフト路線のSUVが人気となった。

 日本国内で人気が低迷したパジェロは2019年夏に販売を終了。輸出向けのパジェロも近く生産を終えることになった。

 三菱自は2000年以降のリコール隠し問題と2016年に発覚した燃費不正問題でユーザーの信頼を失い、日本国内では長期にわたり販売が低迷している。

 とりわけ2016年に発覚した燃費不正は、日産と共同開発した軽のカタログ燃費をごまかし、日産の指摘で公になるという前代未聞の不祥事だった。三菱自はスズキやダイハツなどライバルメーカーの燃費水準に達しないため、カタログ燃費をごまかしたというお粗末な内容だった。

 経営危機に陥った三菱自は2016年、日産のカルロス・ゴーン会長(当時)に救済される形で日産・ルノーグループの一員となったが、その後も有効な打開策を打ち出せていない。パジェロの後継モデルとしてはアウトランダーが存在し、プラグインハイブリッド(PHEV)を投入するなど、電動化の分野では他メーカーをリードするが、ヒット車が生まれず、販売面では依然として苦戦している。

 三菱自は7月27日、2021年3月期連結決算の最終利益が3600億円の赤字になるとの業績予想を発表した。コロナ禍の影響はあるものの、営業利益、経常利益とも大幅赤字となる予想だ。

 同日発表した2020~2022年度の中期経営計画で、三菱自は「アセアンに経営資源を集中し、同市場で目標とするマーケットシェアを達成する」との目標を掲げた。日本については「生産・販売体制の再編で収益性を改善する」としており、ここにパジェロ生産工場の閉鎖も含まれる。

 北米や日本市場が振るわない三菱自は、ベトナム、マレーシア、ミャンマーなどアセアン諸国で成長することを目指している。中期経営計画は「2022年以降、アセアン商品を強化する」として、「次期パジェロスポーツ」の開発を具体的に掲げたのが目を引く。

 同計画にはアセアン市場の強化と併せ、「4WD技術・オフロード性能による安心感を提供する」ことも盛り込んだ。ここはさすがだ。パジェロを生んだ三菱自らしさの真髄は、まさにここにあると言ってもよい。

 アセアン向けの次期パジェロスポーツがどんなモデルとなるのか。日本市場に導入されるかはわからないが、「次期パジェロ」の存在は往年の三菱ファンには気になるところだろう。
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