日本年金機構から、年金受給者や加入者の個人情報約125万件が流出した問題で、衆院厚生労働委員会は3日、集中審議を行った。年金機構の水島藤一郎理事長は被害が広がる可能性を問われ「さらに流出が拡大する懸念はある」と述べた。「警察に届けている(端末の)ログ(記録)を解析して頂いた結果を踏まえて分かる」という。
個人情報は職員がパソコンにダウンロードして保存してあった。この保存情報が漏れた可能性があり、年金機構の管理体制の甘さがまた露呈したことになる。共同通信によると、不正なメールには中国語のフォントが使われていた。
流出問題が公表されて以来、全国で不審な電話が相次いでいる。「あなたの年金情報が漏れていて消す必要がある」などといった内容で、警察庁は、振り込め詐欺などの「特殊詐欺」に悪用されるおそれがあるとして、全国の警察に対し、注意するよう通知した。
この問題を受け、菅官房長官は三日の記者会見で、「サイバーセキュリティ戦略についても見直す必要」を述べた(日本経済新聞「官房長官「サイバー戦略、見直す必要」 年金情報流出で」より)。
同じ記事の中で日本経済新聞は、今回の情報流出を「日本年金機構がサイバー攻撃を受け」、と報じているが、メールの添付ファイルを不用意に開けた結果のウィルス感染だとしたら、「サイバー攻撃」というのは大げさかもしれない。どのレベルで「「サイバーセキュリティ戦略」を見直すのか、今後の動きが注目される。