ニュースソクラのキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。次々と問題が発生している安倍政権の司令塔の一人、今井秘書官は焦点の人。東芝再建のカギをにぎるCEOに就いた三井住友銀行の元副頭取の車谷氏、河野外相、インスタグラムのシストロムCEOと人に焦点が当たった記事をそろえました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■東芝「再スタート」でも積み残した大きな課題 (東洋経済)
三井住友銀出身の車谷氏が東芝の会長兼CEOに4月1日に就任し、新体制がスタート。東芝がいま抱える問題をコンパクトにまとめている記事だ。最大のポイントは半導体子会社「東芝メモリー」の売却問題。会見した車谷氏は半導体子会社の売却方針は変えないと表明したが、増資に応じたファンドからは、「売るな」「安すぎる」との声が次々と。東芝では一歩早く報じることが多いロイターの布施記者の『東芝、年度内の半導体売却できず モノ言う株主が動く可能性』の記事に東芝メモリー問題は詳しい。
■「影の総理」今井首相秘書官に見える2つのほころび (JBPRESS)
小泉首相のときの飯島秘書官の役割を担う今井秘書官の「素顔」をまとめたよい記事だ。筆者は日経OBの大西氏。今井氏の東電、東芝とのかかわりがしっかりでてくるのも日経、日経ビジネスで特ダネを出していた大西氏らしい。今井氏は官邸入り後にロシアや北朝鮮で「突出」していたのも付け加えておきたい。東芝の会長に就いた車谷氏も東電救済の際の「同志」だ。
■河野発言、中国に思わぬ一撃か? (Newsweek)
独特の視点を見せてくれる中国専門家の遠藤誉氏のコラム。中国の北朝鮮問題での目標を分かりやすく解説している。見出しにある河野発言とは31日に「北朝鮮が核実験の準備をしている」と話したこと。米の北朝鮮専門サイトのノース38が否定するなど、勇み足っぽい。だが、中国は報道官が「日本だけが取り残されている」と皮肉るほど反応しており、北朝鮮や中国への牽制球にはなっていのかもしれない。そこを計算しているのだとしたら、したたかな外相ということになるのだが。
■インスタグラム、良心の決断 (Wired)
フェースブック(FB)に買収されたインストグラム。創業者でCEOのシストロム氏による独立経営が続いている。誹謗コメントの追放のためAI対応の投資をするなど、ネットの信頼回復に地道な活動をしている。真面目な人柄が伝わってくる記事だ。FBは10、11日に総帥ザッカ―バーグ氏の議会証言を控え、政治広告はスポンサー明示など対応策を次々打ち出している。だが、ザ氏自身、米ネットメディアとのインタビューで「(不公正なFB使用を是正するには)数年はかかる」と語っている。誠実な対応ととるか、深刻な成長制約なのか。
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【編集長のイチオシ】東芝の再生は/今井秘書官/河野外相発言/インスタグラム
Reuters
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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