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コロナ感染者の発生施設へのスタッフ支援

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【尊厳ある介護(103)】支援受けるためにも派遣必要だが・・・

公開日: 2020/07/01 (ソサエティ)

CC BY-ND CC BY-ND /ajusticenetwork

里村 佳子 (社会福祉法人呉ハレルヤ会呉ベタニアホーム理事長)

 これまで広島県は新型コロナウイルスのクラスターが福祉施設で発生した場合、他の施設から応援スタッフを派遣しない方針でした。感染が拡大する可能性があるためです。

 感染症専門の医療スタッフの派遣などの医療支援については、検討するということでしたが。

 しかしながら、実際クラスターが発生した施設では対応が長期化して、スタッフが不足し、介護サービスを縮小する動きが出ました。その結果、利用者や家族に不安が広がり生活に支障をきたしてしまいました。

 規模の大きな法人であれば、系列の施設からクラスターの出た施設に応援スタッフを送って、感染したスタッフの不足をフォローすることができるかもしれせんが、全ての法人がそのような対応ができるわけではありません。

 そこでその方針が見直され、クラスター発生施設から支援の要請があった場合、二次的感染リスクに配慮した上で、応援スタッフを派遣する仕組みができたのです。

 さらに要請をすれば、感染症専門の医療スタッフも派遣し、医療的支援も可能になりました。

 医療や介護スタッフの派遣は私たちが要望していたことであり、まことにありがたい話です。だから支持するのですが、その仕組みは私たちが派遣施設として登録することが前提です。

 おそらくどこの施設も登録に協力したいのは山々だとは思いますが、スタッフを派遣できるほど余裕のある施設は、私が知る限り数えるほどです。

 しかも、施設のスタッフは新型コロナウイルス感染予防対策で、業務が増えて疲弊しています。

 たとえ応援スタッフに対する感染防止対策として事前に研修をし、派遣先ではPCR検査の結果が陽性者以外の利用者への介護を行うにしても、感染リスクがないとは言えません。

 さらに、応援業務に伴う感染リスクは否定できないので、派遣業務終了後2週間自宅待機をすることもあります。その上遠方の施設に応援に行く場合、泊まりも覚悟しなければなりません。

 依然として新型コロナウイルスに対する恐怖心が職場に蔓延しているのを知りながら、管理者が派遣施設として登録することをスタッフに理解してもらうことは、並大抵のことではありません。

 派遣時の危険手当、宿泊費、旅費、人件費などは県が予算を確保するとのことですが。

 危険手当がリスクに見合う金額であれば、スタッフに説明しやすいのですが、その金額は明確になっていません。

 また、応援スタッフの確保できたとしても、いざ派遣する段になると、事情が変わり実行できなくなることも充分考えられます。

 いずれにしても、自施設のスタッフが不足しているのに、派遣施設として登録できる施設がどのくらい集まるかで、この仕組みの命運は左右されます。

 実は新型コロナウイルスの影響で働き場を失った人たちが、介護現場に職を求めて来るのではないかと期待していたのですが、今のところそのような兆候はありません。

 不景気の波は遅れて来るのでしょうか。もう少し様子を見る必要があるのかもしれません。

 加えて、積極的に外国人介護人材を受け入れて人手不足を解消しようとしていた機運も、新型コロナウイルスによって停滞しています。

 ですが、人手不足を嘆いていても、感染の「第2派」への対策は前進しません。この派遣の仕組みがあるとないとでは、施設で働くスタッフの安心感が違います。

 もしかすると、自分の施設からクラスターが出て、支援の要請をするかもしれないのです。

 全ての社会福祉法人がスタッフを1人確保して登録すると、かなりの人数になるはずです。派遣期間は最大で4週間です。

 このような時だからこそ、お互い助け合うことが大切です。なので、私たちは派遣施設として登録することにしました。

 いざとなれば、自分が応援スタッフになれば良いのですから。ただし、やる気はありますが役に立つかどうかは不明です。
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里村 佳子(社会福祉法人呉ハレルヤ会呉ベタニアホーム理事長)
法政大学大学院イノベーションマネジメント(MBA)卒業、広島国際大学臨床教授、前法政大学大学院客員教授、広島県認知症介護指導者、広島県精神医療審査会委員、呉市介護認定審査会委員。ケアハウス、デイサービス、サービス付高齢者住宅、小規模多機能ホーム、グループホーム、居宅介護事業所などの複数施設運営。2017年10月に東京都杉並区の荻窪で訪問看護ステーション「ユアネーム」を開設。2019年ニュースソクラのコラムを加筆・修正して「尊厳ある介護」を岩波書店より出版。
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