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菅政権はコロナ大臣が4人 本来は1人に集約すべき

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【舛添要一が語る世界と日本(93)】余程の無能ぞろい? 内閣支持率が最低

公開日: 2021/06/08 (政治, スポーツ/芸術)

CC BY CC BY /focusonmore.com

 私は、昨日6月7日に1回目のワクチン接種を受けた。自宅のある世田谷区の接種会場で、徒歩や自転車で行ける近くて便利のよい場所である。接種後の15分間の待機時間も含めて、1時間弱の所要時間であった。2回目の接種が28日である。

 予定通りに行くと、私は、7月5日頃までには免疫ができているはずであるが、まだ国民の大多数は東京五輪までに接種を完了することはできない。つまり、英米のようにマスクを外して日常生活が回復する状態にはほど遠いと言えよう。

 菅首相は、ワクチン接種を加速させるために河野大臣を担当に任命したが、それでも上手く行かず、結局は自衛隊に依頼して、東京と大阪に大規模会場を設け、そこで接種に全力を挙げている。岸防衛大臣まで含めれば、感染症対策に4人もの閣僚を動員したことになっており、これは世界の非常識である。

 感染症対策は厚労大臣に権限を集中させることが原則だからである。よほど、無能な大臣が揃ったのか。

 ワクチン接種については、各自治体も様々な工夫を凝らしているが、各地で混乱も生じている。自治体独自の大規模ワクチン接種会場設営の動きも出始めている。接種の加速化のためには、診療報酬を引き上げ、開業医、つまりかかりつけ医が接種できるインセンティブと態勢を整える必要がある。

 そのような中で、政府のコロナ対策分科会の尾身茂会長は、2日の衆院厚生労働委員会で東京五輪・開催について、「いまの状況でやるというのは普通はない」と述べ、それが大きな波紋を呼んでいる。公衆衛生上は、開催を強行することは無謀であるという認識は当然である。

 しかし、開催まで45日と迫った今、IOCも日本側も予定通り東京五輪を開催する方針を堅持している。

 そのことを反映したのか、読売新聞の世論調査(4〜6日)では、「中止」が48%で前回調査より11%減っている。一方、「観客数を制限して開催」が24(+8)%、「無観客開催」が26(+3)%で、合計すると50%である。「通常通り開催」という選択肢がないので、開催論が増えるのだろう。

 JNN の世論調査(5〜6日)では、「開催」44%、「中止」31%、「延期」24%となっている。開催論の背景には、各種競技で五輪参加選手が次々と内定されるニュースが報じられていることもあるだろう。

 政権幹部からは、尾身発言に対して不快感が表明されているが、彼は政府と一心同体になって、コロナ対策を指揮してきた人物である。

 昨年5月28日、国連のハイレベル会合で安倍首相は「人類が(コロナに)打ち勝った証として来年の東京五輪を完全な形で開催する決意だ」と述べた。つまり、「完全な形」でできないから1年間延期したはずであり、実は、森喜朗前会長もパンデミックが収束しなければ中止だと言っていたのである。「完全な形」はもう無理なのだが、それでも菅政権は強行突破しようとしている。

 コロナ治療現場の医療関係者は、医療資源が45日後に潤沢に戻る可能性はないという。つまり、東京五輪関係者用に貴重な医療資源を割く余裕はないのである。

 実は、病床や医師・看護師の不足で、今でも患者を無医療のまま自宅や隔離用のホテルに放置しており、急に重症化して命を落とす者も出てきている。アビガン、イベルメクチン、カモスタット、ステロイドなど使える薬はあるのであり、きちんと治療をすれば死に至ることは稀になっている。

 ところが、コロナ治療薬はまだ開発されておらず、これらの薬は目的外使用となる。人命第一に考えれば、薬事承認のあり方を見直さねばならないのではないか。

 私は都知事時代、競技施設建設費を削減するなどして、全力を挙げて東京五輪の成功のために努力してきた。しかし、元厚労相という立場からは、公衆衛生上は開催強行には疑問を持っている。開催利権やコロナ商売で大金儲けをしている者が開催強硬論を唱えているのには、甚だしい違和感を覚える。コロナで塗炭の苦しみにあっている多くの国民には、許しがたいことであろう。

 東京オリンピック・パラリンピックのボランティア1万人が辞退したことが伝えられている。

 ワクチンも、1日に80万回くらいに接種回数が増えているが、それでも菅内閣の支持率は下降を続けている。先に引用した世論調査、読売新聞では、内閣支持率は37(-6)%で、政権発足以来最低である。不支持率は50(−4)%である。自民党シンパの新聞で支持率が30%台になるのは、政権に黄信号が灯り始めたことを意味する。

 JNN では、内閣支持率は39.0(−1.0)%で、これも政権発足後最低である。不支持率は58.3(+1.3)%となっている。

 第二次安倍政権以来、今の菅政権もメディア戦略を駆使した世論操作を多用している。評論家や芸能人を上手く使って、とくにバラエティ番組で、政府に都合の良い宣伝をすり込ませる。大衆が気づかないので、ナチスの大々的な宣伝よりも巧妙かもしれない。

 しかし、コロナ対策への国民の不満を見れば、そのような小手先の弥縫策で支持率が上がると考えるのは楽観的にすぎるであろう。

舛添 要一 (国際政治学者)

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