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日本維新の会 参院選でも躍進するのか、しないのか

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【小塚かおるの政治メモ】西宮市長選で完敗は「党勢に陰り」というが・・・

公開日: 2022/04/04 (政治)

PD PD

 日本維新の会は、大阪府外で初の公認首長誕生を目指した兵庫県西宮市長選挙(3月27日投開票)で敗れた。現職にダブルスコアに近い4万票の大差をつけられる完敗だった。同時に実施された西宮市議補選でも議席を得られなかった。

 維新は昨秋の衆議院選挙で11議席から41議席へと躍進を見せ、大阪限定の地域政党から全国政党への脱皮を図ろうとしているが、この市長選結果を受け「勢いが削がれた」「大阪以外の壁は厚い」などの解説が広がっている。本当にそうなのか。

 今年の夏は参議院議員選挙がある。6月22日公示、7月10日投開票の日程が有力だ。永田町の関心事のひとつは野党の行方。維新が再び大きく議席を伸ばすのか、それとも野党第1党の立憲民主党が底力を見せて踏ん張るのか、である。

 維新は3月27日に大阪市内で開いた党大会で、2022年度の活動方針として、「夏の参院選で改選議席(6議席)倍増」「次期衆院選で野党第1党」「来春の統一地方選で大阪以外の地方議員の倍増」を目標として掲げた。

 さらに参院選については「比例票で立憲民主党を上回る」という目標も設定。1人区での候補者擁立がままならないため、参院選全体での野党第1党という目標は断念し、比例票で野党第1党に挑む形だ。もっとも、比例票には党勢が明確に反映されるので、もし比例票で維新が野党トップになるようなことがあれば、立憲の受けるダメージは測り知れない。

 衆議院に比べ有権者と政治家との距離が遠い参議院の選挙結果は、選挙直前の政党支持率に、より比例しやすい。直近3月の報道機関の世論調査では、日経新聞と読売新聞で維新が立憲を1~2ポイントの僅差ながら上回っていた。

 さらに直接的な設問である、比例投票先を聞いた調査では、毎日新聞が立憲12%、維新14%、テレビ朝日系のANNでは立憲8.5%、維新6.7%。ただ、いずれも前月から見たトレンドは、維新が下落傾向、立憲は上昇傾向だった。

 選挙関係者は「参院選公示まであと3カ月というタイミングなら、本来は野党第1党の立憲の数字がもっと上がってこないといけない。ロシアのウクライナ侵攻で内政のニュースがほとんどなく、選挙ムードになっていないということもあるが・・・」と話す。

 維新は全国政党化の戦略の一環として、党公認・推薦の首長を増やすことが全国へのアピールにつながると考えている。西宮市長選でもそのつもりで戦った。しかし、維新候補を破った現職の石井登志郎市長が「一市長選に党勢拡大を持ち出すのは大間違い」と批判した通りで、大阪での成功パターンは、維新という政党の成り立ちを背景にした大阪限定のモデル。長く野党系の選挙対策に携わってきた元政党職員はこう言う。

 「維新は自民党の大阪府連が分裂して誕生した政党。もともと自民党の選挙地盤を持っていた大阪府議、大阪市議、堺市議らによって結成され、現在、所属する大阪の地方議員は240人を数える。そうした土台があるから大阪では首長が獲れるわけで、後援会など足腰の強い地方議員がいない大阪以外で『大阪モデル』を再現しようとしたって上手くいかない。まずは地方議員を増やすことから、となるが、むしろ私は、今度の参院選の維新の候補者に党勢拡大の可能性を見ます」

 それは例えば、比例区で擁立する元陸上選手の松野明美氏。「タレント候補」のように思うが、現職の熊本県議だ。他にも前山梨県知事や前自民党栃木県議など、自前の後援組織を持っている人たちが当選すれば、地方県連設立も容易になり、全国政党化のための党勢拡大に直結する、というわけだ。

 「昨年10月の衆院選から半年後の今年7月が参院選、その半年後の来年4月が統一地方選です。党勢拡大には絶好のサイクルです」(前出の元政党職員)

 衆院選後、立憲が支援組織の連合との関係でギクシャクし、共産党との共闘に関して激しいバッシングを受けた。維新の支持率上昇は「下駄」を履かせてもらった面もある。また、本拠地の大阪では、税金を使わないはずのIR(大阪カジノ構想)で、建設予定地に土壌汚染が見つかり、大阪市が790億円の対策費を投じることに反発が広がっている。

 さて維新は、「好循環のサイクル」に乗れるのかどうか。参院選が試金石となる。

小塚かおる (日刊現代第一編集局長)

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小塚かおる(日刊現代第一編集局長)
1968年、名古屋市生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。関西テレビ放送、東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者。その間、24年に渡って一貫して政治を担当。著書に『小沢一郎の権力論』、共著に『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』などがある。
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