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新人は力を発揮できるか? やや不安な大臣数人

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【舛添要一が語る世界と日本(110)】岸田内閣発足 党役員人事と比べて、組閣では独自色

公開日: 2021/10/05 (政治)

Reuters Reuters

 9月29日の自民党総裁選で当選した岸田文雄が、10月4日、国会で首班指名を受け、第100代の内閣総理大臣に就任した。

 内閣の顔ぶれは、閣僚20人のうち13人が初入閣と新鮮なイメージを振りまいている。当選3回の小林鷹之を経済安全保障担当大臣にするなど、若手の登用も行った。

 一方で、二之湯智を国家公安委員長に据えるなど高齢者にも配慮している。さらに、野田聖子を含む3人の女性大臣が誕生した。

 まさに老壮青のバランスをとっている。

 総裁選で岸田当選に貢献した主要派閥への配慮も十分である。

 官房長官に起用された松野博一が所属する細田派が4人、竹下派が4人、麻生派が3人、岸田派が3人、二階派が2人、無派閥が3人である。法務大臣に就任した古川禎久は、直前に石破派を脱退しており、それが入閣への条件かどうかは分からないが、石破派の凋落を象徴している。参議院からは3人である。

 茂木外相、岸防衛大臣は留任、萩生田文科大臣は経済大臣に横滑り、松野官房長官、鈴木俊一財務大臣、野田少子化担当大臣が再入閣である。また、公明党の斉藤鉄夫が国土交通大臣に就任する。

 党の役員人事では、安倍、麻生、甘利のいわゆる3Aへの配慮が優先され、論功行賞、そして懲罰人事の色彩が強かった。甘利幹事長、高市政調会長はその典型であり、安倍・麻生傀儡政権だという批判が強まった。

 福田達夫総務会長が若手抜擢の象徴であった。

 河野太郎は広報本部長に任命されたが、閣僚のポストから見ると降格人事であり、飼い殺しである。小泉進次郎も石破茂も完全に干されてしまった。また、積極的に岸田を支援しなかった二階派は党4役から外された。麻生太郎は副総裁である。

 このような安倍・麻生傀儡と言われるような党役員人事についての批判を受けて、岸田は、組閣では自らの色を何とか打ち出そうと苦労したようである。

 問題は、若い新人たちが予想通りの業績を上げることができるか否かである。個々の名前は挙げないが、少し不安になる大臣が何人かいる。

 岸田首相の政策については、まずは新型コロナウイルス対策である。

 第5波はピークアウトしたが、年末には第6波の到来が予想されており、病床の確保など問題が再燃する危険性がある。

 感染症の担当大臣については、田村から後藤、西村から山際、河野から堀内と移動しただけで3人体制は変わっていない。感染症対策の鉄則は権限の集中である。この布陣だと、これまで同様に「船頭多くして船山に上る」という状況になるのではないか。

 経済対策についても、アベノミクスを見直すと言うが、どのようなケインズ的政策を展開するのか。

 金融政策を軸にしたアベノミクスが経済格差を拡大させたことは否定できない。コロナ対応では、財政の出動が不可欠であったが、ポストコロナの経済政策の立案は容易ではない。

 岸田首相は、衆議院を10月14日に解散し、19日公示、31日投票の日程にする方針を固めた。

 コロナ感染第5波がピークアウトし、第6波が来る前のいわば凪の期間である。それだけに、野党が攻め難い時期を選んだと言えよう。予想よりも衆議院選挙の日程を早めたのは、野党が要求する予算委員会の開催を拒否し、総裁選で回復した自民党支持率を背景に選挙に勝つ戦略である。

 小池都知事子飼い政党「都民ファーストの会」が、国政新党を設立した。この動きが本格化し、候補者の擁立が進む前に、解散総選挙に打って出るほうがよいという判断もあったのだろう。

 岸田首相の思惑通りになるのか、これから閣僚の不祥事や失言などの問題が出ないとはかぎらない。多難な新政権の門出であることは間違いない。

舛添 要一 (国際政治学者)

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