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野党合同、失敗にみえるのは玉木氏の身勝手ゆえ

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国民民主の大半は合流、野党一本化の最低線はできた

公開日: 2020/08/14 (政治)

玉木雄一郎国民民主党代表=CC byOgiyoshisan 玉木雄一郎国民民主党代表=CC byOgiyoshisan

土屋 直也 (ニュースソクラ編集長)

 野党再編が決着した。国民民主党代表の玉木氏が合流しないため、まるで合同は失敗したような印象が広がっている.
 だが、実質は玉木周辺グループを除けば国民民主党議員のほとんどが立憲民主党に合流する。実質的に旧民主党系の一本化はできた。自公に対決する軸は一応でき、与野党攻防はスタートラインに着いたと評価していいだろう。

 問題は、合流交渉のなかで、玉木氏が次々とハードルを上げて合流を受け入れようとしなかった点だ。合流劇が失敗したように見えるとすれば、政策合意なき合流と決め付けた彼のパフォーマンスによるもの。合流を台無しにしかねない「戦犯」は玉木氏だ。

 最後まで抵抗していた党名を立憲民主にする点は、立憲側が議員投票で決めることを受け入れると譲歩した。にもかかわらず、さらに政策の違いを持ち出して抵抗した。交渉をつぶせると踏んだ条件を飲まれて、党首が浮き上がってしまった。分党という奇妙な別れ方を選択せざるえなくなった。

 なぜ、玉木氏は最後に合流を飲めなかったのか。代表就任以来、行動をみてきた執行部のひとりは、「結局、ナルシストでトップであることに酔ってしまった。心情的に降りれなかったのでは」とその内心を読む。政治家として陥りがちだが、もっとも克服しなければならない「お山の大将体質」から抜け出せなかったということだ。

 交渉過程では内々、立憲民主から幹事長ポストも打診されたようだが、満足できなかったように見えたという。

 玉木氏とともに少数政党に移る議員グループは大半が玉木氏と同じ財務省出身の議員たちと見られる。玉木氏はもともと保守の香川から小選挙区で当選してきている選挙に強い議員だが、周辺議員は落選経験もある選挙に弱い議員たちが多い。弱小政党になり、場合によっては労組の支援も受けられなくなるなかで、どうやって選挙を勝ち抜くつもりなのだろう。

 玉木氏との距離の近さで国民民主党内で発言権を得ていただけに、いまさら玉木氏を見捨てられないということだろうが、ナルシストをコントロールできなかった責任を逆風選挙で痛感することになるだろう。政策通のまじめな議員が多いだけに、「玉木氏と心中」という言葉がアタマに浮ぶ。

 玉木氏には自民系といえる保守政治家やOBからのアプローチがいろいろあったように見える。亀井静香氏の動きなども取りざたされている。政策面の違いで志を曲げるなとささやかれたり、自民合流への可能性などもちらつかされていた可能性がある。

 安倍政権が一貫してとってきた野党分断路線が、巧妙に仕組まれたように見える。そしてまた、こうした約束は反故にされるのがほとんどであることは政界の歴史が証明している。 

 新党の運動資金はどうなのか。今回は解散・分党であるので、旧民主党が溜め込んで国民民主党が握っていた資金は、議員数に応じて配分される。立憲・国民の連合新党は、それなり戦える資金を持っている。

 いわゆる野党勢力を見渡すと、与党ではないが、野党ともいえない日本維新の会が伸びている。野党は分断されたままだ。旧民主党系がほぼ一本化される立憲、国民の連合新党は太い幹とまではいえない。     

 旧民主党系の最大の支持団体である連合も、枝野氏が代表に就くであろう新党を支持するだろう。早ければ秋にもある解散・総選挙で、どこまで自公の議席に切り込めるのだろうか。最低限の体制は整ったといえるだろうが、自公に対して強力な対立軸を作り、政治に魅力が蘇るのかどうか。まだ先は長いように見える。
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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