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緊急事態宣言は解除か、政治劇ばかりが続く

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【舛添要一が語る世界と日本(81)】科学に基づかない安倍・菅政権

公開日: 2021/03/16 (政治, コロナ(国内))

Reuters Reuters

 首都圏の緊急事態宣言をどうするのか。

 感染者数は下がるどころか、東京都などはむしろ増えている。病床数は少しは改善したが、医療資源の最適配分ができているわけではない。

 緊急事態宣言とは、短期間のものであるはずで、延長を繰り返し2ヶ月半にも及ぶのでは、緊急事態ではなく「常態」である。国民は飽き飽きしており、人出は次第に増えてきている。

 東京の繁華街の人出を見たら、海外の人びとは、これで緊急事態宣言を実施中とは誰も思わないだろう。

 緊急事態宣言が効き目がなく、延長することになったら、何か新しい対策を講じるべきだが、それもない。

 25日には聖火リレーが始まる。それを念頭に置いてか、一部の報道では、政府は21日に宣言を解除するという。

 意味のない宣言なら続ける必要はないが、変異株の市中感染も拡大しており、検査の拡充などの措置を採らないと感染再拡大もありうる。

 諸外国に比べて3ヶ月近くも遅れたが、ワクチン接種もやっと始まった。しかし、供給量の確保、接種の実施などの予定は順調に進んでいるとは思えない。

 昨年初めからの政府のコロナ対策を振り返ってみると、科学に基づくものではなく、政治的思惑で左右されることが多かった。また、専門家集団も、政治指導者の誤りを正すどころか、それにお墨付きを与える「曲学阿世の徒」の役割を演じてきた。

 その最たるものが、緊急事態宣言である。私は、「このような宣言などどうでもよく、どのような対策を講じるかが問題だ」と当時から主張したきた。

 全国に先駆けてコロナ感染が拡大した北海道では、鈴木知事が2月25日に一斉休校措置、28日には独自の緊急事態宣言を発したが、そのリーダーシップが評価され、海外でも評判になった。それに反して、安倍首相の対応のまずさが厳しく批判されたのである。

 そこで、人気挽回とばかりに、安倍首相は、2月27日に、「3月2日から全国の小中高校を一斉休校にする」という措置を決めたのである。

 また3月5日には、中国と韓国からの入国制限を強化したが、すでに水際対策は手遅れの状況での対策であった。そもそも感染経路が不明な患者が出た段階で、水際作戦は無意味になっており、PCR検査を十分に実施すれば、感染者をもっと早く見つけ出すことができたであろう。

 そして、4月7日には、政府は緊急事態宣言を発令したが、その日の東京の新規感染者は87人であった。

 今の緊急事態宣言を解除するかどうかを議論しているときの感染者数が300人前後であることを考えると、何か隔世の感がする。

 安倍政権は、また、2012年に制定され、2013年4月に施行された新型インフルエンザ等特別措置法の第32条にある「新型インフルエンザ等緊急事態宣言」をコロナにも適用できるように法改正をした。

 しかし、コロナも含むと解釈すれば済むことであり、さらに言えば、既存の感染症法を活用すれば、十分に対応できるのである。

 全ては、人気取りのためのスタンドプレーであり、しかも、専門家会議のトップである尾身会長は、一斉休校について、若い世代が中高年に感染させる危機を強調したのである。

 しかし、日本では当時、子どもの感染者数は一桁にすぎず、しかも、その発言の基となったのは、わずか110例の分析にすぎずなかったのである。

 5万6千例を分析したWHO報告とは比較すらできない代物であり、一斉休校という安倍政権の方針を正当化するだけのものであった。

 科学に基づかない以上のような御用学者の説に従ったことが、日本のコロナ対策の失敗の原因の一つである。安倍首相の失敗を菅首相も引き継いでいる。

 そして、皮肉なことに乱用した緊急事態宣言が今や政権の足枷になっているのである。

舛添 要一 (国際政治学者)

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