• tw
  • mail

カテゴリー

 ニュースカテゴリー

  • TOP
  • 独自記事
  • コロナ
  • 統一教会
  • 政治
  • ワールド
  • マーケット
  • ビジネス
  • IT/メディア
  • ソサエティ
  • 気象/科学
  • スポーツ/芸術
  • ニュース一覧

八郷社長が履き違えている「ホンダらしさ」

あとで読む

ホンダらしさの復活:八郷新社長は萎縮した社内を「ボトムアップ」で改革というが・・・

公開日: 2015/09/01 (ビジネス)

Attribution License Attribution License

代沢重次郎 (ジャーナリスト)

 品質関連費用の増大などで、ホンダは2015年1~3月は四輪事業が営業赤字に転落。壊れた会社を6月に伊東孝紳前社長から引き継いだ八郷(はちごう)隆弘社長(56)は、就任後の記者会見で「ホンダらしさ」を取り戻すためのキーワードとして「ボトムアップ」を連発した。

 つまり、強烈なリーダーシップのもとに時には部下の意見も聞かずに勝手に物事を自分だけで決めていった伊東氏との訣別を宣言し、「ワイガヤ」で知られるホンダ独自の文化をホンダ復活の糧とするというのだ。

 ただ、ホンダの役員・社長経験OB連は八郷氏は「ホンダらしさ」、同社の創業者のひとりである本田宗一郎氏の教えを履き違えているという。

 「ホンダらしさを取り戻すといっているが、具体的には何だというと、何も無い。唯一あったのが、伊東社長で萎縮した社内を、もう少しボトムアップでみんなの意見を聞いて調整する。それでは話しにならない。ダメだね!」

 こう語るある役員経験者によると、ホンダの「社長、会長を含めた幹部経験者OBの100%は、現在の本田の状況をものすごく心配している。八郷社長は社内外で『ホンダらしさ』の復活を盛んに強調しているが、OBの我々には本田宗一郎が言い残した言葉のオウム返しで、具体的に何かというと何も無い」

 先月7月の中旬、八郷社長、峯川副社長を含めてホンダ経営陣の8人とOB連との会合が都内のある場所で持たれた。

 前出の幹部経験のあるOBによると、ホンダの将来を心配するOBの一部は会合の前に八郷氏へのメッセージを相談したという。そして、当日会合に集まった吉野浩行(よしのひろゆき)元社長と別の社長、副社長、役員経験者は、八郷氏に対して次のようなメッセージを伝えようとした。

 ホンダらしさの復活とは、具体的には疲弊しているホンダの研究所を元の姿に戻すことなのだ。なぜなら、近年の中国に始まり東南アジア、ロシア、インド、アフリカ、中東と広がりを見せている新興国市場の台頭で、各市場のそれぞれ異なる法規や消費者の趣向に合わせたモデルの開発の要求が厳しく、自由な研究開発で元気だったホンダの研究所がある意味破綻しているからだ。

 「いきなりグローバルになって、やれインド専用車、タイ専用車、中国専用車、みんな日本のホンダの研究所に仕事が来るわけだ。それではとでもじゃない。それをこなすのに精一杯。自由に本来あるべき研究開発に従事する余裕はない」と幹部経験者OBはいう。

 そんな昔の元気だったホンダに回帰するために何が必要なのか。OB連の中心的な社長・役員経験者の間での意見はある程度一致している。

 彼らがいま八郷氏に求めているのは、思い切ってホンダの事業規模を見直し、業績を意識的に落とすこと。

 「なりふり構わずこうあるべきだという姿を考え、商売の規模を見直すこと。当然機種は減る。集中しなければいけない。当然売り上げが落ちる。それは覚悟しろ。今のホンダのキャッシュフローから考えると売り上げが12兆円から10兆円になっても潰れない。それは一年目の恥じとおもえばいい。2年目に回復しなくても3年目4年目に回復すればいいんだ」

 車種や事業の規模を絞れば、少なくとも疲弊している研究所の問題は解決でき、昔のようにトヨタとは違う日本の自動車会社になれる。更に言うと、「ミニトヨタ」を目指したこれまでの路を捨てることを意味する。

 「だから、思い切ってそのぐらいの覚悟を決めてやったらどうかということを言いたい。そのぐらい言わないと八郷は分からないと思う」

 これが、OB連の中心的な社長・役員経験者の間でのコンセンサスだ。が、メッセージは当日の会合の顔合という性質もあり、また人数が多かったこともありうまく伝わらなかったという。

 複数のOBによると、これからも八郷氏への啓蒙活動は煙たがられても続けていく決意だとのことだ。「研究所の活力を取り戻すためにどうするか、ということ。自分がいかにホンダの歴史の中で重要な局面にいるか、ということを分かって欲しい」

 「こんなホンダならいらない」といわれる昨今、ホンダが事実上その歴史の中で極めて重要な局面に差し掛かっていることは間違いない。
続報リクエストマイリストに追加

以下の記事がお勧めです

  • 印自動車マヒンドラが企てる米国進出 代沢重次郎

  • スズキ ワーゲンに代わる資本提携を模索 代沢重次郎

  • 代沢重次郎氏のバックナンバー一覧

  • 中露共同声明に明確に違反 ベラルーシへの核配備

  • 石炭火力が突出する日本 アンモニア混焼唱え笑いものに

  • 米国金融不安 背景に商業不動産向け貸し出し

  • 渋沢と福沢 身分制度、男女差別への憎悪で一致

Tweet
LINEで送る

メニュー

    文字サイズ:

  • 小
  • 中
  • 大
ソクラとは 編集長プロフィール 利用案内 著作権について FAQ 利用規約 プライバシーポリシー 特定商取引法に基づく表示 メーキングソクラ お問い合わせ お知らせ一覧 コラムニストプロフィール

    文字サイズ:

  • 小
  • 中
  • 大
  • 一覧表示を切替
  • ソクラとは
  • 編集長プロフィール
  • 利用案内
  • 著作権について
  • メーキングソクラ
  • お知らせ一覧
  • FAQ
  • 利用規約
  • プライバシーポリシー
  • 特定商取引法に基づく表示
  • お問い合わせ
  • コラムニストプロフィール

Copyright © News Socra, Ltd. All rights reserved