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【参院選】荒木候補落選 小池都知事の「国政進出」の夢砕かれる

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次の一手は2年後の都知事選

公開日: 2022/07/10 (政治)

荒木氏(左)と小池都知事=チラシから 荒木氏(左)と小池都知事=チラシから

澤 章 (都政ウォッチャー)

 小池知事が参院選で強力にバックアップした荒木候補が落選した。改選議席数6の東京選挙区で最後の1議席を争う戦いに、“あの”小池知事が一敗地にまみれたのである。

 昨夏の都議会議員選挙で都民ファーストの会が全体で得た103万票に遠く及ばない得票数の見通しだ。この敗戦は、小池知事にとって大敗だったのか、あるいは惜敗なのか、小池知事の胸中を探ってみたい。

▼大失速→不戦敗→敗北

 小池知事は自らの選挙には滅法強い。2016年の都知事選しかり、2年前のコロナ禍での再選では宿敵の都議会自民党の動きを封じ込めて楽勝。また、昨夏の都議会議員選挙では、都民ファーストの会大敗という下馬評を覆し、自身の入院騒動も利用して都議会第二党の地位を確保した。

 しかし、国政選挙ではこうはいかない。むしろ小池マジックは不発続きである。2017年の希望の党立ち上げでは「排除発言」で大失速、昨秋の衆院選でも荒木候補が国政政党ファーストの会を設立したものの、候補者さえ擁立できずに不戦敗の憂き目を見た。そして今回の参院選での敗北である。

 特に今回は、小池知事が矢面に立っての選挙戦だった。荒木候補の横には必ずと言っていいほど小池知事が寄り添い、露骨な二人三脚の選挙戦を戦った。にもかかわらずの敗退である。つまり、小池知事の神通力が通用しなかったことを意味している。小池知事の受けたショックも小さくなかったのではないか。

▼残された時間と「維新方式」

 7月15日、小池知事は満70歳の誕生日を迎える。古希である。おめでとうございますと祝意を表したいところだが、国政を直接目指すには残された時間はほとんどない。自らが国会議員に返り咲く道もゼロではないが、衆院選は昨秋に終わったばかり。そこで、小池知事が狙いをつけたのが「維新方式」である。

 今回の参院選で自らの分身である荒木氏を国会に送り込み、自身は都知事の座に留まったまま遠隔操作により国政に関与する戦略だ。西の維新、東のファーストを密かに画策しているのだ。その意味で、今回の参院選は小池知事にとって国政関与の橋頭堡を築くための極めて重要な選挙だった。

 日本維新の会を見ていただきたい。代表に松井大阪市長、副代表に吉村大阪府知事を頂いている。国会議員のバッジを付けていなくとも、松井氏も吉村氏も国政政党の代表者として国政にもの申すことができる。党首討論会に出席し、選挙カーに登って国民に訴えかけられる。地方自治体の長としては破格の扱いである。自身の年齢も考慮すれば、小池知事が「私もああなりたい」と思ってもなんら不思議はないのである。

▼目指すは2年後の都知事選

 そして今、小池知事の望みは無残にも打ち砕かれたように見える。さすがの小池知事も万事休す、失意のどん底に沈んでいるかと思いきや、「そうではない」と筆者は見ている。たしかに今回の敗北は痛い。小池さんが先頭に立っても風は吹かなかった。小池知事ももはやこれまで、と噂されてもおかしくない状況である。

 が、転んでもただで起きないのが政治家・小池百合子だ。ライフワークとして執拗に国政関与の道を模索するであろう。その地固めとして、小池知事は早くも次のターゲットを2年後の都知事選に絞っているのではないか。2024年7月の都知事選は、小池知事にとって、東京大改革の総仕上げとなる3期目を目指す戦いになる。

 仮に2年後の都知事選で当選すれば、今後6年間、都知事の座に座り続けることができる。その間に衆院選は必ずある。ずいぶん気の長い話にも聞こえるが、「維新方式」を追い求める以上、そして小池知事の権力志向が宿命である以上、次の国政選挙までは都知事の座を手放すわけにはいかないのである。

 では、長期政権を確実にするために、小池知事は今後どう動くのか。ズバリ、都政への専念である。だがそれは、決して都民のためではない。自らの存在感と影響力を維持し続けるための手段に過ぎない。電力危機対策としてのHTT(減らす・作る・貯める)運動はその手始めだ。何かにつけて国と対峙し、独自路線を打ち出すことで耳目を集める。小池知事の都政専念とはそういう意味である。

 都民は、本当の意味での審判の時が2年後の都知事選であることを自覚しなければならない。
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澤 章(都政ウォッチャー)
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年3月に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。著書に『軍艦防波堤へ』(栄光出版社)、『ワン・ディケイド・ボーイ』(パレードブックス)、最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)。
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