ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップした)記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)
■忍び寄るマイクロプラスチック汚染の真実 (ナショナルジオグラフィックス)
プラスチックが5ミリ以下のマイクロプラスチックとなり、それが魚の体内に入って、人類の食を脅かしている。公開当初と違って3ページ目以降は閉じられているが、あえて掲載する。閉じられている部分では、マイクロプラスチックが海中で毒性の高い成分を吸収し、濃縮した形で保存しているとの見立ても紹介している。気になるのは、G7で日本が海洋プラスチック憲章への署名を米国とともに拒んだことだ。
日本はなぜG7サミットで署名を拒んだのか (ビジネスインサイダー)に詳しい。
■特別リポート:欧州最強ドイツの「泣き所」、出遅れたデジタル化 (ロイター)
ドイツ政府はインダストリー4.0を2011年から提唱している。強みである製造業をインターネット接続によってさらに生産性を上げていこうという主張なのだが、この記事はドイツのネット環境が高速化、大量化の点で劣後していて構想実現はおぼつかないことを教えてれる。記事の狙いとは別に、日本が案外、ネット環境では先進国であることも示している。ネット化、クラウド化が生産性の向上のエンジンなのだから、日本はその面ではすでに「武器」を持っていると言える。裏返して言うと、ドイツは伸びしろが大きく、日本はネット化がすでに浸透しているはずなのになぜ一人当たりGDPがドイツほどには伸びてきていないのか、実は日本の弱さを示しているのではないか。
■フェイスブック株主、ザッカーバーグの解任を要求 (ビジネスインサイダー)
米議会証言を乗り切ったザッカーバーグだが、フェイスブックの「独裁者」であることは変わっていない。株主がいかにそれに警戒感をいだいているのかを理解しておく必要はあるだろう。ザッカーバーグがFBの支配者であり続けたいのか、社会的な尊敬を得たいのか、ゲイツがそうだったように、いずれ選択をしなければならなくなるだろう。
■焦点:貿易戦争より「手強い脅威」、中国で米企業が直面 (ロイター)
中国の消費者市場で、中国企業のシェアがどんどん伸びているというある意味で表面的な記事だ。中国政府の肩入れはないのか、個別にどんなマーケティングやヒット商品があるのか、知りたくなる。ただ、質は悪いが安いから脱皮しつつある、消費者が賢くなっている、つまりは「中国」が地力をつけているらしいということを理解する必要はあるようだ。
今週の4本 マイクロプラスチック汚染から日本はなぜ逃げるのか |
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【編集長のイチオシ】プラ汚染/ドイツの泣き所/ザッカーバーグ/力つける中国企業
公開日:
(IT/メディア)
ザッカーバーグ氏=cc
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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