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コロナ対策 いまさら風営法、食品衛生法ですか

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【舛添要一が語る世界と日本(48)】第二波拡大は「付け焼刃」による人災だ

公開日: 2020/07/28 (政治, コロナ(国内))

CC BY-ND CC BY-ND /michael_swan

 新型コロナウイルス感染の再拡大が止まらない。

 全国的に拡大し、首都圏のみならず、大都市を抱える大阪府、兵庫県、愛知県、福岡県などでも、過去最多を記録するような増加となっている。連日、全国で800人を超えるような感染状態は、第二波と称したほうがよいであろう。

 欧米でも経済活動を再開した都市では感染が再拡大しており、再度規制を強化する動きもあるが、誰も都市封鎖の再現は望まない。たとえば、イギリスやフランスでは、公共の場や屋内でのマスク装着の義務化(違反すると罰金)に踏み切っているが、EUの域内での移動は自由になっている。

 スウェーデンやブラジルは、経済社会活動優先で、感染拡大防止対策は二の次である。日本でも、タイミング悪くGo To Travelキャンペーンが始まり、人の移動も増えている。欧米に比べて日本では、人々のマスク使用度は高いが、それでも外での飲食などで感染者が増えている。

 感染再拡大の初期は、若い世代が7〜8割であり、無症状者が多いのが特色であったが、今や、40代、50代の中高年にも感染が広まっている。そうなると、重症化する患者の比率が高まり、医療資源が逼迫する恐れが出てくる。

 小池都知事は感染が集中している場所として「夜の街」を名指しで取り上げ、「今日も『夜の街』関連です」と連日のように繰り返し大書特筆したのである。新宿や池袋の繁華街が槍玉に上がったが、今や、市中感染が半分以上に増えており、その傾向は全国で広がっている。「夜の街」関連は1割未満にまで減っているのである。

 もはや「東京問題」でも「夜の街」関連問題でもなくなっている。ホストクラブやキャバクラのような「接待を伴う飲食業」が批判されたが、接待を伴わない飲食業でも、客同士の感染はありうる。とくに、新型コロナウイルスは、とくに若い世代に無症状の者が多く、店の入り口で検温などの措置をとっても、陽性か否かを識別することは不可能である。

 したがって、PCR検査を徹底するしかないのであるが、厚労省の様々な規制や感染研の情報独占体質がそれを妨げている。「夜の街」を批判するのなら、小池都知事が行うべきだったのは、歌舞伎町などで働く人々に対して徹底したPCR検査を実施することであった。都や新宿の呼びかけに対応し、きちんと感染症対策をとり、従業員全員に検査を実施した店もある。「夜の街」関連で感染者が拡大したのは、そのためであった。

 一方で、自粛を要請されても、秘かに営業を続けているナイトクラブなどもあり、PCR検査要請にも応じようとしないという。そのためか、感染防止対策を講じているかどうかをチェックするために、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律)を適用して、歌舞伎町の店に警察官が都の職員に同行して調査を行った。しかし、これは法律の本来の目的とは異なる使い方である。

 本来は、感染症法なり新型インフルエンザ特措法なりに罰則規定を設け、強制力で以て規制を課すべきである。あくまでも、感染防止対策の徹底が目的ならば、風営法を安易に援用するのは問題である。

 政府は、使える法律は何でも使って、感染防止対策の充実を図りたいという。そのために、風営法のみならず、食品衛生法や建築物衛生法も援用するという。

 食品衛生法に関連しては、「夜の街」関連の飲食店の調査に保健所職員を同行させるという。また建築物衛生法を使って、換気の徹底を指導するという。

 第一に、今更、そのような別件逮捕的な対策をとるのなら、今まで何をしてきたのかということである。第二波が始まったときにすぐ、PCR検査や立ち入り調査などを実行していれば、「東京問題」も起こらなかったであろうし、日本列島各地に感染が拡大することもなかったであろう。

 第二に、感染症関連の法律の不備があれば、国会を開いて迅速に改正すべきである。とりわけ、潜伏期間が長く、しかも無症状者からも感染するという今回のウイルスは、既存の法律の想定を超えている。政権批判を避けるために、国会を開かないというのなら、国権の最高機関である国会は何のためにあるのであろうか。

 第三に、今回の感染再拡大の震源地は東京である。しかし、小池都知事は危機感を煽り、都民に自粛を要求し、国と対決するというパフォーマンスを繰り返すのみで、必要な措置を講じていない。

 国と東京都の付け焼き刃的な政策が、第二波の拡大を許していると言っても過言ではない。

舛添 要一 (国際政治学者)

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