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国民民主党の選挙区調査、合流が得策と出た

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【小塚かおるの政治メモ】合流なければ野党はジリ貧、合流すれ ば光明が明確

公開日: 2020/08/03 (政治)

【小塚かおるの政治メモ】合流なければ野党はジリ貧、合流すれ ば光明が明確

 立憲民主党と国民民主党の合流協議が大詰めを迎えている。幹事長間の複数回に渡る会談やそれぞれの党内議論により、両党ともに解散して新党を結成する「新設合併方式」での合流にはほぼ異論がなく、政調会長を交えて綱領や規約の検討も行われている。

 もっとも、昨年末から年初にかけての合流協議は9合目の土壇場で断念となっただけに、今度こそ最終合意に至るのかどうか、最後の最後まで見通せない。お盆前が1つの目途だという。

 残された最大の課題は党名問題だ。立憲民主党側は合流新党の名称を「立憲民主党」とし、略称・通称を「民主党」とすることを提案したが、国民民主党の玉木雄一郎代表が難色を示し、「党名は投票で民主的に決めるべき」と主張。

 これがネックとなっているのだが、残り1年強となった衆議院の任期とその間に必ず行われる解散総選挙を考えたら、両党ともにほとんどの衆院議員の本音は「合流がベスト」だろう。党名に固執してゴチャゴチャ言っている余裕のないことを、玉木代表自身もよく分かっているのではないか。

 実は、国民民主党は年2回ほど定期的に所属議員らの情勢調査を行っている。衆議院の選挙区ごとの投票先調査で、メディアなどの通常の世論調査のような漠然とした政党支持率を調べるものではなく、「いま総選挙があれば、あなたは誰に投票しますか?」と立候補が想定される具体的な個人名を挙げて聞くものだ。

 その調査を7月後半の週末、衆議院の現職全員と元職・新人の予定候補者の合計約80人について実施した。

 結果は国民民主党にとって予想通りの厳しいものだった。

 投票先として国民民主党候補を挙げた人の割合は平均2~3%だったのに対し、立憲民主党候補は平均12~15%と大きく差が開いた。北海道や新潟県では立憲民主党が自民党を凌ぐほどの強さだったという。メディアの最近の世論調査では、立憲民主党の政党支持率は6~7%程度で10%を超えることはない。

 それなのに「誰に投票?」と聞く調査で立憲民主党が高く出たのは、「野党第1党効果」によるものだという。選挙時や選挙が近づけば近づくほど、与党に投票したくない有権者の支持は野党第1党へ集中する傾向があるのだ。つまり、野党第1党にならなければ、国民民主党はジリ貧のまま選挙に突入せざるを得ないわけだ。

 一方で、国民民主党候補の中でも当選回数の多い現職は強かった。特に、2012年の自公政権復活選挙でも議席に踏みとどまり、2014年、2017年と連続当選(比例復活含む)を重ねている現職は、無所属で出馬しても当選できるほど、政党名に関係なく選挙区で個人名が認識されていた。

 これは立憲民主党にも言えることで、立憲民主党の現職には当選1、2回のうえ、かなり低い惜敗率の比例復活当選者が少なくない。「野党第1党」効果があっても、与党の現職に勝てるほどの得票が見込める人は皆無なのだ。ならば、合流によって与党に代わる政権の「受け皿」を明確にし、野党第1党効果をさらに高めた方が得策だ。

 調査では、立憲民主党と国民民主党の予想獲得議席は90~130。現状維持かそれより少ないくらいだが、合流が実現すれば130を超える可能性も出てくる。

 「必勝パターンは、まずは野党第1党であること。次に共産党との選挙協力。共産党は各選挙区に1万2000~2万票を持っている。共産党候補とのバッティングがなくなり、その票が野党統一候補に来る効果は大きい。そして最後は無党派層の支持を高めること。

 この3点が揃って、ようやく自公候補と戦うスタートラインに立てる」と国民民主党の関係者は話す。

 解散総選挙を考えれば、立憲民主党と国民民主党の合流には理があることは明確。だが、「昔の民主党への先祖返り」「選挙互助会の野合では支持は広がらない」などという厳しい見方が既に報じられている。党名にしても、立憲民主党のままだろうが、民主党だろうが、全く別の政党名になろうが、どうなっても批判はあるだろう。

 「立憲民主党を解党して新党の名前がまた立憲民主党なんて、意味がわからない」という疑問も理解できなくはない。ちなみに、選挙のプロは、「今から全く新しい党名なんてシロウトの考えること。幅広い有権者には覚えてもらえず、浸透させるのは無理。選挙まで1年では既存名しかありえない」と解説する。

 要は、そうした批判を乗り越え、いまの安倍政権とは違う国家像を示すという強い決意があるかどうか、突き進めるのかどうか、なのである。

 自民党と公明党の連立であるいまの政権だって、結局は選挙互助会だ。公明党が各選挙区で持っている2万票前後の票がなければ当選の危うい現職はゴロゴロいる。政策面でも完全一致しているわけではない。公明党は憲法改正には慎重、新型コロナウイルス対策でも首相官邸と自民党の決めた給付金の額をひっくり返した。
 
 最後に、選挙目的の新党ではダメだ、という声にはこう言いたい。もちろん政策とセットであることは言うまでもない。しかし、どんなに良い政策を作り上げたとしても、国会で多数を取り政権に就かなければ実行に移せない。絵に描いた餅なのだ。

 逆に、どんなに酷い政策でも、政権を取っていれば実行されてしまう。アベノマスクや感染拡大局面でも「Go To キャンペーン」が進む現状がそれを端的に物語っている。

小塚かおる (日刊現代第一編集局長)

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小塚かおる(日刊現代第一編集局長)
1968年、名古屋市生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。関西テレビ放送、東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者。その間、24年に渡って一貫して政治を担当。著書に『小沢一郎の権力論』、共著に『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』などがある。
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