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その場しのぎのコロナ対策 でも運よく支持率高い岸田政権

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【舛添要一が語る世界と日本(125)】追加接種への対応誤れば支持失う恐れも

公開日: 2022/01/18 (政治, コロナ(国内))

CC BY 東京(2021年10月)=CC BY /Dick Thomas Johnson

 1月17日、第208通常国会が召集され、岸田首相の施政方針演説など政府4演説が行われた。

 オミクロン株の流行で、コロナ感染者がこのところ激増しており、それへの対応が当面の国会論戦の焦点となるであろう。

 感染拡大は年明けとともに始まったが、今年に入ってからのメディアの世論調査を見ると、岸田内閣は高支持率を獲得している。今のところ、感染拡大が支持率を引き下げるというような影響は出ていない。

 1月7~10日に行われた時事通信の調査では、内閣支持率は51.7(+6.8)%、不支持率は18.7(-5.3)%である。また、政府のコロナ対応については、「評価する」が45.2%、「評価しない」が31.4%である。

 8~10日実施されたNHKの調査では、内閣支持率は、57(+7)%、不支持率は20(-6)%、政府のコロナ対応に関しては、「評価する」が65%、「評価しない」が31%である。

 これらの世論調査から1週間後、さらにコロナ感染が拡大し、全国で2万5千人超という感染者数が記録されるようになった14~16日に行われた読売新聞の調査でも、高支持率は変わっていない。内閣支持率は66(+4)%、不支持率は22(±0)%であり、政府のコロナ対策についても評価が52%、不評価が41%である。

 菅内閣のときは、感染者が増えると支持率が下がり、政府のコロナ対策も厳しく批判されたが、同様な批判は起こらず、支持率が上昇するという現象が起こっている。

 その最大の理由は、オミクロン株が弱毒性で感染しても軽症で済む、また、南アフリカなど海外の先行例を見ても、1ヶ月で収束に向かうというウイルス特性によるところが大きい。

 また、メルク社の経口治療薬モルヌピラビルが既に使用可能であり、またファイザー社のパクスロビドも2月初めには承認されるという。この飲み薬の開発も大きな安心材料となっている。

 重症化し、多くの死者を出したデルタ株と大きな違いであり、当時は経口治療薬も開発されていなかった。コロナ対策の失敗の責任を追及されて退陣した菅首相と比べると、岸田首相は運に恵まれていると言ってもよい。

 さらに言えば、18歳以下への10万円相当の給付、オミクロン株感染者の自宅療養容認、3回目のワクチン接種の前倒し、濃厚接触などの受験生への柔軟対応など、世論の動向に合わせた迅速な対応を行っており、それが世論受けしたとも言えよう。

 しかし、別の表現をすれば、前政権との違いを際立たせるために、先手先手で打ち出した政策が、拙速主義で批判され、慌てて変更したということである。一貫した哲学に基づく政策ではなく、その場しのぎの大衆迎合主義と批判されても仕方がない。

 南アフリカ、イギリス、フランス、アメリカなどは、オミクロン株がピークアウトしているが、2月初旬に日本もそうなれば、岸田内閣は高支持率を維持できよう。

 しかし、感染が長引き、まん延防止等重点措置、さらには緊急事態宣言の適用を受ける地域が拡大すれば、経済への影響は大きなものとなる。

 そのときの対応を誤れば、支持率が低下する事態も生まれよう。

 夏には参議院選挙が控えている。

 私は、オミクロン株を最後にして新型コロナウイルスのパンデミックは収束に向かうという希望的観測をしているが、今後どうなるかは誰にも分からない。

 インフルエンザはタミフルやリレンザを服用して自宅で静養することで治る病気となっているが、コロナもそれに近づいているのではないか。

 今必要なのはワクチンの追加接種を急ぐことであり、この点では自治体によって大きな差があり、国民の不満も高まっている。その不満がさらに嵩じれば、支持率低下も現実のものとなろう。

 しかも、国会が始まれば、連日野党からの追及の矢が飛んでくる。本格的な論戦にきちんと対応できるかどうかも、岸田内閣にとっては大きな課題である。

舛添 要一 (国際政治学者)

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