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軽症者ホテル室数 水増し発表

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【都政を考える・コロナ緊急対策】知事選公約の都版CDCは活用されているのか

公開日: 2021/01/08 (政治)

Reuters Reuters

澤 章 (都政ウォッチャー)

▽意図的な不作為と作為

 菅首相が2度目の緊急事態宣言を発出した同じ日、小池知事は臨時の会見で「状況が危機的、極めて深刻」と危機感を露わにした。都民の多くもそう感じたことだろう。だが、この数か月間の小池知事の動きを見ると、額面通りに受け止めるわけにはいかない。ここに至るまで、小池知事は彼女ならではの不作為と作為を繰り返してきたからである。

 まず不作為である。昨秋以降の小池知事は国との対立を前面に押し出してコロナ対策の責任を事あるごとに菅政権に押しつけてきた。12月、営業自粛の時間をさらに繰り上げるように国から求められても応じなかったことは周知の事実である。

▽8割おじさんの意見は聞いたのか

 それにも増して問題なのは、小池知事が専門家の意見を聞き具体的な対策につなげる努力を怠ったことだ。

 第一波の際、8割おじさんと話題になり逆にバッシングも受けた西浦博教授が今、再び脚光を浴びている。同教授の分析によれば、独自の対策を講じた北海道と大阪の実効再生産数は「1」レベルに低減したが、無策だった東京のそれは「1」を上回ったままだという。

 この西浦教授が東京都のiCDC(東京感染症対策センター)の主要メンバーであることをご存じだろうか。事の発端は、昨年7月の都知事選だ。小池知事は「アメリカのCDCを東京にも」と訴え、東京版CDCは選挙公約となった。そして、2か月後の10月1日に晴れて発足、専門家ボードに名だたる専門家を集めた。

 しかし、その後は何をやっているのか活動状況がほとんど伝わってこない。メディアで取り上げられるのはモニタリング会議ばかりである。西浦教授が専門家ボードのメンバーであるなら、小池知事は当然、最新の知見に基づく分析結果をレクチャーされたはずである。でなければ、iCDCは選挙目当てのカラ公約になってしまう。

 はたして、西浦教授をはじめとする専門家の意見を聞き入れなかった不作為なのか、聞いた上で動かなかった不作為なのか、いずれにしても小池知事の不作為は、都民に対する背信行為と言われても仕方あるまい。

▽4000室確保、実は2360室

 次は意図的な作為である。

 都内の病床利用率は9割に迫っている。重傷者が日に日に増える今、病院が早晩パンクするのは時間の問題だ。そして、次にしわ寄せが来るのが軽症者等宿泊療養施設、いわゆる借り上げホテルである。

 このホテルの借り上げに関して、小池知事は12月14日の記者会見で、4000室を確保と明言した。4000と言う数字は、同じ会見で示された、病床をさらに4000床確保する話とは別である。つまり、連日500人を超える感染状況に対して、病床はプラス4000、宿泊料用施設は4000確保したと、小池知事は胸を張ったのだ。

 ところが、この数字には重大な疑義がある。4000室と聞けば誰もが4000室すべてを軽症者等が利用できると理解するだろう。が、実際は全く違う。感染者が使えるのは2360室、4000室の6割に過ぎないのである。東京都に問い合わせれば分かることだ。

 つまり、数字の4割は水増しなのである。小池知事は記者会見の場で、事実と異なる数字をあたかも事実であるかのように発言したのだ。

 加えて驚くことに、数字の操作はこれが初めてではない。第二波の時にも同様なことが起こった。ホテル3000室を確保としていたが、利用できたのは1900室だった。ホテルを一棟借りしても、職員・医療スタッフ用の部屋や感染防止のために必要なスペースが必要となる。

 当たり前である。それを承知の上で数字を大きく見せようとする小池知事の作為的な数字操作は、極めて不誠実で都民を愚弄するものと断ぜざるを得ない。

 水面下で繰り返される小池知事の不作為と作為によって何がもたらされるのか、誰が得をして誰が被害を被るのか、都民は小池知事の言動を鵜呑みにしてはいけないのである。
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澤 章(都政ウォッチャー)
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年3月に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。著書に『軍艦防波堤へ』(栄光出版社)、『ワン・ディケイド・ボーイ』(パレードブックス)、最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)。
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