ニュースソクラのキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■米国の関税戦略に「日本封じ込め」の意図あり (東洋経済)
経済産業省のキャリア官僚でありながらTPPに反対の著書を出した中野剛志氏がトランプ政権がしかける貿易戦争の戦略性を説いている。トランプの思い付きの面ばかりが強調されがちだが、確かに通商でのパンチの繰り出し方には手順を踏んでいる面も見うけられる。私は中国の方が交渉術では上ではないかと思うが。中野氏はトランプ政権誕生以前から経済ナショナリズムの分析を一貫して続けているだけに、トランプ政権や欧州での反EU勢力誕生の背景にある、自由貿易がもたらす弊害面がよく見えている。それを理論的にも裏付けのある形で説明してくれる。それが中野氏の妙味といえるだろう。
■「漫画村」問題:「海賊版サイトブロッキング」はアリかナシか? 問題点はココにある (ビジネスインサイダー)
たかがマンガと気にも止めなかった方は、漫画村問題をよく知ってほしい。漫画村は海外にある海賊版サイトを紹介する形で著作権を侵害しながら、アクセス件数を稼いでいた。ネット上の著作権のあり方を理解するうえで、最適な問題例だ。いろんな意見を知りたいなら「海賊版サイトのブロッキングは憲法違反」「漫画村は国内から配信されている」 楠正憲さんに聞く がおもしろい。時間があるなら、ヤバすぎ「漫画村」がそう簡単に消えない事情 も読んでみては。
■プチデモン・カタルーニャ前州首相が仮釈放---欧州連合(EU)とドイツにとってどういう意味があるのか (ヤフー)
EUの守護神、ドイツが独立めざすカタルーニャ州の前首相を野に放った。グローバリゼーションとローカライゼーションの対立と共存を考えるには格好の材料だ。連邦制だからできたことともあるので、いろいろな政治制度について考える要素が入っている。
■佐川氏に「刑事訴追を受けるおそれ」がなくなったから再喚問で証言義務あり? 本当か (ヤフー)
村木さん冤罪事件で有罪になった前田元検事のコラム。いつも結構切れがいい。森友問題の次の焦点は佐川氏が逮捕や起訴されるかどうかだが、私はいまも拙稿(3月30日)のとおり、最高検は在宅起訴にも消極的だと感じている。毎日新聞も13日に起訴見送りと書いた。もし不起訴ならどんな形で公表されるかや、検察審査会にかかるだろうといった今後のスケジュールが、このコラムを読むとよくわかる。
今週の4本 トランプ貿易戦争を「思いつき」と侮るな |
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【編集長のイチオシ】トランプの貿易戦争/漫画村/ドイツとカタルーニャ/佐川問題の行方
Reuters
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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