自動車メーカーが自社ブランドを生かしたファッションやグッズなどの販売を強化している。ところが、この秋冬はメーカーによって対応が異なり、商品展開も明暗が分かれている。この違いは何を意味しているのか。
日産自動車はオンラインショップサイトに「日産コレクション」26点、「ニスモコレクション」31点の2022年秋冬モデルを追加し、11月1日から発売した。この中で目を引くのは、カタカナの「ダットサン」の文字が入った「HERITAGE トートバッグ」だろう。
このほか、背中にダットサンの文字が入ったスタジアムジャンパーやマグカップなども登場。往年の日産ファンなら、ぜひとも購入したくなるアイテムに違いない。
SUBARU(スバル)は今秋、デサントとコラボし、秋冬コレクションをオンラインショップでリリース。新素材を使用し、かさばらない暖かいウェアや、雨風に強いトートバッグ、ウェストバッグなどを発売した。モータースポーツ観戦にはぴったりだろう。
スバルは「『スバル×デサント秋冬コレクション』は毎年楽しみにしてくださる方も多い。暖かいウェアやキャップもそろい、全身コーディネートも可能だ」と話している。
ホンダは「公式ウェア&グッズオンラインショップ」で10月24日、「シビックタイプR 30周年グッズ」の第2弾を発売した。この中では、ホンダ伝統の「赤バッジ型キーホルダー」が気になった。これはホンダファンにはたまらないだろうと思い、11月上旬に商品をクリックしてみたところ、既に「売り切れ」となっていた。
マツダは11月4日、耐久レースなどに参戦するアマチュアドライバーを支援する「倶楽部MAZDA SPIRIT RACING」に関連するオンラインショップを開設した。専用ジャケットを11月5日土曜日の午前11時に発売したが、ファンが殺到したとみられ、週明け7日の月曜日には既に売り切れとなっていた。
このほかマツダは昨夏、ミズノとドライビングシューズを共同開発。オンラインを中心に販売したところ、受注直後に生産予定数に達し、受注を終了するほどの人気を見せた。
一方、トヨタ自動車の「Gazoo(ガズー)ショッピング」は「TRDウェブガレージ」が「2022年春夏ウェアグッズコレクション」を発表以降、11月7日現在、秋冬モデルのリリースはまだない。
トヨタは世界ラリー選手権(WRC)の日本開催に合わせ、10月12日にWRCウェアとグッズを新たに追加した。しかし、WRCに力を入れるトヨタとしては新商品の投入は少なく、なぜか地味な商品展開だ。この品揃えでは、WRC開催を待ち望んだ熱心なファンには物足りないのではないか。