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社長の思い入れたっぷりのトヨタ 日産に熱がない

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【クルマが好き】トヨタと日産がモータースポーツ戦略発表

公開日: 2021/12/13 (ビジネス, スポーツ/芸術)

GRヤリス=HPから GRヤリス=HPから

 トヨタ自動車と日産自動車が相次ぎ、2022年のモータースポーツ活動の計画を発表した。トヨタは豊田章男社長が登場し、自らラリーカーのステアリングを握って派手なデモ走行を披露。「モータースポーツをいいクルマづくりの起点にする」と語った。

 日産は市販車ベースの国内最高峰のレース「スーパーGTシリーズ(GT500クラス)」に22年から新型スポーツカー「Z(日本名フェアレディZ)」で参戦すると表明。アシュワニ・グプタCOOが「日産は人生にワクワクを届けることができるよう変革を続けていく」と語った。

 この両社のメッセージは、クルマ好きにどう伝わったのだろうか。

 トヨタは豊田社長の派手なパフォーマンスだけでなく、モータースポーツでも内燃機関の脱炭素化に取り組むなど、様々なメニューを披露した。

 これに対して日産は、GT500の参戦マシンをGT-RからZに交代させるお披露目会見だった。長寿となったGT-Rから、日産のイメージリーダーカーを、22年発売の7代目新型Zにスイッチさせる戦略だが、トヨタに比べると、やや懐古的で、地味な印象だった。
 
 トヨタは21年12月6日、世界ラリー選手権(WRC)、全日本ラリー選手権、世界耐久選手権(WEC)、スーパーGTなど、22年の参戦体制を東京都内で発表。オンラインの発表会見では豊田社長がラリー仕様のGRヤリスでデモ走行を披露し、ファンを沸かせた。

 その後、登壇した豊田社長は「私は最近、『もっといいクルマづくり』という言葉に、意識的に『モータースポーツを起点にした』をつけ加えている。(社長に就任してから)12年間、トヨタにそんなクルマづくりができるはずがないと、くやしい言い方をされ続けてきた」などと語った。

 豊田社長は「しかし、トヨタは変わってきた。トヨタはモータースポーツを起点にしたもっといいクルマづくりができる段階に来たと思う。プロドライバーが乗るトップカテゴリーからファミリーカー、その先の自動運転にまで、つなげていきたい」と力を込めた。

 「いいクルマづくり」の意味するところは様々に解釈できるが、ひとつは内燃機関の生き残りだろう。トヨタは今回の発表で、21年に続き22年も水素エンジンのカローラスポーツで「スーパー耐久シリーズ」に参戦するほか、新たにバイオマス由来の合成燃料をGR86に搭載して同シリーズを戦うと表明した。

 いずれも「カーボンニュートラルの実現に向け、新たな選択肢を検討するため、レースの現場で実証実験していく」という。果たして、どこまで脱炭素に貢献し、コストを含めて一般車に応用できるのか。現時点では不明だが、トヨタの意気込みは感じられる。

 これに対して、日産は12月5日、アシュワニ・グプタCOOらが静岡県の富士スピードウェイでスーパーGTに参戦する「日産Z GT500」を初披露。フェアレディZが日本国内のレースで復活するのは、2007年以来15年ぶりとなる。

 日産は7代目となる新型Zを22年春に北米で発売するほか、日本にも投入する。日本で人気のスーパーGTシリーズに日産は今シーズンまでGT-Rで参戦していたが、新型発売に合わせ、来シーズンからZを投入する。

 お披露目のオンライン会見では、黄金期の日産のレーシングドライバー、柳田春人氏や星野一義氏らが登場。柳田氏は「Zは日本にも世界にもファンがものすごく多く、期待感が大きい。だから頑張ってほしい」、星野氏は「来年はTEAM IMPUL(チーム・インパル=星野氏が率いるレーシングチーム)の監督として、ぜひシリーズチャンピオンを取りたい」などと語った。

 星野氏は1970年代に初代Zに乗っていた思い出を披露。「Zに乗って都内を走ると、みんなの注目を浴びた。だから本当は信号が青の方がうれしいけど、その当時は赤になってくれないかと思った。停止したら、隣のクルマがZを見るわけよ。それくらいZはカッコよかった」などと語った。

 筆者のように柳田氏や星野氏を知るオールド・ファンには、たまらなかった。しかし、アシュワニ・グプタCOOが「我々はレースを通じ、革新的なクルマを世に出し続ける」と述べたものの、何が「革新的」なのか、具体的なメッセージは乏しかった。

 この発表の3日前の12月2日、日産は今冬に発売する電気自動車(EV)「アリア」をベースとするシングルシーター(1人乗り)のレーシングカーの試作車(コンセプトカー)を披露した。

 日産はEVのF1とされるフォーミュラEに参戦しており、「日産ではEVとフォーミュラEの活動が、相互に影響を与えている。『リア・シングルシーター・コンセプト』はアリアのパワートレインや革新的な四輪駆動システムをレーシングカーのシャシーに組み合わせることで、EVのさらなる可能性とワクワクする魅力を追求している」と説明した。

 アリア・シングルシーター・コンセプトは試作車で、モータースポーツに参戦するわけではないが、なぜもっとアピールしないのか。トヨタの発表を前に脱炭素化の取り組みで牽制する狙いだったのか。

 日産が本気でEV化に取り組むなら、イメージ戦略も大切だ。日産もトヨタのように内田誠社長が登壇し、ZのスーパーGT参戦と合わせ、アリア・シングルシーター・コンセプトを発表すればよかったのにと、思わずにはいられなかった。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

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