ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップ)した記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■焦点:ルノー日産連合の危機、元凶はマクロン大統領の介入主義 (ロイター)
ゴーン逮捕の背景にマクロン大統領が、ルノーと日産の経営統合によるルノー優位の確定をゴーンに迫っていた事実があった。それを阻止しようとしたゴーン逮捕は、広い意味でのクーデターであり、広い意味で国策捜査の面もある。そこへ至った、仏大統領の社会党政権の閣僚時代からのルノーへの取り組みを総ざらいしている。日に日に日仏対立の様相を呈しているゴーン逮捕と日産・ルノーの確執であるだけに、ゴーン事件・仏政府とルノーの批判に、日本の司法は耐えられるのか(現代ビジネス) という視点も見逃せない。
■ファーウェイのスマホは“危険”なのか 「5G」到来で増す中国の脅威 (ITmedia)
米国政府が次世代の通信技術5Gの導入で日本を含む同盟国に中国のファーウェイ製品を使わないように要請している。28日にはニュージーランド政府が豪州に続いて使用不可を決めた。ファーウェイの5G参入、NZ当局も禁止通告(CNN) ITmediaの記事は米国が10年前から人民解放軍出身者が創業したファーウェイを監視してきた事実など、スパイとみてきた事実を記している。ただ、米中の技術の覇権争いなのかもしれない。
■「論外だ!」幼児教育無償化費用で国vs地方 存在しないベビーシッターの監督基準どうする? (FNN)
安倍政権が看板政策として掲げる「幼児教育無償化」の費用負担を巡って国と市長会が対立している。記事を読む限りは、こんなことも決めずに実施しようとしていたのか、政策だけかかげて実質的には基礎自治体に丸投げしようとしていたとしかいいようがない。入管法に同様だが、中身を詰めずに走る安倍政権の特徴がここにも表れている。
■「シャブ山シャブ子騒動」思考停止のメディア (Japan in depth)
人気ドラマ「相棒」で放映された覚せい剤患者の様子が、実態とかけはなれたもので偏見を助長するという団体からの申し入れに関する騒動。当時者が書いている。表現の自由を理由にクレームに対してバッシングが起きた点も、いまようのネット民のありようを示している。デイリー新潮の記事もずれている。最後に中毒患者は犯罪者というより患者と書かれている点に共感する。人権に少しでも関心を持っていただきたいし、その教科書のような事例である。
今週の4本 マクロンの日産・ルノーへの介入の一部始終 |
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【編集長のイチオシ】日産・ルノー/ファーウェイはスパイか/幼児教育無償化で国・地方の対立/薬患者への偏見
Reuters
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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