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民主党本部で結成されたコンビニ労組第一号

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コンビニ労組(上)小沢一郎がバックアップ

公開日: 2015/08/17 (ビジネス)

小沢一郎氏=Reuters 小沢一郎氏=Reuters

角田 裕育 (政治経済ジャーナリスト)

  コンビニエンスストアの店主らに労組結成を認めるのか--すでに地方の労働委員会が認めた労組結成に関し、今秋には中央労働委員会の決定が下る。認められれば本部と店主の力学に大きな変化をもたらし、コンビニ経営に転機をもたらしかねない大きな問題だ。

 なぜ、コンビニ店主たちは労組結成によってコンビニ本部との交渉権を得ようとしたのか。その裏には、本部優位の歴史がある。これまで店主たちはどんな戦いを演じてきたのか。歴史を遡ってみよう。
 
 コンビニ労組第1号の「セブン-イレブン加盟店ユニオン」が、どこで結成されたかご存知だろうか。それは、政権交代につながる総選挙を控えた2009年8月4日のことで、場所は東京の民主党本部だった。

 当時の民主党の最強実力者とされたのは、小沢一郎代表代行。そのもとへ複数のコンビニ・オーナーを率いて訪れたのは岡山県選出の姫井由美子参院議員だった。話を聴いた小沢氏は「何とかしなくちゃいかんな。コンビニは地の人だし。皆さん私を勝たせて欲しい!」小沢氏はオーナーたちの陳情を受諾した。

 「勝たせてほしい」という発言は、田中角栄元首相から受け継いだ意味に変換すると「票を沢山出してほしい」という意味である。コンビニは一店舗あたりオーナー・従業員を含めて平均20人いる。全国で5万店もあるから、単純に20×5万で100万票の票田と言われた。加えて常連客などもいる。

 事実、09年の総選挙期間中は自店の従業員のみならず常連客や地域商店街仲間の票を固める猛者もコンビニ・オーナーにはいたのである。

  「オーナーは事業者だから労組とは扱われないのでは」という懸念もあったが、一人親方など個人事業主の団体に労働組合法が適応され、団体交渉権を獲得した前例があった。そうした考えを、政権交代を控えた政界の空気が後押しした。

 それでも、コンビニ本部側は「オーナーは経営者で労働者ではない。組合なんか認めない」というな姿勢を崩さない。

 中でも“コンビニ業界の天皇”の異名を持つセブン-イレブンの鈴木敏文会長は、自社の加盟店オーナーが中心となってコンビニ加盟店ユニオンが結成されただけに、強硬にユニオンの存在を認めようとしない。

 本部社員を集めた会議でも、
 「ユニオンを潰せ!」
 と幾度も檄を飛ばした。だが、鈴木会長の檄も虚しく一日、16ー17時間という激務に追われている本部社員たちの中にはユニオン側にシンパシー(親近感)を寄せる者も少なくなく、オーナーを通じて記者(角田)に内部告発をする人も表れる始末だったのである。

 ユニオン結成直後は民主党政権誕生も相まって、オーナーのみならず本部社員の待遇も政府から問題視される恐れもあった。同社の井阪隆一社長にインタビューした際、当時、消費者大臣として入閣していた福島瑞穂氏(当時社民党党首)と記者(角田)が知己なのを知って口利きを頼めないかと「陳情」してきた程だった。

 しかし、鈴木会長は相変わらず「弁当の見切り販売をしても無意味」、「ユニオンは一部はねっかえりのオーナーたち」と言った主張を崩さない。井阪社長はユニオンと話し合う意向を示しつつも鈴木会長の意見を尊重するというスタンスを取らざるを得ない。鈴木会長の権力は、想像を絶する強大さなのだ。
 
 彼の意に反する意見は全て退けられてしまう。セブン-イレブンの母体となったイトーヨーカ堂の創業者である伊藤雅俊セブン&アイ・ホールディングス名誉会長ですら、例外ではなかったとされる。

 だが、コンビニ店主と本部の力関係は微妙に変わり始めている。セブン-イレブンのみならず、どのチェーンでもコンビニオーナーの新規加盟者が、殆どいないという。本部が強く禁じてきた弁当や総菜などデイリー品を見切り販売する店舗も増えてきている。

  あるベテランオーナーは「以前みたいに圧力をかけて、オーナーを辞めさせても代わりがおらへんのですよ。せやから、本部も弱腰になってきているんです」 と語っている。
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角田 裕育(政治経済ジャーナリスト)
1978年神戸市生まれ。大阪のコミュニティ紙記者を経て、2001年からフリー。労働問題・教育問題を得手としている。著書に『セブン-イレブンの真実』(日新報道)『教育委員会の真実』など。
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