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東アジアで劣等生の日本 PCR検査、徹底しなかったツケ

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【舛添要一が語る世界と日本(64)】日本でも新型コロナ感染再拡大 欧米の状況に何を学ぶべきか

公開日: 2020/11/17 (政治)

CC BY-SA CC BY-SA /BAMCorp

 日本全国で、新型コロナウイルスの感染がまた酷くなってきた。

 11月11日が1546人、12日が1660人、13日が1706人、14日が1738人、15日が1441人という状態である。東京都・神奈川県・千葉県・埼玉県の首都圏、北海道、大阪府、兵庫県、愛知県、沖縄県など大都市を中心に感染が拡大している。

 北海道は、札幌市を警戒レベルをステージ4に引き上げ、道民に札幌との往来の自粛を求めている。

 春の緊急事態宣言発令中の頃を思い出してほしい。

 感染症対策の原則は、ペストの昔から「検査と隔離」である。東アジアの中で、中国、韓国、台湾に比べて日本は劣等生である。それは、PCR検査を徹底して行っていないことのツケである。

 世界を見ても、感染者が約5400万人、死者は130万人を超えている。

 感染者の多い順に上げれば、①アメリカ、②インド、③ブラジル、④フランス、⑤ロシア、⑥スペイン、⑦イギリス、⑧アルゼンチン、⑨コロンビア、⑩イタリアとなっている。

 アメリカは、感染者が約1100万人、死者も24万人を超え、1日の感染者が、12日には16万人、13日には17万人、14日には18万人を突破した。これは、トランプ政権のコロナ対策の失敗であり、それが大統領選での「敗北」(本人や支持者は認めていないが)に繋がったのである。

 ヨーロッパの状況も厳しい。

 感染者・死者の概数を国毎に見ると、フランスが186万人・4.2万人、スペインが145万人・4万人、イギリスが134万人・5.1万人、イタリアが114万人・4.4万人、ドイツが79万人・1.2万人などとなっている。

 一日の感染者数も、フランスが11月7日には8.6万人、スペインが4日に2.5万人、イギリスが12日に3.3万人、イタリアが13日に4万人、ドイツが13日に2.3万人といった状況である。

 その他にも、東欧のチェコやポーランドの感染拡大が爆発的で、隣国のドイツは警戒を強めている。

 このような状況に鑑み、欧州各国は、春頃の都市封鎖、夜間外出禁止令、飲食店の営業時間短縮などの厳しい規制措置を再び採る羽目になっている。

 日本がその轍を踏まないためには、なぜヨーロッパで感染が再拡大したかを検討する必要がある。

 第一に、経済社会活動の再開である。

 夏のバカンス以来、それは拡充され、日常が回復されるようになった。それに応じて、人々は気の緩みからか、マスクをする、手洗いを励行する、人と人の間隔を開けるなどの感染防止対策を等閑にしていったのである。

 とくに、レストランやパブや喫茶店などでの飲食は、長時間に及び、会話を楽しむことに眼目がある。これが感染を拡大させたことは疑いえない。当然マスクはしない。

 新型コロナウイルスは、無症状のケースが多く、しかも、それでも他人に感染させるという厄介な特質を持つ。経済活動の重要性は十分に認識しながら、ヨーロッパ諸国があえて都市封鎖などの厳しい規制を行う方針をとったのは、何とかしてクリスマスまでに収束させたいからである。

 第二は、水際対策の重要性である。

 陸続きで移動が簡単なヨーロッパ大陸では水際作戦が思うようにできない。とくに無症状の感染者にはお手上げである。チェコからドイツにウイルスは侵入する。アメリカも、州の間でウイルスが伝播している。

 以上のことから日本にとっての教訓は、第一に経済と感染防止のバランスを上手くとることが重要であり、今は後者に重きを置くべきだということである。

 各種のGoToキャンペーンは経済再活性化に大きく貢献しているが、感染再拡大を招いてしまったことは否めない。飲食店の営業時間短縮、会食人数の制限などが必要であろう。

 第二に水際対策をしっかりと行うことである。

 11月から、韓国、台湾、ベトナムなど一部の国や地域に対して入国制限を緩和したが、それが海外からのウイルスの持ち込みに繋がる危険性もまた認識しておく必要がある。拙速主義はかえって感染の終息を遅らせる。

 そのような中で、15日にIOCのバッハ会長が来日し、16日には、菅首相や小池都知事と会談した。予定通り、来年の夏に東京五輪を開催するように努力することで合意した。観客を入れて、できるだけ完全な形で開催するという。

 しかし、今の世界や日本の状況を見ると、過剰に楽観的になるのは問題である。今後の感染状況の推移とコロナワクチンの開発が全ての鍵を握っていると言ってよい。経済至上主義で無理に開催して、大会中に感染が拡大するようなことになれば、それは、オリンピックの精神にも背反するであろう。

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舛添 要一 (国際政治学者)

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