ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップ)した記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■「アラブの春」が起きる可能性が出てきたサウジアラビア」(JBPress)
NY原油は4日に5日連続で上げ1バレル47ドル台で引けた。FRB議長が金融政策で柔軟な姿勢をみせたこともあって原油価格は下げ止まる可能性もある。だが、この記事の筆者、藤氏は今年前半に40ドルを割れると予想している。そうなれば国家収入を原油に依存するサウジアラビアは予算執行も難しくなり、民衆が蜂起した「アラブの春」のサウジでの出現もありうると予想している。すでに周辺国では民衆デモが多発し始めているもようだ。
■コラム:袋小路の韓国サムスン電子に活路はあるか (ロイター)
売上高でサムスン電子がインテルを抜き2018年はまさにサムスン・イヤーだったはずがiphoneも含むスマホ販売台数の失速で10月以降は株価が25%も下がり暗転している。記事には軽くしか触れていない韓国内での刑事訴追の問題も小さくないと思われるが、サムスンの次の主力商品が見えないのも間違いない。記事はキャッシュリッチなので買収などあるのではと予想するが、事実上の総帥の李副会長の地位が不安定なだけにありうるのか。サムスンの行方にしばらくは目が離せない。
■習主席「武力行使も選択肢」 米の台湾介入けん制 北京で演説「台湾は中国の一部」(日経)
もともと台湾の併合を目標に掲げ、軍事力行使も辞さないとされてきた習主席が、公に軍事力行使を口にした。最大の狙いはトランプ政権内にいるボルトン安全保障担当補佐官など親台湾派へのけん制だろうが、米国側が自制に回らず、むしろ台湾問題が習主席のアキレス腱と強く認識する可能性もある。米中対立が台湾を巡って軍事的にもこじれていきかねない。台湾の蔡総統の反応は 一国二制度「絶対に受け入れない」 台湾の蔡英文総統が拒否 (産経)だが、台湾では国民党が地方選で勝利するなど親中国派が勢力を伸ばしている面も否めない。
■抗生物質は「国家のインフラ」として開発せよ。さもなくば、耐性菌だらけの世界がやってくる (Wired)
20世紀の医療革新の4番打者は更生物質の発見だった。細菌病への特効薬としていまもその重要性はまったく衰えていない。ところが、その開発がペイしないと大手製薬会社が相次ぎ撤退したという実態には驚いた。開発に国家がかかわるべきという記事の結論はうなずける。こんなところにも市場中心の新自由主義の失敗が現れているということだろう。
今週の4本 原油下落でがけっぷちのサウジ 体制も揺らぐのか |
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【編集長のイチオシ】サウジ/サムスン/台湾進攻/抗生物質が危ない
Reuters
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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