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復活する村上世彰(下)

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華僑と組んで新興アジアの不動産投資に意欲、元同志とは袂分かつ 神鳥巽

公開日: 2015/03/05 (ビジネス)

共同通信社 共同通信社

神鳥 巽 (経済ジャーナリスト)

 村上ファンド主宰者だった村上世彰氏は2006年の逮捕直前からシンガポールに移住しようとしてきた。逮捕と裁判によって“中断”していたが、最高裁で有罪が確定、その後、執行猶予期間が明けて本格的にシンガポールに拠点を移している。
 
 村上氏を知るベンチャー企業の元経営者は「光通信の重田(康光)さんもそうですが、目端の利く経営者の間でカンボジアやミャンマーへの投資熱が高まっています」という。村上氏の消息を知る人物は「村上さんは華僑資本と組んで新興アジア諸国で不動産投資をやりたがっている」と打ち明ける。

 いまや“国際投資家”に変貌を遂げつつある村上氏だが、その過程で村上氏と袂を分かった人も少なくない。インサイダー事件で村上ファンドが瓦解すると、滝澤建也氏ら中核メンバーがシンガポールで投資ファンド「エフィッシモ・キャピタル・マネージメント」を旗揚げし、以来、このエフィッシモに加わったメンバーとは関係が途絶する。村上ファンド瓦解時の保有資産の分与をめぐって村上氏と滝澤氏の間で相当の確執があったようで、その後、同じく村上ファンドのメンバーの丸木強氏(現TNPストラテジックキャピタル主宰者)が次第に村上氏と疎遠になったのも、このときの確執に遠因があるらしい。

 これに懲りた村上氏は、日本の拠点である投資会社レノを立ち上げる際に、メンバーが袂を分かつ時にはレノの持ち分を「純資産額×保有株式×1・05」という計算式で村上氏が買い取る取り決めをしている。ところが同社社長だった赤根豊氏(村上ファンドの顧問税理士でもあった)と村上氏との関係がその後、悪化。赤根氏が自身の保有するレノの持ち分を村上氏に買い取りを求めたところ、あらかじめ計算式まで決めていたのにもかかわらず、両者の間で価格が折り合わない。ついには赤根氏が、当初の取り決め通りの計算式で「正当な価格」で買い取ってくれるよう株式売買代金を請求する訴訟を2011年4月に東京地裁に起こす“内紛”に発展している。

 その後、村上氏と親しかった投資銀行の元幹部が村上氏の誘いにのってシンガポールに渡り、共同でアクティビスト・ファンドを立ち上げようとしたものの、結局、村上氏と資金面で折り合いがつかず”破談“している。

 いずれのケースも、親密な人間関係よりもカネの取り分を優先しているようで、村上氏の人間性をうかがわせるようなエピソードだ。結局のところ他人を信用できないのかもしれない。だからなのか、自身の後を継承しうる人物として、勤務先のモルガン・スタンレーを辞めさせてまで娘を起用したのではないか。「村上さんの目下の関心は自身のファミリーの資産拡大しかない」。袂を分かったかつての友人は、そう見ている。レノなどの投資資金は、逮捕時に200億円もあった村上氏の個人資産が原資となっている。レノが50億円で買収したジョイント・コーポレーションがその後95億円でTPGに転売できたりしているので、資産はこの9年余りで相当拡大しただろう。

 昨年暮れ、レノの法人登記簿を取得した村上ウォッチャーの間で驚きが走った。長らく村上氏の腹心としてレノを取り仕切っていた三浦恵美氏が退任し、後任にオリックス出身の福島啓修氏が起用されたからだ。オリックスは創業者の宮内義彦氏が村上氏の後見人的存在で、村上ファンドが出資者を募る際の営業代行はオリックスの投資銀行部門が担ってきた。両者の人的なつながりはきわめて深い。すわ三浦氏も離反したのかとの観測や憶測を呼んだ。

 その後、判明したことだが、三浦氏はシンガポールに渡り、村上氏のアジア投資にかかわっているらしい。村上氏は知り合いに「もう日本株はずいぶん上がってしまったので手じまいする」と漏らし、日本株投資の縮小をにおわせている。水面下で株の買い付けをしてきた自動車関連メーカーについては「買い増し」を中断したそうだ。
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