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菅政権、リリーフに終わるか? 今国会が試金石

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【舛添要一が語る世界と日本(61)】菅首相が施政方針演説、いまほど公助が重要な時ないが

公開日: 2020/10/27 (政治)

Reuters Reuters

舛添 要一 (国際政治学者)

 10月26日、臨時国会が始まった。菅首相は、施政方針演説を行ったが、コロナ対策、規制改革、デジタル庁の設置、2050年までに温室ガスゼロ、地方の活性化、保育所待機児童の解消、不妊治療の保険適用、東北など被災地の復興、拉致問題の解決、携帯電話料金の引き下げなど、これまで提案してきた内容を盛り込んだものであった。また、東京五輪開催への決意も述べている。

 28日から、代表質問が始まるが、焦点の一つは日本学術会議の任命拒否問題である。各種の世論調査で、支持率が当初のご祝儀相場から大幅に低下しているのは、この問題の影響が大きい。

 たとえば、23~25日に実施された日経新聞世論調査によると、内閣支持率は63%で、11%も低下している。不支持率は28%で、9%増えている。特に、女性と若者にこの傾向が強く、支持率は、前者が17%減、18~39歳はの若年層は15%減である。

 この問題についての政府の説明に関しては、「不十分だ」が70%にのぼり、「十分だ」は17%しかない。政府の人事については説明しないことが普通だが、今回は、それへの不満が強い。

 一方、学術会議を行政改革の対象とすることについては、賛成が62%、反対が22%である。また、就任後1ヶ月の菅政権の仕事ぶりについては、「評価する」が52%で、「評価しない」の30%を上回っている。

 日本学術会議については、特に社会科学系の学者が政治的発言を行うことは、私は妥当とは思わない。それは、特別国家公務員の地位にあることもあるが、組織として一本化した意見を述べることこそ、学者の多様性を否定することになると危惧するからである。

 実は理科系であっても、事情はそう変わらず、学術会議が政府に諮問したり、学術会議が政府に提案することは相応しくないと思う。そこで、私の結論は、この組織を廃止することであるが、この機会に憲法論も含めて、日本学術会議について徹底的に議論してもらいたい。

 新型コロナウイルス対策については、これから冬に向かうときに、インフルエンザと新型コロナウイルスのツインデミック(二重流行)となることが心配の種である。

 ヨーロッパでは、コロナ感染が再拡大している。たとえば、フランスでは、1日の患者が5万2千人を超える惨状である。フランス、スペインとも累計100万人を超える患者数となっている。そのため、欧州各国は、夜間外出禁止令などの厳しい規制措置を採っている。それに伴って経済活動が縮小することはに対して、不満を持つ人が増え、街頭に出て抗議する姿もよく見られる。

 各種のGoToキャンペーンが展開され、それが経済の刺激となっていることは否めない。しかし、それが同時にコロナ感染の機会を増やすことにもまた注意せねばならない。感染防止と経済という二つの課題に対して、どのようにバランスをとっていくのか、これが最大の課題である。菅政権は、経済優先の色彩が濃いが、ヨーロッパの轍を踏むことがあってはならない。

 外交については、拉致問題に取り組むことを明言し、金正恩とテーブルに着く可能性を示唆した。また、北方領土についても、精力的に取り組むことを約束した。2025年の大阪万博についても言及した。

 11月3日の米大統領選の行方が気にかかるが、今のところトランプよりもバイデンが優位に立っている。まだ1週間あるので、結果がどうなるかは分からないが、どちらが勝つにしろ、日米関係については基本的大きな変化はないと考えてよい。

 菅首相が1年間のリリーフで終わるか、それとも長期政権への展望が開けるか、まずはこの国会での野党との議論が一つの判断基準になる。

 菅首相は、「目指す社会像は『自助・共助・公助』そして『絆』です」と述べているが、コロナ禍では、自助が無理な場合の方が多い。理想は良いとしても、今の時期には相応しい言葉ではないような気がする。今ほど政府の役割(公助)が重要なときはないからである。
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