セブン&アイ・ホールディングス(HD)が27日に予定していた井阪隆一次期社長のお披露目会見が無期延期となった。鈴木敏文会長(5月下旬退任予定)が、「(村田社長と自分が現職のうちに)会見とはなにごとか」とクレームをつけ、説得できずに会見見送りとなった。
次期社長が会見するのはむしろ常識的なことだけに、鈴木氏の理屈にならない駄々を制御できず、典型的な老害が露出した形。会見延期の連絡を受けた各メディアからは「結局、鈴木体制は続いているのか」としらけた声がでている。
セブン&アイHDは19日に取締役会を開き、セブンーイレブン・ジャパン社長のセブン&アイ・ホールディングス社長への昇格などの主要人事を決めた。しかし、通常の上場会社なら開く、新社長のお披露目会見は開いていない。このため、27日の会見を決め、メディア各社に通知していた。
これを無期延期にせざるをえなかったのは、事情を聞いた鈴木会長が激怒し、中止を強硬に主張したから。本人の処遇が決まっていないなかで、新体制の実質的な発足が気が気でなかったのかもしれないが、俺がいるうちになんでと駄々をこね続けたという。
鈴木会長の主張どおりに進めると、退任する5月下旬の株主総会まで新体制の会見はできなくなってしまう。株主総会には投資ファンドのサードポイントなども出席する予定。新体制の新方針を株主総会までお預けとなると総会の長時間化は避けられず、出足から躓きかねない状況となっている。
鈴木会長が反対、セブン&アイお披露目会見が延期に |
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井阪新体制、出足から躓き
公開日:
(ビジネス)
Reuters
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土屋 直也:ネットメディアの視点(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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