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小池知事 矢継ぎ早の政策発表の裏に2つの焦り 

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【都政を考える】腹心・荒木氏の参院当選危うく 尋常でない入れ込み

公開日: 2022/05/27 (政治)

Reuters Reuters

澤 章 (都政ウォッチャー)

 夏の参院選の公示まで1か月を切った今、小池知事の動きが俄然、活発になっている。1泊4日の強行日程でUAE訪問から帰国した18日以降、矢継ぎ早に政策を発表しているのだ。

▽話題てんこ盛りの小池都政

 なかでも24日は大忙しの1日だった。4283億円の補正予算案を発表すると同時に、自らをトップとする「エネルギー等対策本部」を立ち上げ、夏の電力逼迫への備えを都民に訴えた。補正予算案には291億円の省エネ対策も盛り込まれている。加えて、在京イスラム諸国外交団との情報連絡会を都庁で開催し、英語のスピーチを披露するオマケまで付いた。

 翌25日には、10年振りに見直された首都直下地震の被害想定を発表、さらに、6月1日開会の第二回定例では、11月スタートの「パートナーシップ宣誓制度」に合わせて各種法令整備を行う予定というから、話題てんこ盛りである。
 
▽小池知事が抱える深刻な問題

 この2年間コロナ一色だった都政が一気に色づきはじめた感もあるが、一連の動きの裏には、小池知事が抱える深刻な2つの問題が潜んでいることを見逃してはいけない。

 ひとつは、小池知事の実績・評価に関わる問題である。この7月で2期目の折り返しを迎える小池知事だが、知事就任後の6年間、実はこれといった実績を上げていない。1期目の築地市場移転問題や2期目の東京オリンピック・パラリンピック開催など、耳目を集めるイベント系には事欠かないが、行政のトップとしての具体的な実績には目を見張るものがひとつもないのだ。

 今年2月1日に死去した石原元知事と比較すると、その差は歴然である。石原氏と言えば、ディーゼル車排気ガス規制、首都圏3環状道路の整備、羽田空港の国際化など、枚挙にいとまがない。もちろん、新銀行東京の設立など、看過できない失政も少なくなかった。

▽6年間で実績ゼロの不名誉

 では、市場移転問題で石原氏を目の敵にしていた小池知事はどうか。何も浮かんでこない。流行語大賞に選ばれた「密です」ぐらいである。このままでは都知事として後世に残すモノがない。実績のなさを一番意識しているのは、小池知事本人である。だからこそ、実績づくりに目の色を変えているのだ。

 大本命は新築住宅への太陽光パネル設置の義務化だ。年度内の関連条例の改正を目指している。義務化は国も検討したが住宅価格の高騰を危惧して断念した経緯がある政策だが、実現すれば歴史に名を刻むことも可能だろう。

 ところが、早くも各方面からケチがついている。義務化の対象となる住宅事業者からの不満はもとより、パネル重要が一気に膨らみ価格が急上昇する、中国産の劣悪なパネルが大量に出回る、十数年後にパネル廃棄物が大量発生するなどなど、アゲインストの風が強烈に吹いている。実績づくりも前途多難と言わざるを得ない。

▽参院選東京選挙区が大混戦

 さて、もうひとつの問題である。こちらのほうが深刻さの度合いは深い。

 政局を読むに敏と言われる小池知事だが、2017年の希望の党騒動、2021年のファーストの会候補者擁立断念と、2度も衆院選でミソを付けた輝かしい実績を誇る。夏の参院選では、3度目の正直とばかりに、愛弟子の都民ファーストの会代表・荒木千陽(あらきちはる)都議を国政に送り出そうとしているのだが、その入れ込みようが尋常ではない。8日の事務所開きには公務そっちのけで知事自らが駆けつけ、中野駅南口が一時騒然となった。

 春先の予想では、改選6議席の東京選挙区は、自民・立民・公明・共産の現有勢力プラス1という程度で、小池知事のバックアップがあれば荒木氏の当選は現実的とみられていた。なにしろ、1年前の都議選で都民ファーストの会は合計で100万票を集めたのである。

 ところがここに来て、雲行きが怪しくなってきた。れいわの山本太郎氏に加え、乙武洋匡氏までもが立候補を表明、大混戦の様相を呈してきたのだ。そうなると、小池知事の選挙魂に火が付くのは必定。直接的な応援は言うに及ばず、あらゆる出番を利用して自らをメディアに露出させて、荒木氏の側面支援につなげる腹づもりに違いない。

▽負ければ政治家生命にも傷が

 そんな努力の甲斐もなく仮に荒木氏が落選するようなことになれば、都議会における都ファの衰退を決定づけるだけではすまない。小池知事自身の政治的影響力に大きな傷が付く。「小池さんもこれまでか」と誰もが思うだろう。だからこそ、小池知事にとって参院選は負けられない戦いなのである。

 穿った見方をすれば、矢継ぎ早の政策発表も参院選対策と捉えることができる。今後1か月余り、小池知事は都知事の地位を利用してメディアに出まくることになるだろう。あざとい選挙運動と言わざるを得ない。
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澤 章(都政ウォッチャー)
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年3月に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。著書に『軍艦防波堤へ』(栄光出版社)、『ワン・ディケイド・ボーイ』(パレードブックス)、最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)。
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