ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■「男性記者は私を差し出した」メディアの女性記者たちが声を上げられない理由 (ビジネスインサイダー) 財務次官のセクハラを他人事と思うなかれ。メディアだけでない、取引先の宴席に女性社員を呼べという上司は少なくないはず。米投資銀の一部がミニスカ女性社員を接待に繰り出す営業は有名だ。接待される側も厳罰で禁じないと大きなリスクにさらされるだろう。現役記者が過去のセクハラ体験を告白:彼女は反省する必要などあるのか(共同) 追加:セクハラ発言「乗り越えてきた」世代が感じる責任(ハフポスト)
■日本郵政の手当廃止が示す正社員の未来 (東洋経済) 「同一労働同一賃金」のために正社員の住宅手当を削る、つまり正社員の待遇を非正規並みに下げる、というこのニュースの衝撃はすごかった。だが、もし非正規社員にも手当をすると、年間600億円の支出増になると聞いたら、10年という経過措置付きながらこれを飲んだ組合の立場もわかる。日本の労働規制のゆがみがあらわれている。
■「二度と掛けてくるな」”漫画村”広告主への取材一部始終、広告は取材後に消滅 (ねとらぼ) 違法アップロードの海賊版サイトを支えるのは広告。広告主に突撃取材で、結果的に広告削除を導いたねとらぼの記者に拍手したい。広告代理店がアクセスが多いところに無差別に広告を出すアドネットワークに問題の一端がある点も見逃せない。関連記事:海賊版サイト「漫画村」に”裏広告” 大手企業も(NHK)
■イラク日報「最も緊迫した1年の記録」はどこに消えたのか (現代ビジネス)かねてイラク派遣の実態を報じていた半田滋氏が改めて、ロケット弾などがしばしば陣営地に撃ち込まれていた2004年分の日報がないことを指摘している。問題は公文書管理の問題とともに、紛争地には自衛隊を派遣しないというPKO法違反である実態をどう考えるべきかに行き着く。PKO法が実態に合わない内容であるのは、もちろん憲法9条との関連にあり、改めて9条問題に行き着く。PKO派遣はしないのか、9条を変えるのか。公開された分のなかで興味深い部分を速報した記事はこちら:「5人で24人前の素麺を一気に…」 バグダッド日誌に映る「日常」 (withnews)
今週の4本 「男性記者は私を差し出した」、ミニスカ営業はメディアだけでないはず |
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【編集長のイチオシ】セクハラ/日本郵政の待遇劣化/漫画村/自衛隊日報
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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