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国政選の先行指標、都議選 小池都知事はどう動く?

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【小塚かおるの政治メモ】小池劇場の再来あるかも

公開日: 2021/05/31 (政治)

Reuters Reuters

 まもなく東京都議会議員選挙が行われるのをご存じだろうか。

 6月25日告示、7月4日投開票、定数127。東京都という地方議会の議員選挙ではあるが、無党派層が圧倒的な首都の選挙であり、後に続く国政選挙の前哨戦との位置づけで、国政関係者は毎回、必ず注目している。

 前回2017年こそ、都議選は小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会(都民ファ)」が圧勝し、都議会第一党を奪取、自民党が議席を57から23まで減らし大敗した。しかし、3か月後の衆議院選挙では「希望の党」を立ち上げた小池氏は〝失言〟で失速、自民党が大勝している。

 だが、古くは1989年の社会党躍進と1993年の日本新党の躍進、最近では2009年の民主党による政権交代、2013年は自民が都議選で候補者全員当選を果たした後の参院選で、今の選挙制度での最多議席を獲得するなど、都議選結果は国政選挙の先行指標となってきた。

 今年は10月までに必ず衆院選が行われる。今回も都議選結果が衆院選の写し鏡となるのはほぼ確実だ。選挙関係者の情勢分析が始まっているが、今のところみな「変数が多すぎて読み切れない」と口を揃える。

 主な変数は3つある。①新型コロナウイルス感染対策とワクチン接種の行方②東京五輪の開催可否③小池都知事の態度。①と②は告示日直前、そして選挙期間中にどんな状況になっているかで、菅義偉政権、つまり自民党への風当たりの強弱が変わってくる。場合によっては、東京都の感染対策を担う小池氏にも逆風となるかもしれない。

 もっとも、選挙関係者が一番気にしているのは③だ。

 小池氏は前回同様、都政与党の都民ファを全力で支援するのか、それとも国政与党の自民党・公明党に配慮した形で選挙に臨むのか。

 実は再選を果たした昨夏の都知事選の頃から、小池氏は敵対してきた自公に歩み寄る姿勢を見せてきた。知事選と同日に行われた都議会の補欠選挙では、コロナ対策の公務に専念することを理由に都民ファの候補を表では応援せず、「事実上、自民候補に配慮した」と言われたものだ。

 さらには、政府の新年度の予算案要望で自民党東京都連との意見交換を復活させたり、二階俊博幹事長の仲介で都連幹部と会談したり。都民ファの勢いが萎み、来る都議選で自民の50議席以上の復活と自公で過半数復帰が確実視される中で、「都政の安定運営のためには、自民と手を組むしかない」という都庁幹部らの助言に小池氏が従っているようすだった。

 ところが、ここへきて小池氏を取り巻く環境に変化が見られる。菅政権のコロナ対策への世論の批判が強まるにつれ、自公への不満も高まってきたのだ。

 東京新聞・東京MXテレビ・JX通信社が合同で5月22、23両日に行った東京都民対象の意識調査では菅内閣の支持率はわずか16.1%。自民党の政党支持率は24.8%ながら、都議選での投票先となると自民は19.3%に落ちていた。

 菅政権への不満の矛先は、都議会の自民党も例外ではない。

 「ただでさえ、コロナの影響でポスターを張ったり、支援者を訪ねたりするのもままならない。支援者に会えたとしても、ワクチン接種の予約ができないことや、東京五輪を本当に実施する気なのか、など叱責されるばかりで、厳しい選挙になるなと感じている」(自民党関係者)

 昨年までの50議席以上で圧勝ムードはもはやない。40議席程度にとどまり、自公で過半数に達しない可能性も出てきている。

 そうなってくると、世論の空気を敏感に察知する小池氏はしたたかに動く。

 「小池氏は親密な二階幹事長との面会は続けているが、自民党自体とは最近、距離を取り始めている」(自民党関係者)。

 前述の都民意識調査で、小池知事の評価は、「大いに評価する」「ある程度評価する」を合わせると52.8%と半数を超え、都民ファ候補を投票先とする人は、立憲民主党14.0%、共産党12.9%に次ぐ、9.6%だった。小池氏は現在、都民ファの「特別顧問」という立場だ。

 都民ファ関係者は期待を込めて、こう話す。

 「自民とVSの構図でバチバチ戦った方が都議選は盛り上がる。小池知事は、どこかのタイミングでスイッチが入れば、全面的に都民ファを応援してくれるのではないか。今度の都議選は荒木千陽代表(都議)が主導するが、荒木氏は小池氏の元秘書で、今でもかなり近い関係。4年前ほどのべた張りではないとしても、コロナ感染に落ち着きが出てきさえすれば、都民ファ候補の選挙カーに乗ることもある」

 確かに、小池氏には「スイッチが入る」時がある。今年1月に行われた東京・千代田区長選挙がそうだった。前年の都議補選とはうって変わって元都民ファ都議の候補者を全面応援し、1週間の選挙期間中、計4回も街頭で応援演説に立った。緊急事態宣言下にもかかわらずだ。

 出陣式に姿を見せ、最終日の最後のお願いにも候補者と肩を並べる力の入りようだった。

 昨年まで予想されていた都民ファのボロ負けは、半減程度の23、24議席に食い止められるか、小池氏の応援があれば、減り幅をさらに締められるか、という状況になってきている。

 都議選で小池氏は、自公に配慮するのか、都民ファ応援で「VS自民」の構図を徹底するのか――。菅政権への支持と小池知事への評価が反比例である以上、その答えは自明なのかもしれない。

 都議選が国政の先行指標という点では、もし都議選で都民ファが予想以上の健闘を見せるようなら、それはイコール世論の小池氏への期待感ということになり、その後の衆院選での国政進出論が今以上に取り沙汰されることになるだろう。

 しかし、4年前のあの失敗を繰り返すほど小池氏は浅はかなのか? もっとも、世論の半数以上が求める「五輪中止」を切り出すようなことがあれば、「小池劇場」再来もあり得るのかもしれないが。

小塚かおる (日刊現代第一編集局長)

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小塚かおる(日刊現代第一編集局長)
1968年、名古屋市生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。関西テレビ放送、東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者。その間、24年に渡って一貫して政治を担当。著書に『小沢一郎の権力論』、共著に『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』などがある。
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