「2018年、地銀再編は進むか」
懸案事項だった地域金融機関の再編が動き出した。公正取引委員会(公取委)は12月15日に新潟県を地盤とする第四銀行と北越銀行の統合を認可すると発表した。両行の統合は公取委が融資等の県内シェアが高くなりすぎるとして二次審査入りしたことに伴い、統合時期が当初の18年4月から同年10月に延期されていた。公取委は詳細な調査の結果、有力な競合行が他にもあるとして無条件で承認した。
同日記者会見した公取委の深町正徳企業結合課長は、「統合後も競争環境が維持されるかどうかが、最も重要な判断基準だった」と審査の過程を振り返った。公取委は新潟県内の企業向け融資を「大・中堅企業向け」と「中小企業向け」に分類した上で、県内企業約6900社にアンケート(有効回答は約5割)を行うなど詳細な調査を重ねた。特に「中小企業向け」については、県内を10の経済圏に分けて実態調査する念の入りようで、第四銀行もこうした公取委の審査に協力した。
第四銀行と北越銀行の統合が認可されたことで、次の焦点は長崎県の親和銀行と傘下に持つふくおかフィナンシャルグループと同じ長崎県のトップバンク、十八銀行の統合に移るが、「こちらの統合承認は容易なことではない」(地銀関係者)と見られている。両行の統合は公取委の認可が得られず無期延期に追い込まれている。
♢公取委
利益還元、競争で実現可能=地銀再編で前公取委事務総長(ニューズウィーク)
地銀再編「独占の利益頼り不適切」公取委委員長、長崎など念頭 (日経)
♢地銀
地銀生き残りのビジネスモデル作る=菅・関西みらいFG社長(ロイター)
ゆうちょ、地銀と連携構想(共同通信)
政府・日銀に翻弄される地銀 行き詰まる再編、淘汰に現実味 経済本部長 吉田憲司(産経新聞)
生き残りのカギはここにある?全国地銀106行「収益力」ランキング(現代ビジネス)
♢金融庁
「地銀の7割は5年後に赤字」金融庁の試算を再現してみた(ダイヤモンド)
地銀の過半が本業赤字 17年3月期、金融庁が報告(日経)