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「五輪の成功をバネに」という目論見崩壊

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【舛添要一が語る世界と日本(75)】地方選で敗退続く自民党 都議選、衆院選は大丈夫か?

公開日: 2021/02/02 (政治)

Reuters Reuters

 新型コロナウイルス対策の失敗、そして与党幹部の深夜の銀座クラブ通いが影響して、菅政権への国民の批判が高まっている。

 1月29~31日に行われた日経新聞世論調査では、内閣支持率は43(+1)%とほぼ横ばいだが、「支持しない」が50(+2)%と、この新聞社の調査では、内閣発足以来、初めて50%台に乗った。つまり、国民の半分が支持しないということであり、これは深刻である。

 その原因は、第三波のコロナ感染拡大をもたらした政府の無策に対する怒りがある。

 コロナ対策については、「評価する」は33%で、「評価しない」が61%である。政党支持率は自民党が44(+2)%、立憲民主党は9(±0)%とあまり変化はない。このような調査結果を見ると、菅首相では選挙は戦えないという声が高まりそうだ。

 そのような中で、1月31日、今後の政局を占う重要な地方選挙が行われた。

 一つは東京都の千代田区長選挙である。

 都民ファーストの会所属の都会議員だった樋口高顕候補が9,534票を獲得し、自民党と公明党が推薦する早尾恭一候補(7,668票)に勝利した。樋口氏は小池都知事側近であり、小池都知事も選挙応援に出かけている。

 この結果については、都議会自民のドンと都知事との間の密約説も流れているが、真相は分からない。いすれにしても、これは7月4日の都議会選の前哨戦であり、自民党にとっては手痛い敗北である。コロナ対策の失敗とともに、与党議員の銀座クラブ通いも影響していると思われる。

 同じ日に、政令指定都市である北九州市で、81人が立候補して市議選(定数57)が行われた。

 自民党は、公認候補22人中6人が落選という大惨敗を喫した。公明党は13人の候補者が全員当選して、現有議席を維持した。現有議席が8の共産党も同じく8人の候補者全員が当選した。立憲民主党も7人の候補者全員が当選し、2議席を増やした。日本維新の会は3人が当選し、前回失った議席を奪還した。

 北九州市は私の生まれ故郷であり、土地勘のある場所であるが、落選した自民党議員には海外視察時の不祥事などの問題もあり、与党国会議員の銀座のクラブ通いへの批判と重なったようである。さらには、菅政権のコロナ対策への不満が大きくなっていることも確かである。

 1週間前の1月24日に行われた山形県知事選挙でも、自公が推薦する大内理加候補が現職の吉村美栄子候補に大敗している。

 以上のような地方選挙の結果を見ると、7月4日の都議会選挙、そして秋までには必ず行われる衆議院選挙では自民党の苦戦が予想される。その危機を克服するには、ワクチン接種を迅速に、そして確実に行うしかない状況である。

 ところが、世界ではワクチンの争奪戦が繰り広げられており、そもそも予定通りに海外から供給されるかどうかも定かではない。接種には多くの医療関係者を動員せねばならず、診療などの通常の業務と両立させるのは困難であるし、その他にも課題は山積しており、各自治体は悲鳴を上げてる。

 先の日経新聞の世論調査によれば、東京五輪については、「中止やむなし」が46%、「再延期やむなし」が36%で、「予定通り」は15%にすぎない。IOC の方針でそもそも再延期はないが、開催論が15%というのは厳しい。ワクチン接種が順調に進むことにしか活路は見いだせない感じである。

 五輪の成功をバネにして解散総選挙を行い、政権与党が勝利するというのが菅政権が描く青写真である。しかし、その思惑通りにことが進むかどうかは分からない。

舛添 要一 (国際政治学者)

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