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厚労大臣時代の、安倍首相電撃辞任を彷彿

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【舛添要一が語る世界と日本(52)】新型コロナウイルスとの「戦争中」、安倍首相に健康不安

公開日: 2020/08/25 (政治)

安倍首相とブッシュ米大統領(2007年4月)=cc0 安倍首相とブッシュ米大統領(2007年4月)=cc0

舛添 要一 (国際政治学者)

 8月24日、安倍首相の連続在職日数が2799日となり、佐藤栄作元首相を抜いて1位となった。

 本来は祝賀すべき慶事であるが、本人の健康不安説が流れている。また、新型コロナウイルスの第二波に直撃されて、政府の対応が批判され、内閣支持率も下がっている。

 共同通信世論調査(22、23日)によると、内閣支持率は36.0(−2.8)%で、第二次安倍内閣発足後2番目の低さである。不支持率は49.1(+0.6)%で、政府のコロナ対策については、「評価する」が34.0%、「評価しない」が58.4%である。

 臨時国会の召集については、「速やかに開くべきだ」が70.8%、「速やかに開く必要はない」が22.6%となっている。世論調査で見るかぎり、健康不安説も重なり、政権末期の様相を呈してきたと言ってもよい。

 第一次安倍改造内閣のとき、2007年9月12日、厚労大臣の私は与謝野馨官房長官と二人で、官邸で昼食をとりながら政策の打ち合わせをしていた。その後衆院本会議へ行き、閣僚待機室で1時から始まる本会議の準備をしていた。年金記録問題で厚労相が野党の集中砲火を浴びることになっていたからである。

 ところが、10分前になっても予鈴が鳴らない。そこに突然安倍首相辞任の報が入ってきた。与謝野さんも私も青天の霹靂であった。安倍首相の病状については、麻生幹事長のみが知っていた。お腹の病気ということであった。

 最近の安倍首相の立ち振る舞いや顔つきを見ていると、13年前の悪夢が甦ってくる。24日も、17日に引き続き、検査のために慶応病院に入っている。麻生首相は、「147日間、休まず働いてみたことがありますか」と記者団に皮肉を言ったが、今はコロナとの戦争である。戦時中は何年でも首相は休まずに働くものである。

 もし、本当に病気で、首相の激務に耐えられないのなら、一日も早く辞任し、誰かにバトンタッチしたほうがよい。今日本を襲っているコロナ第二波にしても、一部の専門家が言うようにピークアウトしたと言い切ることができるかどうかは分からない。今後、第三波、第四波が到来したときに、対応できるだけの体力と知力が必要である。

 安倍首相が指示した1日に2万件というPCR検査の数字も、まだ達成できていない。PCR検査の拡充も、厚労省の「通知」で細々と行っているようでは、埒が明かない。医療従事者への検査も、やっと行えるように通知が出たばかりである。官僚機構はそんなもので、強力な政治的リーダーシップがなければ、感染症対策にも支障を来す。

 早く国会を開いて、感染症法や新型インフルエンザ特措法の改正を行って、今回のウイルス特性に合った法律にしなければならない。もし、健康状態が問題で、安倍首相が予算委員会などの集中審議に耐えられないのならば、それも問題である。

 それに、収束が長引けば長引くほど、経済は悪化する。もはやアベノミックスでは対応できず、強力な財政出動が不可欠である。感染防止対策同様か、それ以上に、こちらの対応も重要である。

 野党は非力、自民党内にも有力なライバルがおらず、しかも安倍首相自ら後継者も育てず、盤石の長期政権体制を築いたつもりであった。しかし、新型コロナウイルスという思わぬ伏兵に政権を脅かされることになってしまった。その点では、安倍首相の盟友、アメリカのトランプ大統領も同じである。

 逆に、台湾の蔡英文総統は、ウイルス感染を見事に抑えて国際的評価も上がり、中国とも対峙できるほどの名声を勝ち得ている。ドイツのメルケル首相、フランスのマクロン大統領、イタリアのコンテ首相、そして自らもコロナに感染したイギリスのジョンソン首相、いずれもコロナ対策で批判を浴びているが、批判の度合いは安倍首相ほど酷くはない。

 それは、自らの言葉で喋り、自らの責任で対策を実行したからである。その点では、専門家会議に丸投げしてきた安倍首相の無責任体質が厳しく問われるのは当然である。

 流れは、確実に安倍退陣に向かっている。
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