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日産リーフ10周年  テスラ、中国メーカーに押され伸び悩み

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【クルマが好き】世界初の量産EVで先頭切るも

公開日: 2020/12/30 (ビジネス)

Reuters Reuters

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

 日産自動車の世界初の量産電気自動車(EV)「リーフ」が2010年12月の発売開始から10周年を迎えた。

 日産はリーフの世界累計販売台数が50万台に達したと発表したが、これは日産にとって不本意な数字だろう。
 
 日産は10年前、日本と北米で初代リーフを発売した。大手自動車メーカーが本格的なEVを世界市場で市販するのは初めてだった。当時、EVはエコカーの本命と目され、ハイブリッドカー(HV)で先行するトヨタ自動車やホンダを一気に抜き去る戦略だった。

 ところが、10年たっても当初の戦略は達成できないばかりか、世界で先頭を切ったはずなのに、日産はEV市場で米テスラや中国メーカーの後塵を拝している。

 2019年の世界のEV販売台数は、米テスラが36万台で首位。2~4位は中国勢が占め、比亜迪(BYD)23万台、北京汽車(BAIC)16万台、上海汽車集団(SAIC)13万台と続き、5位はドイツのBMW12万台、6位もドイツのフォルクスワーゲン(VW)8万4000台、そして日産は8万1000台でやっと7位にとどまる。

 車種別でも首位はテスラの「モデル3」の30万台、2位は中国BAICの「EUシリーズ」11万台、日産リーフは3位で7万台と、首位のテスラに大きく水を開けられている。モデル3は価格的にはリーフを上回っているにもかかわらず、世界的に支持を集めている。

 世界販売台数で2~4位を占めるとはいえ、中国メーカーは自国での販売が大半で、海外への輸出は限られている。とりわけ日本や欧米先進国での知名度や評価は定まっておらず、商品として日産のライバルとは見なせないだろう。

 現時点で日産のライバルはテスラであり、BMWやVWなど欧州の大手メーカーであることは言うまでもない。

 EVで先行しておきながら、これらのメーカーに日産が太刀打ちできないのはなぜなのか。

 2020年の世界販売台数を見ても、1~9月はテスラのモデル3がトップで、2位は仏ルノーの「ゾエ」、3位はテスラの「モデルY」、4位は韓国の現代自動車の「コナEV」となっている。日産リーフは5位に後退しており、さらに地盤沈下が進んでいるようだ。

 初代リーフを発売した当初、日産は2016年までに日産・ルノー連合でEVを150万台販売するという目標を掲げていた。ところがリーフは発売から10年を経ても50万台しか売れなかった。この事実は重い。

 ここまでリーフが不調な理由は、正直よくわからない。初代リーフを購入したユーザーが、次も最新のリーフもしくは他社のEVに乗り換えるかといえば、必ずしもそうはならないだろう。これは実際にEVを所有したユーザーでないと実感がわかないだろう。

 EVは航続距離を伸ばそうと思えば、リチウムイオン電池の容量を増やすことになり、充電に時間がかかる。数年間使い続ければ、ケータイ電話と同じく電池は劣化して航続距離が短くなり、最後は交換が必要になる。このため中古車市場でEVの下取り価格は各段に下がる。

 2代目の現行リーフの「e+」はリチウムイオン電池の容量を増やしたことで、初代リーフに比べると、安心して遠出ができるようになった。しかし、高速道路のサービスエリアの1回30分の急速充電で回復する航続距離には限りがあり、旅先の帰路で充電するのは一苦労だ。

 EVにはメリットもあるが、実際に使ってみると、不便なことも多い。このため初代リーフのユーザーが、次のクルマとして2代目リーフを選ばない可能性は十分にある。

 しかし、EVの使い勝手は、最新技術を駆使したテスラを別格とすれば、後のメーカーはほぼ同じで大差ない。その中でリーフが選ばれないのは、EVの使い勝手だけが理由とは考えにくい。地味で控えめなスタイリングにテスラのような先進性が感じられないからだろうか。

 起死回生が命題の日産はリーフに続くEVとして、2021年にSUVの「アリア」を発売する予定だ。

 さらに日産は2016年11月から、ガソリンエンジンで発電し、モーターで走行する「eパワー」と呼ぶHVを展開している。一般にシリーズハイブリッドと呼ばれるものだ。日産は現在、EVとこのeパワーを合わせ、23年度末までに年間100万台以上の電動車を販売する目標を掲げている。

 果たして目標は達成できるのか。「ノート」などが人気のeパワーはともかく、EVの動向に関しては、日産が社運をかけて開発し、2021年発売するアリアの世界市場の評価にかかっているといえるだろう。
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