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「選挙はテレビがやってくれる」と語った小池知事

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【舛添要一の僭越ですが(14)】マスコミもポピュリズムに弱い

公開日: 2017/10/18 (政治)

Reuters Reuters

舛添 要一 (国際政治学者)

 マスコミの情勢調査が行われるたびに、自公の大勝、希望の党の失速、立憲民主党の躍進という傾向が顕著になってきている。16日の毎日新聞、17日の産経新聞の分析では、立憲民主党が希望の党を凌駕する勢いである。

 小池戦略の失敗については、前回詳しく分析したが、マスコミのご都合主義の大衆迎合も背景にある。



 今回の解散総選挙をめぐる政治ドラマは展開が早い。希望の党が結成されたのが9月25日であり、まだ3週間しか経っていない。マスコミの注目の的になり政界全体をかき混ぜたのに、もうすっかり隅に追いやられた形だ。これこそ、皮肉にもポピュリズムの特質を示している。

 私も党首として新党を立ち上げ選挙戦を戦ったので、候補者の発掘、選挙資金の調達、他党との交渉など、すべて経験済みである。新党立ち上げがいかにたいへんかよく知っている。組織もカネもない私は、これらを自前で調達したが、所詮は小政党、大政党に惨敗した。

 小池代表は、過半数を超える候補者を擁立するために、資金と人手を民進党や連合に求めたのである。そのときに愚直にお願いすればよかったのに、自らの人気に驕ったのか、排除の論理を振りかざしてしまった。それが民進党の分裂を招き、立憲民主党を誕生させた。

 カネと組織がなければ、私もそうであったが、党首の人気に頼るしかない。それにはマスコミに多頻度で露出する必要がある。小池氏はテレビに出まくり、次々とマスコミ受けする発言を繰り返した。小池ネタを扱えば、テレビは視聴率が上がり、新聞・雑誌は売り上げ部数が増える。まさに、選挙特需、小池特需である。

 攻撃すべき敵を決め、それに悪のイメージを植え付けて、有権者の歓心を買う。それが成功したのが都議選であり、悪は都議会自民党、善は都民ファーストの会という図式を作ることができた。そして、圧勝した。

 しかし、衆院選では2匹目のドジョウはいなかった。

 一方で安倍政権打倒と安倍首相を悪の権化にしながら、他方で安保政策など自民党方針を採用して連携相手たるべき民主党議員に踏み絵を踏ませる。しかし、それはあまりにも分かりにくい。

 ポピュリズムの時代には、分かりにくさは禁物である。ポピュリズムなら「全ての問題の根源はユダヤ人」、「移民が私たちの生活を破壊した」と単純に訴えるのが常道だ。15日のオーストリア総選挙は、移民排斥をうたうポピュリストたちが勝った。

 10日に選挙戦が始まると、各党、各候補は公平に取り扱うというマスメディアの自主規制によって、小池氏のみを突出させるわけにはいかなくなった。これも希望の党にとっては誤算だった。小池人気にかげりが見えると、テレビは見向きもしなくなる。数字(視聴率)がとれないからである。

 希望の党の中山成彬氏は4日、朝日新聞の取材に対し、小池代表が「選挙はテレビがやってくれるのよ」と話していたと語った。そのテレビが選挙をやってくれなくなった。視聴率至上主義のテレビに依存する空中戦で勝つのは、小池氏が高を括るほど容易ではない。今では、立憲民主党のほうがより数字をとれるようになっている。

 このマスコミの影響力、怖さを有権者や政治家のみならず、当のマスコミ人もよく認識しておくべきである。リーダーの生殺与奪の権を握っているのはマスコミである。だからこそ、稀代のポピュリスト、トランプ大統領はツイッターを使ってマスメディア攻撃を止めないのである。
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