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授乳服はライフスタイルの発信

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【女性起業家に聞く】 授乳服ブランド「モーハウス」創業者 光畑由佳さん(上)

公開日: 2015/02/15 (ビジネス)

光畑由佳さん(モーハウス本社で) 光畑由佳さん(モーハウス本社で)

 「子連れ出勤」というワークスタイルで、注目を集める「モーハウス」。茨城県つくば市に本社を置き、授乳服のパイオニアとして、企画や制作、販売を手がけている。創業者の光畑由佳さんは、自身の体験をもとに会社を立ち上げた。新しいライフスタイルの可能性を「発信」し続ける、先進的な企業の会社運営について聞いた。

――「モーハウス」で実現したかったことは何ですか?
 「授乳服」を販売すること、新しい職場のスタイルを提案することを通して、ライフスタイルを発信することにやりがいを感じています。価値観がひっくり返るようなインパクトがあれば、人びとのライフスタイルは変わっていきます。モーハウスがそのような役割を担っていければいいなと感じています。

 ――事業立ち上げのきっかけはご自身の体験だったそうですね?
 次女が赤ちゃんのとき、電車の中で泣き出してしまい、胸をはだけて授乳をしなければならなかったのですが、そのときの不自由な思いが起業のきっかけとなりました。海外から授乳服を取り寄せたところ、人前でも授乳ができるという安心感で、これほどまでに解放感が持てるのかと驚きました。当時は日本に授乳服はほとんどなかったので、「母乳育児中の母親にもっとラクに子育てを楽しんでほしい」という思いで、日本人の体形に合わせた授乳服を制作、販売するため「モーハウス」を立ち上げました。

 ――どのようにして会社を立ち上げましたか?
授乳服を広げたいという考えに共感をしてくれた近所の友人や知り合いと3人で、自宅で始めました。外注の人やモデルをやってくれた人も含めると数人になります。初めのころはデザインも自分で手がけていました。

 ――売れ行きはいかがでしたか?
 最初はまったく売れませんでした。「母乳育児中の母親は外出を我慢する」という背景もありました。子どもが外出中におっぱいを欲しがったらどうしよう、授乳室はあるだろうかと、不安になり外出できなくなってしまう気持ちは私自身も経験していたので、よく理解できました。そこで、まず「出かけても大丈夫」という、ライフスタイルの発信をするようにしました。子どもが集まりそうなイベントを企画して、自分自身が人前に立ち、授乳服で娘におっぱいをあげたり、子連れ出勤のスタイルを新聞などのメディアに取り上げてもらったりすることで、授乳服についても、次第に認知度が高まっていきました。その結果、授乳服も少しずつ売れるようになりました。

 ――現在、授乳服が浸透してきたという実感はありますか?
 そうですね。今は多くの会社が授乳服を作るようになり、値段もさまざま。残念なことに中には作りがしっかりしておらず、胸がちゃんと隠れないデザインもあります。すぐに授乳ができ、肌もみえないのが本当の授乳服だということを、きちんとアピールしていきたいですね。授乳服を買っていただいた方から、「子育てがつらくて仕方がなかったのに、授乳服のおかげで、気持ちががらりと変わった」という声をいただくときが一番うれしいです。

 ――つくばの本社や青山の店舗などで「子連れ出勤」を認めていますが、その理由は?
従業員は45人おりますが、ほとんどが子育て中の女性です。0歳の子どもを連れて出勤しているスタッフもいます。モーハウスに応募してくる人たちは、「子どもが保育園に入れなかったから」という理由よりも、「子育てと仕事、もし両立できる環境で働けるなら働きたい」と考える人たちばかりです。そのような方たちは、仕事ができないと思っていた時期に働けることの喜びや、授乳服という商品そのものへの思いが強いので、短い時間でもいきいきと仕事をしています。

 ――職場に子どもがいると、業務に集中できないことはありますか?
 スタッフの中には、両立が難しく、子どもにばかり目を向けてしまう人もいます。「会社は基本的に仕事を優先する場です」と説明すると、母親が仕事に集中するあまり、子どもが泣いてしまうことも。まず、子どもを安心させてから仕事をすること、それは同時に周りの人への配慮にもつながりますし、両立のコツでもあると伝えています。
 職場では子どもをおんぶして仕事をしているスタッフもいますし、フロアで子どもが遊んだり、昼寝をしたりするスペースも設けています。母親も慣れてくると、泣く前のタイミングで授乳したり、子どもの欲求に応えたりできるようになります。母親が近くにいる安心感もあり、子どもたちも静かにしていることが多いです。スタッフの中には出産経験のない独身もいるので、そういう方への配慮もしながら、みんなが働きやすい環境にしなければいけないと思っています。
(続く)

【会社概要】
1997年創業。本社は茨城県つくば市。オンラインショップのほか、東京とつくば市に店舗を展開。従業員数45人。「授乳服があれば 子育てはもっと楽しめる」をモットーに、授乳服と授乳用インナーの製作・販売を手がけ、授乳服を通じた情報の発信のイベントも実施

mohouse_office


【起業家プロフィール】
光畑由佳(みつはた・ゆか)
倉敷出身。お茶の水女子大学被服学科を卒業後、(株)パルコでの美術企画、建築関係の編集者を経て、1997年の2人目の出産後、電車の中での授乳体験を機に、「産後の新しいライフスタイル」を提案するため授乳服の製作を開始。本社、青山ショップなどで「子連れ出勤」を実施し、女性、企業、学生に向けての講演も多数。多様な生き方や育て方、働き方を提案する「子連れスタイル推進協会」代表理事。三児の母。内閣府「暮らしの質」向上委員会委員、経済産業省「中小企業経営審議会」臨時委員など

構成・斉藤真紀子 (ライター)

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