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米国の戦争に中立ではありえない

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集団的自衛権の行使を表明した時点で戦争は始まるのだ

公開日: 2015/06/19 (政治)

Reuters Reuters

桜井  宏之 (軍事問題研究会 代表 )

 集団的自衛権を巡る議論には誤解に基づくものが少なくない。その1つが「戦争巻き込まれ」論だ。

 これについて、産経の【社説検証 集団的自衛権行使問題】が各紙の論調をまとめているが、これを読むと、その賛否を問わず、各紙とも派兵をもって戦争の開始と誤解している。国際法の知識がないと、こうした誤解を起こす。

 国際法上は、国家が実際に軍隊を派兵しなくとも、集団的自衛権の行使を表明した時点で戦争は始まるのだ。

 自衛権行使に関わらず、国家間で現実の敵対行為が始まると、戦争状態の承認がなくとも、最初の武力が行使された時から戦時国際法が適用される(これが一般にいう戦争状態)。

 戦時国際法は交戦国と中立国とは別々の権利・義務を定めているため、紛争に直接関わりのない国家に対しても、国連安全保障理事会が「平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定」(国連憲章第39条)するまでの間は、交戦国か中立国かのいずれかの選択を迫るのである。

 中立国を選択しない国は、交戦国と見なされ、交戦法規が適用される。

 集団的自衛権とは、武力紛争が発生した際に自国の主権が侵害されていないにも関わらず中立国を選択せず、主体的に交戦国の地位を得る権利なのである(主体的に選択するのであるから、「戦争巻き込まれ」論は明らかに誤り)。

 交戦国を選択した国は、その紛争に軍隊を派兵しているか否かに関わらず、軍隊及び軍事施設は全て合法的な軍事目標となり、商船は拿捕の対象となり、交戦相手国内にある自国の国家及び国民資産は凍結の対象となる。

 日本政府は、米国の戦争に巻き込まれるのではないかとの国民の懸念に対して、米国の要請があっても、集団的自衛権行使の新三要件を満たさなければ、「『できない』と答えるのは当然のことです」と説明してその払拭に努めている。

 しかし残念ながら国際法上は、集団的自衛権を行使しないだけでは中立国にはなれない。

 なぜなら中立国は交戦国から攻撃を受けないという権利を得る代わりに、①防止義務②避止義務③黙認義務、の3つの義務を果たさなければならないからである。

 このうち攻撃を回避する上で最も大事なのが①で、交戦国の戦争目的に自国領域が利用されることを防止しなければならない義務だ。

 この点で在日米軍基地がある日本は、米国の戦争に際して防止義務を果たすことができないので中立国にはなれない。仮に在日米軍基地の利用を実力で阻止しようとすれば米国との戦争になりかねないからだ。

 米国の戦争に中立国を選択できない日本は、交戦国とならざるを得ないのである。

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