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ホンダがNSX生産終了へ

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【クルマが好き】旗艦のスポーツカー失い、ホンダは大丈夫か

公開日: 2021/08/11 (ビジネス)

ホンダNSX=HPから ホンダNSX=HPから

 ホンダが高級スポーツカー「NSX」の生産を2022年12月で終了すると発表した。ホンダは電気自動車(EV)に経営資源を集中させる方針で、メディアの多くはNSXの生産終了も「電動化シフトを進めるため」と報じた。

 しかし、NSXはホンダの中でも電動化が進んだクルマで、環境にも配慮した先進的なスポーツカーだった。そんなNSXまで消滅させてしまい、ホンダは本当に大丈夫なのだろうか。

 これまでホンダはモータースポーツの最高峰の一つ「フォーミュラ・ワン(F1)」から2021年シーズンを最後に撤退すると表明している。

 軽のスポーツカー「S660」も2022年3月に生産を終了すると発表しており、今回のNSXも「脱エンジン、脱スポーツカー」の経営方針に基づく判断に違いない。

 しかし、2016年に登場した現行の2代目NSXは、電動化技術を満載したスポーツカーだ。ホンダ独自の電動化技術である3モーターのハイブリッド(HV)システム「スポーツハイブリッドSH-AWD(スーパーハンドリング全輪駆動)」を搭載。

 ホンダは「エンジンだけでは達成することが難しい、高いレベルのレスポンスとハンドリング性能を実現した」と説明してきた。

 HVのスポーツカーは重量がかさむため、走行性能を重視すれば避ける方が望ましい。このためトヨタは「スープラ」や新型「86」にHVを採用せず、ガソリンエンジンのみ搭載している。

 これに対して、NSXに匹敵する高級スポーツカーを生産するポルシェやフェラーリなどは電動化を進めている。フェラーリは初のHV「ラ・フェラーリ」を2013年に発表。

 さらに2019年には同社初のプラグ・イン・ハイブリッド(PHV)となる「SF90ストラダーレ」を発表している。

 ポルシェは同社初の量産EV「ポルシェタイカン」を2019年に発表したほか、フラッグシップの「911」についてもHV仕様を市販する方針を示している。

 もちろんホンダはフェラーリやポルシェのような高級スポーツカーの専業メーカーではない。しかし、性能や価格を含め、日本でフェラーリやポルシェと肩を並べることができる高級スポーツカーは、ホンダNSXと日産GT-Rしかない。

 2007年に登場した現行の日産GT-Rはガソリンエンジンのまま、近年は毎年のようにイヤーモデルを発売している。最新の「2022年モデル」もオーダー終了となるなど、人気は高いが、NSX同様、いつ生産終了となってもおかしくない。

 NSXはGT-Rと並び、日本の自動車産業にとって大きな財産だ。1990年に登場した初代NSXは量産車として世界初のオールアルミ・モノコックボディーを採用するなど、当時のホンダの最先端技術を結集し、日本メーカーでもポルシェやフェラーリと並ぶ本格的なミッドシップ・スポーツカーを生産できることを証明した。

 筆者は初代NSXを2018年、箱根でドライブし、このクルマの運動性能の高さを実感した。パワーステアリングのないクルマに乗ること自体、久しぶりだったが、ステアリングのダイレクト感、回答性の良さは素晴らしかった。初代NSXは決して色あせることなく、今乗っても新たな発見があるクルマだと感じた。

 そんな初代NSXが1990年から2005年までに1万8507台売れたのに対し、米国生産となった2代目は2000万円を超える高価なクルマとなったこともあり、販売台数は世界で2558台にとどまり、このうち日本はわずか464台にすぎない。この現実は厳しい。

 スポーツカーがビジネスとして成り立ちにくいのは事実だろう。しかし、NSXのように運転する楽しさや所有する喜びを感じさせるスポーツカー的な要素がクルマからなくなってしまったら、クルマはますます白物家電化してしまうのではないか。

 NSXとS660が生産終了となると、ホンダからスポーツモデルが消えてしまうことになりかねない。ホンダは新型シビックの「TYPE R」を2022年に発売するとアナウンスしているが、果たして空白期間が生まれないか心配だ。

 将来、クルマがEVとなれば部品点数そのものが少なくなるうえ、モジュラー化が進み、メーカーや車種ごとの個性が出しにくくなるだろう。

 それだけにホンダには、これまで培ってきた「走る楽しさ」やスポーツ心を失ってほしくない。

 できることなら2代目NSXをなんとか延命させ、電動化を進めるホンダの象徴として、フェラーリやポルシェのようにPHVにしたり、EVに進化させてほしかった。

 ホンダは「NSXで培った人材、技術などを今後のクルマづくりに生かすことで、来る電動化や新たな価値をもったモビリティーの中でも、お客様に『走る喜び』『操る喜び』を提供していくべく、チャレンジしていく」とコメントしている。

 将来的に白物家電化したクルマは所有するものではなく、必要な時だけ借りて乗るシェアリングが当たり前の時代が来るのかもしれない。

 仮にそうなったとしても、ポルシェやフェラーリはオーナーが所有するクルマとして生き残るだろう。数年後、ホンダからEVか燃料電池車(FCV)として生まれ変わった3代目NSXが登場することを期待したい。

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

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