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安倍氏の派閥復帰でささやかれる高市問題

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【小塚かおるの政治メモ】高市の清和研復帰には福田系からアレルギー

公開日: 2021/11/09 (政治)

Reuters Reuters

 10日召集の特別国会で、自民党細田派(清和政策研究会=清和研)会長の細田博之元官房長官が衆院議長に選ばれることが8日の衆院各派協議会で決まった。副議長は立憲民主党の海江田万里元経済産業相。議長、副議長は慣例により会派を離れ、無所属となるため、細田氏は党内派閥から離れる。

 細田派は会長が不在になるわけで、細田派として9日にも安倍元首相に会長としての派閥復帰を要請する見通しだ。

 安倍氏は2012年に首相就任に伴い派閥を離脱した後、現在も無派閥のまま。昨秋、一部に派閥復帰待望論が出たが、戻らずじまいだった。もっとも、首相経験者として派閥への影響力は絶大で、細田派は事実上の安倍派と見られてきた。安倍氏が望めば派閥会長就任は〝既定路線〟だ。ただ、そう簡単ではない派内事情もあるという。

 「安倍氏の復帰は既定路線だとしても、そうなると安倍氏とセットで高市早苗政調会長も戻ってくることになるだろう。派閥を出る時に後ろ足で砂をかけて出て行った高市氏を派閥幹部の多くは歓迎していない。高市氏が派閥の総裁候補となるのも、もってのほかだが、他に適当な総裁候補もいないのが悩ましいところ」(細田派関係者)

 9月の自民党総裁選では、安倍氏は自らの思想信条に近く、自身の政策を丸ごと踏襲してくれる高市氏の最大の応援団長だった。しかし、細田派は決して高市支持で一枚岩になることはなく、岸田文雄首相を支持する勢力に割れた。特に派閥幹部らは、右寄りすぎる安倍・高市路線には距離がある。

 そうしたことから、岸田政権の閣僚・役員人事でも、細田派は安倍氏の意向を聞きつつも、安倍氏の望む通りには動かなかった。安倍氏の希望は「高市幹事長、萩生田光一官房長官」だったが、細田派が岸田首相に高市幹事長を要望することはもちろんなく、官房長官についても、萩生田氏を推薦せず、松野博一氏の起用を了とした。

 清和研の源流は安倍氏の祖父・岸信介元首相だが、派閥創設者は福田康夫元首相の父であり、達夫総務会長の祖父である福田赳夫元首相だ。派内には厳然と「安倍系」と「福田系」が存在し、政策的な路線の違いもある。岸田政権で重要ポストに起用されている松野氏と福田氏はいずれも福田系だ。

 「細田氏が議長に就任して派閥を離れた後について、福田系の一部に『一旦、会長不在の集団指導体制にしたらどうか』という意見もあった。ただ、派閥を離れる細田氏は、安倍氏の派閥復帰と後継会長就任に傾いていた」(前出の細田派関係者)

 一方、安倍氏は自ら会長を奪いに行っているように見られたくないため、「派内から派閥復帰と会長就任の待望論が沸き起こるのを待っていた状況」(安倍氏周辺)だったというから、安倍氏にとっては思惑通りに進んでいる。だが、この先は高市氏が派閥復帰を求めると確執が生まれかねない。

 衆院選後の派閥流動化の動きは細田派だけのことではない。

 最も深刻なのは石原伸晃会長が落選した石原派だ。選挙前の段階でも10人しかいない弱小派閥だったが、3人が引退・落選して、現状は7人。そこで、幹部数人が投開票の2日後に集まり、派閥の今後について話し合った。結論は出なかったものの、派閥を存続させるのは困難として、7人がまとまって他派閥へ移るか、各人がそれぞれの判断で別の派閥に入会することになりそうだという。

 総裁選で岸田氏を支持せず、非主流派に転落した二階派には再編の蠢きが燻る。菅義偉前首相の菅グループの合流だ。菅グループとともに武田良太前総務相ら二階派の多くが、総裁選で河野太郎氏を推した。そう考えれば、さらに石破派が合流してもおかしくない。

 竹下派も竹下亘氏死去後、会長不在。茂木敏充幹事長が会長代行を務めるが、竹下派にいまも影響力を残す参院のドン・青木幹雄元参院議員会長は小渕優子氏を将来的には会長にしたがっており、茂木氏の会長就任には首を縦に振らないとされる。そうしたことから、竹下派と石破派の合流説が頻繁に浮上する。

 いずれにしろ、自民党内の最大派閥は細田派であり、第二派閥は麻生派。安倍氏が細田派を継げば、「数は力」の自民党で安倍・麻生支配という景色が当分、続くということだ。

小塚かおる (日刊現代第一編集局長)

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小塚かおる(日刊現代第一編集局長)
1968年、名古屋市生まれ。東京外国語大学スペイン語学科卒業。関西テレビ放送、東京MXテレビを経て、2002年から「日刊ゲンダイ」記者。その間、24年に渡って一貫して政治を担当。著書に『小沢一郎の権力論』、共著に『小沢選挙に学ぶ 人を動かす力』などがある。
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