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小池知事はワイドショーがお好き

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【都政を考える・森氏の女性蔑視発言】あえて火消しに回った知事 擁護の姿勢続くか

公開日: 2021/02/09 (政治)

CC BY CC BY /wuestenigel

澤 章 (都政ウォッチャー)

 小池知事が世論の動向を常にチェックして、自らの言動を軌道修正しているのは、関係者間では周知の事実である。例えば、森喜朗会長の女性蔑視発言問題での小池知事の対応を見てみよう。

 2月3日、オリンピック・パラリンピック組織委員会の評議員会で森会長が「女性がたくさん入っている理事会の会議は時間がかかる」と発言した。

 当初、小池知事は「絶句した。あってはならない発言だった」と非難口調でストレートな反応を示していたが、5日金曜の定例会見の場では、森氏から「本当に申し訳ない。心底、撤回する」との電話をもらったことを披瀝した上で、森氏の進退に関しては「組織委員会の判断も必要」とお茶を濁すに留めた。

 普段の小池知事なら相手は、1期目のオリンピック会場を巡る騒動で対立した森氏を女性の敵に仕立て上げ徹底的に攻め立てても不思議はない。ところが、世論が予想以上に大炎上してしまい、オリンピック開催の是非にまで及びかねない状況を見て取るや、非難一本槍の姿勢から自らのスタンスを一夜で微修正した。つまり、火消し役をあえて買って出たのだ。

 そうすることで、森会長や組織委員会、ひいては国に恩を売り、今後の事態の展開で有利な立ち位置をキープしようとしたと見るべきだろう。世論の動向とその影響力に敏感な小池知事ならではの変わり身の早さである。

▽知事執務室には大型テレビが設置されている

 では、小池知事は世論の動きを何で測っているか。

 ネット情報や周囲の生の声もあるが、重要な情報源のひとつはズバリ、テレビ番組、それもワイドショーである。

 都庁第一本庁舎7階の知事執務室には、大きな液晶テレビが設置されている。テレビは、各局からの報告や打ち合わせの際に知事が座る席の真後ろにあるため、知事は振り向かなければテレビ画面を見ることができない。それでも、執務時間中、テレビは基本、無音でつけっぱなし状態になっている。

 では、この無音テレビは何の役に立っているのか。放映内容のチェックは秘書担当の係員が常時行っている。小池知事本人の登場シーンや重要な都政ネタがテレビに流れると、係員から合図が入り、打ち合わせが中断される。音量が上げられ、知事は「ちょっと待ってね」と幹部職員たちに告げ、くるりと姿勢を変えて画面に向き合う。

 私が中央卸売市場次長だったときにも、何度かそんな場面があった。そして、画面を見終わった知事は、何ごともなかったかのように打ち合わせに戻る。テレビを見てどう受け止めたのか、無表情の小池知事からうかがい知ることはできない。

▽チャンネルは「ひるおび!」と「ゴゴスマ」

 さて、最近の小池知事お気に入りのテレビ番組は、なんと言ってもTBSの「ひるおび!」と「ゴゴスマ」である。地上波のチャンネルはいつも6番に設定されている。「ミヤネ屋」でも「バイキング」でもないという点がミソだ。

 内容が比較的真面目で反権力志向が強いTBSをあえて視聴しているところが小池知事らしいと言えなくもない。

 ワイドショーで喧伝される世論とは、煎じ詰めれば、番組制作サイドの思惑によって形成される特定の世論である。数年前の市場移転問題の時には、このワイドショー発の世論に都政は何度も翻弄させられたが、まさに小池知事はそんなメディアが作り出す世論、なかでも都政や知事に対する批判的な意見に、24時間、アンテナを張っているのである。

 したがって、都民の生命に係わるコロナ対策であっても、純粋に科学的な知見に基づいて政策判断がなされているわけではない。あくまで世論の動向、メディアの反応を見ながらの、その場その場の状況判断にならざるを得ない。まさに、ワイドショーを地でいく小池知事ならではの都政運営である。

 日々、ワイドショーのチェックに余念のない小池知事だが、「森会長辞めろ」の世論が高まる中、はたして次はどう反応するつもりなのか。火の粉が自分に降りかからないように、中立を装いだんまりを決め込むつもりだろうか。

 現状、ワイドショーの話題はコロナと国政が中心であるが、小池知事の動向に対しても、是非とも厳しい目を注いでいただきたいものである。
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澤 章(都政ウォッチャー)
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年3月に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。著書に『軍艦防波堤へ』(栄光出版社)、『ワン・ディケイド・ボーイ』(パレードブックス)、最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)。
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