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「収束、五輪、解散」の「菅」戦略は見通せず

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【舛添要一が語る世界と日本(90)】支持率低下で「黄信号」の菅政権

公開日: 2021/05/18 (政治)

CC BY CC BY /focusonmore.com

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、政府は、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置の期間延長や対象地域の範囲拡大を実行した。

 また、感染防止の切り札とも言えるワクチン接種が、医療関係者のみならず、高齢者にも始まったが、遅々として進まず、国民の不満が高まっている。

 それは、内閣支持率にも如実に反映されており、最近の全ての世論調査で、「支持しない」のほうが「支持する」を上回っている。

 読売新聞の世論調査(7~9日)では、内閣支持率が43(−4)%、不支持率が46(+6)%である。NHKの世論調査(7~9日)では、内閣支持率は35(−9)%、不支持率は43(+5)%となっており、昨年9月の内閣発足以降最低を記録した。

 時事通信社の世論調査(7~10日)では、内閣支持率は32.2(ー4.4)%で、不支持率が44.6(+6.9)%である。また、共同通信の世論調査(15,16日)では、内閣支持率は41.1(-2.9)%、不支持率は47.3(+11.2)%と「支持しない」が急増している。

 朝日新聞の世論調査(15,16日)でも、内閣支持率が33(−7)%、不支持率が47(+8)%となっている。

 NHK、時事通信社、朝日新聞の調査で支持率が40%を切り、特に後二者では、30%前半となっているのは、政権にとって深刻である。交通信号に喩えると、30%台は黄色、20%台になると赤色である。

 政府のコロナ対策については、読売新聞が評価23%、不評価68%で、過去最低の評価である。NHKでは、評価33%、不評価63%、時事通信では、評価17.6%、不評価64.6%、共同通信では、評価25.2%、不評価71.5%、朝日新聞では、信頼27%、不信頼61%となっている。

 さらには、ワクチン接種について、「遅い」とか「不満」という声が圧倒的に多い。

 国際的に見て、先進国の中で日本の遅れは際立っている。

 5月13日現在の100人当たり接種回数は、イスラエル116.2、イギリス82.1、アメリカ79.7、カナダ45.6、ドイツ44.3、スペイン43.8、イタリア42.1、フランス39.9、中国25.3、韓国8.6%、日本4.4、台湾0.5である。

 これを見ると、日本がG7の中で最も遅いことが分かる。

 因みに、これまでコロナ対策の最優等生であった台湾では、16日のコロナ感染者が207人、15日は185人と急増し、当局は危機感を募らせている。変異株が急に市中感染した結果のようである。ワクチン接種を望む市民が増えているが、予期せぬ事態に当局の対応も遅れている。

 緊急事態宣言が何度も発令されたり、延期されたりしている日本が、感染を長期間ゼロに抑え込んできた台湾と同じようなワクチン対応では話にならないのである。

 高齢者へのワクチン接種が始まったが、大都市では、予約しようにも、ネットも電話も繋がらない。過疎の町村では全住民が接種を完了しているのに、緊急事態宣言の対象となっている都市では予約すら不可能だという困った状況が続いている。

 そのような状況を打破し、ワクチン接種の遅れを挽回するため、首相の直接指示で、自衛隊によって東京と大阪に大規模接種会場が開設され、24日から接種が開始される。1日に東京1万人、大阪5千人を対象にし、モデルナ製のワクチンを使用する予定である。

 全国には3600万人の高齢者がおり、その4分の1の900万人が首都圏で生活している。3ヶ月会場を運営するので、約90万回の接種が可能であるが、2回接種する必要があるので、全体の5%をカバーするのみである。これは、あくまでも自治体での接種を補完する機能しか果たせないのである。順調に接種が進んでも、1日に全国で100万人の接種を実施するのは容易ではない。

 高齢者にとっても、徒歩で行けるような自宅近くの会場で接種するほうが遙かに楽である。基本は自治体での接種であり、国はその支援に全力をあげるべきである。

 東京五輪が開催できるか否かは、コロナ感染とワクチン接種の進行状況次第である。菅首相としては、ワクチン接種を加速化させ、感染を早期に収束に向かわせ、東京五輪を開催して支持率をあげ、解散総選挙に打って出て勝利する戦略を描いている。その戦略通りに行くかどうか、まだ何とも言えない状況である。

舛添 要一 (国際政治学者)

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