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大村氏のイベルメクチンなど治療薬をもっと活用を

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【医学者の眼】患者に優先度つける覚悟も

公開日: 2021/01/08 (政治, ソサエティ)

大村氏=Reuters 大村氏=Reuters

中島 正治 (医師、医学博士、元厚労省局長)

 新型コロナ感染症は、感染力が強い変異ウイルスの出現もあり、世界中でこれまでを超える危機的状況を迎えています。

 米国での死者は35万人を越えましたが、トランプ大統領は「誇張」だと言い、ファウチ所長は「事実だ。医療現場の実態をよく見ろ」と反論しました。

 日本でも、スケールが少し違いますが、感染の急拡大が生じています。

 最近、正確性が増したような印象のグーグルAI予想では、東京は1月中に4000人/日レベルまで上昇するとされています。

 首都圏知事の要請もあり、政府は緊急事態宣言を検討するとともに、ワクチンの早期接種に向けて準備を加速しています。

 しかし、これらの対策が奏効してもその効果が現れるまでには数週間から数か月の時間が必要で、その間に感染は爆発的に増加する恐れがあり、医療現場はさらに混乱が必至です。

 上記の対策は必要としても、それだけでは万全には程遠いと言うしかありません。

 最近、関心がやや薄れているのが治療法ではないでしょうか?

 これまでに有効とされたものは、デキサメサゾンとレムデシビルだけで、何れも適応や効果が限られています。その後、新たなものは現れていません。

 そうした中で、最近注目されているのがイベルメクチンです。

 これはアフリカなどでフィラリア(腸管糞線虫症)などの治療に使われる薬剤で、これを開発した大村智先生がノーベル賞を受賞しています。昨年の当初、その有効性が注目されましたが、ランセットなどに掲載された論文がデータ不備等で撤回されたことなどもあってか、特に我が国では関心が薄れていました。

 しかし、最近のFLCCC(Covid-19救命救急最前線医療者連盟-中島訳)等のまとめ論文で、適切な治験などに基づいてその効果が再評価され、2020年12月には米国上院委員会でも早期承認使用すべきことが証言されました。

 我が国でも北里大で治験が進行中で、本年3月にも終了する予定とされています。

 これまでのところ、感染・死亡抑制効果等良好な結果を示しているようです。

 これまでに世界で駆虫薬として2019年には4億人以上に投与され、大きな副作用は報告されていないようです。こうした使用実績や低いコストなど様々な点で臨床使用可能と思われます。我が国においても実用化の検討を加速すべきではないかと思われます。

 また、BCGの効果についてもまだ決着していません。結核における我が国の豊富な経験と知見をもっと活用し、有効ならばコロナ感染症への実用化の道を急ぐべきではないでしょうか。

 この感染拡大は、時間軸に対し指数関数的(直線的増加より早く)に進むことを念頭に置いて、可能で必要な対策を講じるべきだと思われます。

 医療体制は崩壊から破綻に瀕しているとの発言が医療関係者からあったようです。

 しかし、私は医療は崩壊も破綻もしていないし、専門家としてさせてはならず、最後の拠り所としての医療への信頼は確保し続けるべきだと思います。その意味では医療関係者は、軽々に崩壊や破綻などと発言すべきではないと思います。

 むしろ、感染防止や必要な病床等の可能な限りの体制確保を前提としつつも、患者のトリアージュ(大災害時などに治療優先度を判断すること)が必要になるということについて、国民の覚悟を促すべきではないでしょうか。そうした中で国民がどのような選択をするかという問題だと思われます。
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中島 正治(医師、医学博士、元厚労省局長)
1951年生。76年東大医学部卒。外科診療、医用工学研究を経て、86年厚生省入省。医政局医事課長、大臣官房審議官(医政局、保険局)、健康局長で06年退官。同年、社会保険診療報酬支払基金理事、12年3月まで同特別医療顧問。診療、研究ばかりか行政の経験がある医師はめずらしい。
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