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オミクロン株の猛威 国に責任転嫁の小池知事

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【都政を考える】迫る緊急事態宣言

公開日: 2022/01/22 (政治)

Reuters Reuters

 強力な感染力を重視するのか、重症化リスクの低さに着目するかで、対応は大きく分かれるが、今のところ国民の不満は国に向いている。

 政府分科会の尾身会長の「ステイホームなんて必要ない」発言に始まり、若者は検査不要との方針も世論の批判を受けてあっけなく削除される始末である。国は国民とのリスク・コミュニケーションに悪戦苦闘している。

▽小池知事が緊急事態宣言のトリガーを引く

 その陰で、うまく立ち回っているのが小池知事だ。小池知事は早々と国への要請基準を病床利用率の数字によって明示した。まん延防止等重点措置は20%、緊急事態宣言は50%、都民にとってたいへんわかりやすい。実際、まん延防止の国への要請は病床利用率が20%を越えるタイミングで行われた。ここまでは小池知事にとって想定通りだったであろう。

 ところが目論みに狂いが生じてきた。東京では新規感染者が連日最多を更新し続け、病床利用率は予想を遙かに超えるスピードで上昇している。早晩、50%に達するのは必至である。

 今や小池知事は、なまじ明確な数値基準を設定してしまったが故に、緊急事態宣言のトリガーを引く立場に自らを追い込んでしまったのではないか。私にはそう思えてならない。

▽感染止まらず社会が止まる

 オミクロン株に対する小池知事が考案したキャッチフレーズは「感染は止める 社会は止めない」である。知事自身、大変気に入っている様子である。

 しかし、緊急事態宣言が発出されれば、感染の拡大を止められずに宣言の発出を国に要請し、社会経済活動に急ブレーキをかけたのは小池知事だと言う皮肉な結末が待っている。「感染が止められず社会が止まってしまった」と皮肉られるのは火を見るより明らかだ。

 そうなれば、医療逼迫を始め東京都のコロナ対策の失敗があからさまになり、都民・国民の批判の矛先は小池知事にも向けられることになるのである。

▽すべては国のせい

 夏の参院選で国政関与を強めたい小池知事にとって、こうした事態は絶対に避けなければならない。そこで小池知事は責任回避に方向転換を図った。21日の定例記者会見では、随所にこの責任回避行動が見て取れた。

 冒頭、小池知事は「3回目のワクチン接種と経口薬、中和抗体は三種の神器」と発言したが、その真意は、国が武器を用意してくれないので自治体は戦えない、武器を用意できない国のせいで感染が拡大している、責任は国にあるということであろう。

 また、若者の検査に関する質問に対しては「要はワクチンが足りていれば」とグチ半分に国を批判。さらに、国の基本的対処方針に書かれたことしかできない、法律の範囲内で決めるしかないと、自らの不作為を棚に上げて国への責任転嫁に余念がなかった。

▽始まっている暗闘

 ちなみにこの日の会見では、病床利用率50%を待たずに前倒しで宣言を検討する考えはないかとの質問も飛んだ。小池知事は少し口ごもり、「国からいただきたいのは三種の神器」と前置きした上で、「基本的にはその段階で検討する」と回答したが、歯切れの悪さが目立った。

 小池知事にとって緊急事態宣言はできれば要請したくない、社会は止めないと大見得を切ったのだから。だが、せざるを得ない場合でも、責任をかぶって政治的立場を弱めるわけにはいかないのだ。

 オミクロン株による感染爆発は重点措置で対応できる領域を超えつつある。小池知事と国の緊急事態宣言を巡る暗闘はすでに始まっているのである。

澤 章 (都政ウォッチャー)

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澤 章(都政ウォッチャー)
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年3月に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。著書に『軍艦防波堤へ』(栄光出版社)、『ワン・ディケイド・ボーイ』(パレードブックス)、最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)。
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