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トヨタとスバルが新型スポーツカー発売へ

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【クルマが好き】2代目86とBRZは待ち遠しい一台だが、最高出力リッター100PSに届かず

公開日: 2021/04/13 (ビジネス)

TOYOTA86=トヨタHPから TOYOTA86=トヨタHPから

岩城 諒 (経済ジャーナリスト)

 トヨタ自動車とSUBARU(スバル)が共同開発した新型スポーツカー「トヨタGR86(ハチロク)」と「スバルBRZ」が4月5日に正式に発表された。

 両車は2012年に初代がデビューし、今回が2代目となる。86は新たに「GR」ブランドとなった。2代目をめぐっては、スバルが昨秋、北米で新型BRZを発表したが、トヨタは正式な発表を見送っており、その動向が注目されていた。

 正式発表から1週間余、GR86とBRZは様々なメディアが取り上げ、ファンの関心の高さを裏付けた。

 筆者は2代目となるGR86とBRZは「買い」だと思う。ただし、それは私のように「走り」が好きなスポーツカーの愛好家に限られる。

 2030年に向け、世界的にクルマの電動化が進む中、ガソリンエンジンのみを搭載し、そのパワーとトルクを6速マニュアルミッション(もしくは6速AT)で後輪に伝えて走る伝統的なスポーツカーは、世界的に見ても少数派となった。少なくともトヨタとスバルでは、今回の新型が最後になるだろう。

 クルマ好きには説明するまでもないが、ミニバンやSUVが全盛の時代にあって、トヨタとスバルから初代86とBRZが9年前の2012年に誕生しただけでも、奇跡に近かった。

 トヨタはスポーツカーのパワーユニットとして理想的なスバルの水平対向エンジンに目をつけた。これをフロントミッドシップに積み、後輪を駆動するFR(フロントエンジン・リヤドライブ)のスポーツカーをトヨタが企画し、スバルが開発・生産したのだ。

 世界でポルシェとスバルだけとなった水平対向エンジンをFRスポーツカーに使うという発想は、スバル単独では到底実現しない。この経営判断は、クルマ好きの豊田章男社長がいたから実現したに違いない。

 結果的にその判断は正しかった。2012年の発売以来、世界でトヨタ86は20万台余、スバルBRZは9万台余を販売したという。9年間で計約30万台ということは、単純計算で月販平均2700台だ。この好実績がなければ、いくら豊田社長でも2代目開発のゴーサインを出さなかっただろう。

 従って、2代目の86とBRZは初代のキープコンセプトとなった。スタイリングも車両のサイズも、ほぼ初代を踏襲している。驚くのは、キープコンセプトながらも細部を煮詰め、性能を高めていることだ。

 まず全高は1310ミリと初代の1320ミリから10ミリ低くなり、着座位置も5ミリ低くなった。

 車両重量は開発段階で現行モデルより75キロ重くなったが、ルーフ、フェンダー、エンジンフード(ボンネット)をアルミにすることで軽量化を実現。ボディ剛性を上げながら、新型の車両重量を1270キロ(初代は1210~1270キロ)に抑えた。

 ピュアなスポーツカーに乗りたいドライバーにとって、車両重量を上げずにボディー剛性を高め、重心を低くするメリットは大きい。シートに1ミリでも低く座りたいと思う筆者のような愛好家にとって、全高10ミリ、着座位置5ミリの改善は大きな福音だ。

 ただし、残念なところもある。新型のボディーはスバルがインプレッサやレヴォーグなどに採用する最新の「スバルグローバルプラットフォーム(SGP)」とならなかった。これは2代目が初代のキープコンセプトで、ゼロからの開発でなかったからだろう。SGPの知見を取り入れ、ボディー剛性を高めたというが、惜しまれてならない。

 注目のパワーユニットは、初代と同じくスバルの水平対向4気筒エンジンだが、2リッターから2.4リッターに排気量を引き上げた。これはボアアップによるもので、シリンダーのストローク(行程)は86ミリのまま、ボア(内径)を86ミリから94ミリに拡大した。

 その結果、最高出力は235PS(初代は後期モデルのMTで207PS)、最大トルクは25.5kgf-m(同21.6kgf-m)に向上した。これによって、スバルのショートストロークエンジンならではの鋭い吹き上がりと、ボアアップによるトルクの厚みを実感できるだろう。

 それは0→100km/h加速が従来の7.4秒から6.3秒に向上したことからも裏づけられる。これは2.4リッター化したにもかからず、車両重量を1270キロに抑えた成果だ。この加速性能の向上だけでも、9年間、2代目を待ち続けた甲斐があったといえる。

 しかし、新型86・BRZの最高出力は235PSにとどまり、排気量を2.4リッターに引き上げた分、リッター当たり100PSに届かなかったのは残念だ。「リッター100PS」は高性能スポーツカーの象徴で、ターボに頼らず、自然吸気で達成したところに初代後期モデルのすごさがあった。

 このため、同100PSにわずかに届かない2代目には少々物足りなさが残る。今後のマイナーチェンジで、ぜひとも5PSアップの240PSを期待したい。

 以上のように、新型86・BRZは、そのスペックを読むだけでも次々と夢が広がる。このクルマでジムカーナやサーキットを走ったら、面白いに違いない。購入後のカスタマイズも楽しめる。

 86は2021年秋、BRZは21年夏の発売という。先行するBRZは5月になれば、正式なグレードや価格が発表になるだろう。ベースモデルの車両価格は、おそらく300万円台にとどまるだろう。クルマ好きにとって、久しぶりに心が躍り、待ち遠しい1台が誕生した。
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