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国葬が終わっても「喪が明けない」岸田政権

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【舛添要一が語る世界と日本(162)】内閣不支持率が支持率を上回る

公開日: 2022/10/04 (政治, 統一教会)

CC BY 故安倍晋三国葬儀で追悼の辞を述べる岸田首相=CC BY /首相官邸

 安倍元首相の国葬は、9月27日、内外から約4300人が参加して無事に終了した。

 しかし、岸田内閣の支持率の低下は止まらず、また国葬を実施したことに対する評価も低迷したままである。

 10月1、2日に行われた読売新聞の世論調査では、内閣支持率は45(-5)%、不支持率は46(+5)%であった。読売新聞の調査では、政権発足後初めて不支持が支持より多くなったのである。

 安倍元首相の国葬実施については、「良かったと思う」が41%、「思わない」が54%で、国葬終了後も評価が好転することはなかった。

 統一教会問題については、岸田首相が指導力を発揮していると「思う」が13%で、「思わない」が80%である。また、統一教会と安倍元首相の関係について調査を行うべきだと「思う」が59%、「思わない」が37%であるが、実は、この問題が国葬への反対論の背景にあることを忘れてはならない。

 防衛力強化には、賛成が71%、反対が21%である。

 岸田首相にどれくらい首相を続けてほしいかについては、「できるだけ長く」が15%、「自民党総裁任期切れの2024年9月まで」が39%、「1年ぐらい」が23%、「直ぐに交代してほしい」が20%であり、長期政権への期待はない。

 同じ日に行われた朝日新聞の世論調査でも、結果は同様である。内閣支持率は40(-1)%、不支持率は50(+3)%で、不支持のほうが多い。

 国葬については、評価は35%で、不評価が59%に上っている。

 統一教会問題への岸田首相の対応については、評価が22%で、不評価が67%である。また、細田議長の説明には、十分が12%、不十分が74%である。

 岸田政権1年の仕事ぶりについては、評価42%、不評価が56%である。

 また、岸田首相の掲げる「新しい資本主義」という経済政策に、「期待できる」は25%、「期待できない」は69%であった。物価高に対しては、「負担を感じる」が70%、「それほどでもない」が29%である。この問題への岸田首相の対応については、評価が19%、不評価が71%である。

 コロナ対策に関しては、評価が59(+7)%、不評価が34(-9)%である。この好転は、感染が収束しつつあるためである。

 一方、野党には、「期待できる」は15%で、「期待できない」は81%である。野党の非力さのおかげで、何とか政権がもっているという感じである。

 同じ日程で実施されたJNNの世論調査も、結果はほぼ同じである。内閣支持率は42.7(-5.4)%、不支持率は53.9(+5.6)%である。国葬については、「良かった」が42%、「良くなかった」が54%である。

 また、政府の物価高対策については、評価が18%なのに対して、不評価が72%と高い。臨時国会で議論すべきテーマは、経済政策が42%、社会保障が13%、統一教会問題は8%である。

 3日には臨時国会が開幕したが、岸田内閣は防戦一方ということになりそうである。支持率低下の原因は、統一教会問題、国葬、物価高など多々ある。

 国民の最大の関心事は物価高を中心とする経済問題である。物価高の主な要因であるウクライナ戦争については、停戦に向けた日本の貢献には限界がある。

 さらに、円安については、日銀が景気対策として金融緩和策の継続を決めたのは合理的である。しかしながら、金融緩和を主軸とするアベノミクスの功罪についてはきちんと検証すべきである。それなくして、「新しい資本主義」も何もあったものではなかろう。

 安倍元首相の国葬については、国葬が終わった後にも、低評価が続いているのは、岸田首相が拙速に決定したことによるところが大きい。せめて国会での審議を行った上で決めていれば、このような事態には立ち至らなかったのではあるまいか。

 統一教会問題は、自民党議員へのアンケート調査が公表された後も、次々と追加公表が続いている。統一教会関連組織の集会に出席したときの動画や写真が証拠として残っている以上、今後とも尾を引いていくだろう。

 経済問題など難問が山積しているときに、統一教会問題など議論している余裕はないのであるが、安倍元首相殺害事件によって明るみに出た闇が余りにも大きいために、鎮静化は容易ではないのである。

 さらには、東京地検特捜部が進めている東京五輪汚職の捜査も気に掛かる。政治家への波及がないかどうか、安倍元首相、森喜朗元首相という安倍派の重鎮が深く関わってきた五輪であるだけに、今後の展開次第では大きな政治的影響を及ぼすことになりかねない。

 安倍元首相の国葬が終了しても、岸田政権にとっては、喪が明けたという雰囲気にはほど遠いようである。

舛添 要一 (国際政治学者)

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