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児童ポルノとの闘い、「誹謗中傷ひどかった」

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【編集長インタビュー】『ひなげしの終活』を出版したアグネス・チャンさんに聞く②

公開日: 2015/12/24 (ソサエティ)

【編集長インタビュー】『ひなげしの終活』を出版したアグネス・チャンさんに聞く②

 1998年にユニセフ協会大使に就き、児童ポルノ禁止に取り組むことになる。その後の17年の彼女が大変に時間を使った成果だ。著書でもそれに触れ、その過程でできた友人を「戦友」と呼んでいる。(聞き手はニュースソクラ編集長、土屋直也)

―― 「ひなげしの終活」では、「半年に一度しか会わないけれど、会うだけで胸にパッと花が咲くようにうれしくなって涙がでそうになる友人がいます」というくだりがあります。児童ポルノの単純保持禁止を盛り込んだ改正法の成立運動で出会ったとか。

「児童ポルノ法の改正活動をしました。例えば、被害者、その援助をしている団体、PTAのお母さん方とかと一緒になって活動をし、署名を呼びかけたり、色々やりました。でも凄く攻撃されるのです。寝込んじゃう人もいます」

―― どんな嫌がらせですか?

「私の場合はインターネットで、本当に誹謗中傷、ひどいことを書くのですね。私が中国の工作員だとか、私の家はユニセフへの募金で作られているとか。家はユニセフ大使になる前に建てているのですが。要するに、ないこと、ないこと。とにかくダメージ与えようと、ついには霊感商法やっているとまで書かれたのです。私はまだメディアに出る仕事ですから、気持ちを強くしなきゃいけないと思う」

「でも、一般の方はやっぱり、凄いダメージを受けるらしいのです。政治家の方ですら攻撃されて、抗議しても警察は中々何も出来なくって。でも本当に重病のお母様のところに、嫌がらせの電話かけられて、本当に参ったという話を聴きます。NGO(非政府法人)の方は辞めた方は何人もいました。耐えられなくて」

―― 運動に参加している方に個別に攻撃してくるのですか?

「凄く、何ていうか時間があるじゃないですか。彼らは時間を使ってくる。そういう意味では、結構、人生を賭けています。それに、排他主義の人たちが加わると、ダブルパンチでやってきます。でも(児童ポルノの)被害者に沢山会っていますし、海外でも沢山会っています。先日も校長先生(横浜市で元校長が児童買春・ポルノ禁止法違反罪などで裁判中)まで捕まっています。海外に行って、ポルノを撮ってくる。すごく沢山。そういう話も聞きました。『日本の方は写真を撮るのが好きですね』、とか、ちっちゃい子から聴かれるのですね。もうその時、心が壊れるほど辛いのです。可哀想。本当に思います(涙目)」

―― 色んな体験をされて児童ポルノの禁止を訴えられたと思いますが、何故、児童ポルノ禁止を選ばれたのですか?

「私が選んだじゃないのです。1998年(ユニセフ大使に任命された、その)夜にスウェーデン大使館に最初の仕事として出向き、そこで児童ポルノの話題が出ました。スウェーデンの王妃、シルヴィア王妃がものすごく、この件に凄く熱心なのですね。彼女のお陰で世界的に皆注目するようになった、と言っても過言じゃないぐらいに。だから、スウェーデン大使館も凄く積極的なのです。その時は、まだ日本では買春ツアーなんてのがあった時代だった。まだ法律もなかったので」

「先進国の中でも日本は遅れているということで、いきなりそこで勉強させられました。その集会はフィリピンで被害受けた子。その語りを書いた本が出版されて。それが英語に訳されて日本語に訳され、この子について考えようっていうことでした。その年にはもうタイに行かされて。その時ユニセフは本部からはもちろんそうですけど、日本でアドボカシー(avocacy唱導)を強くしてください、と言われ、心を強くして法律を通してください、と言うことだったのですね」

「丁度、法律をどうしようかと検討する機運が出てきたころなのです。児童ポルノ、売春はあっても、買春という言葉もなかった時期です。でも、子供に関しては売る側が悪いのではなく、買う側が悪いと、だから買春禁止にしないといけない、ということで。児童買春・児童ポルノ法の成立に向けて。一所懸命活動しました。私は大使なるってこういう活動もするのかって思いました」

―― アイドルとして、アイドルだから大使に選ばれたのでしょうが、そこまでは出来ないと思った時はないのですか?

「まあ、大使なるまでも24時間テレビとか中学校の時からボランティアを始めていたので、全く抵抗はないのですね。(止めるなんて)考えたこともないですね。自分がダメージ受けるとしても、子供たちの受けているダメージとは比べ物にならないから。本当に比べものにならないのですよ(涙目)。もう・・・ごめんなさい(涙)」

―― 児童買春の活動で一生の友達ができたと書いていますね。

「一所懸命活動した人なのですけど、一時期止めちゃったんです。彼女が辞め、私は凄く心細かった。私はこう感情的になっちゃうのですが、彼女は凄い冷静なのですよ。淡々としゃべれるのです。もう凄い、凄いなあっていつも思うのです。この位、もう淡々と話ができたらいいなあ、といつも思っていたのです。心強いなあと、いつも思っていた。何か参考人に呼ばれて行くときも彼女が支えてくれた。本当に辞めてしまい、辛かった。怖くなって。でも私は辞めなかったのです」

「彼女それを見ていて、『凄いダメージを受けているのに辞めないなあ』ということで、戻って来たのですよ。国会議員のところに、私たち足を運んで、法改正を求めてずっと歩いて、途中から彼女も戻ったのです。もう議員会館のロビーで会った時、『よく戻ってくれた』って抱き合っちゃいましたね。『アグネスさん見て恥ずかしくなっちゃった。自分がって』と言ってくれて。『やろう頑張ろう』って。だから2014年に法律が施行されたときはもう本当に抱き合って涙して。嬉しかったですね」

―― 凄いですね。

「被害者になった子も少しでも報われるじゃないですか。彼らが心を開いてくれたり、話してくれたりしたから、それこそ私たちみたいな人間が必死で活動出来るようになったのですね。お会いできなかったらここまで、使命感感じなかったかもしれないですね。やっぱりその子供たちの姿を見るともう」

―― 黙っていられない?

「いやー、黙っていられないです。日本にもいますよ。日本にも一杯いますよ。名乗り出ようとしないし、皆、出来るだけ忘れようとするのですけど。忘れられないかなあ、忘れられない子が一杯います。愛する人見つけることだよね。見つけられない人もいるし。大半、一番信頼している人に裏切られたりしているから。凄く辛いですよね」

(構成・角田裕育)

土屋 直也:ネットメディアの視点 (ニュースソクラ編集長)

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土屋 直也:ネットメディアの視点(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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