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補選で自民が4勝 敵失でやっと勝ったのが実情

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【舛添要一が語る世界と日本(191)】野党分断が奏功 ゆ党の維新が「反自民・反野党」で躍進

公開日: 2023/04/25 (政治)

CC BY 選挙演説中の襲撃事件翌日の岸田首相記者会見(2023年4月15日)=CC BY /首相官邸ホームページ

 4月23日、統一地方選の後半と衆参補選が行われた。

 補選のほうは、自民党が4勝1敗で、立憲民主党は全敗であった。また、日本維新の会は、衆院和歌山1区で勝っている。

 衆参の補選の結果をみると、衆議院山口4区は、安倍元首相の後継の吉田真次候補が、立憲民主党の有田芳生候補に、51,961票対25,595票とダブルスコアで圧勝した。この選挙区は保守の強い所であり、弔い合戦でもあり、吉田の勝利は当然である。

 衆院山口2区は、体調不良で辞任した岸信夫前防衛相の長男である岸信千世が出馬し、元法相の平岡秀夫と戦い、自民党の議席を維持した。厳しい世襲批判を受けたが、61,369票対55,601票で勝っている。

 衆院和歌山1区は、維新の林佑美が、自民党の門博文に、61,720票対55,657票で勝ち、議席を獲得した。地方選前半の奈良県知事選挙での勝利の勢いを維持したと言えよう。

 衆院千葉5区は、自民の英利アルフィヤが50,578票、立民の矢崎堅太郎が45,635票、国民民主党の岡崎純子が24,842票、維新の岸野智康が22,952票、共産党の斎藤和子が12,360票という結果であった。

 この選挙区では、政治資金規正法違反で自民党の薗浦健太郎議員が辞職した後であり、野党が一本化していれば圧勝していたはずである。立民と国民の票を合計しただけで、楽に勝つ。それだけに、野党の選挙協力のあり方に大きな疑問符を投げかけることになった。

 これに対して、野党が一本化しても勝てなかったのが、参院大分選挙区である。自民の白坂亜紀が196,122票で、195,781票の立民の吉田忠智に辛勝している。僅か341票の差である。しかし、負けは負けで、野党はこれまで維持してきた議席を失った。

 以上の結果、自民党は4勝1敗という結果で勝ったとはいえ、苦戦を強いられたことは確かである。いつまでも政権の座を維持できるという甘い考えは捨てたほうがよい。

 今は、野党が小党分立していることに助けられているのであり、それは千葉5区を見れば明らかである。2009年夏の総選挙では、民主党は、「非自民、非共産」の旗印を掲げ、「政権交代」の4文字を連呼することによって圧勝し、政権の座についた。

 当時、私は麻生内閣の厚労大臣であり、各地に仲間の応援に行ったが、民主党の勢いの凄まじさに敗色濃厚の雰囲気であった。

 2009年の政権交代の教訓は、「非自民」のみならず、「非共産」が大きな効果を持ったことである。共産党に対する有権者のアレルギーは強く、政策的にも自民党や民主党とかけ離れていた。その共産党を排除したことが有権者に安心感を持たせたのである。

 今は、ウクライナ戦争や台湾など、安全保障関係はさらに厳しくなっている。日米安保条約破棄をうたう共産党に国民は不信感を抱く。野党協力を考えるときに検討すべき課題である。

 今は自民党政権に様々な問題が起こっても、野党が分立しているために安泰である。自民党は、まさに「分割して統治せよ」を実行している。

 立民、国民、共産などの既成野党に対して、与党か野党かよく分からない「ゆ党」とも揶揄される維新が躍進している。それは、与党の自民党や公明党、既成の野党の双方に対して不満な有権者が、受け皿として維新に投票したのである。

 特に無党派層を惹きつけたことが勝因になっている。特定の政党を支持しない無党派層が増えており、自民党支持層の数を超えている。無党派層を取り込んだ候補が選挙に勝つ。

 維新は、地方議員600人という目標も突破した。しかし、まだ関西圏での人気が全国に広まったわけではない。

 統一地方選挙については、とくに後半戦は、首長の無投票当選も多く、投票率も低調であった。「民主主義の学校」と言われる地方自治がこれでは話にならないが、政治家という職業が魅力の無いものになってしまっている。サラリーマンが兼職できるように、夜に議会を開くことなど、大きな発想の転換が必要である。

 今回の選挙結果をよく検討した上で、岸田首相は解散総選挙のスケジュールを決めることになるであろう。岸田政権は、課題が山積する中で、敵失でしか得点を稼げないようでは将来が心配である。

舛添 要一 (国際政治学者)

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