ニュースソクラがキュレーション(ソクラでピックアップ)した記事のなかから、編集長の土屋がスタッフとともに改めて読んでおきたい記事をピックアップしました。週末に目を通していただき、未来を見通すヒントになればと願っております。(ニュースソクラ編集長、土屋直也)=見出しをクリックするとその記事に飛びます
■米国の対中「宣戦布告」とも読めるポンペオ講演
「共産主義の中国 変えなければ」米国務長官の演説要旨(日経電子版)
「自由世界が共産主義の中国を変えなければ、中国が我々を変える」と共産党体制の変更とそのための包囲網形成を訴えているような内容だ。太平洋戦争前に日本に対して妥協を迫った当時の国務長官による「ハルノート」を思い出させる。
違うのはハルノートは秘密文書で内容は強硬でも、少なくとも交渉をめざしていた。ポンペイ講演は公表されたもので、中国へのメッセージではあるだろうが、大統領選を控え米国民に強硬姿勢をアピールすることも狙っている。香港での中国の強硬姿勢も異常だが、米国が体制変更を求めているように聞こえるのも異常。これでは妥協の余地がない。
英語での全文を国務省が公表、動画もついている。
日経の解説記事はこちら。 逆に習外交の稚拙さを指摘する石平氏のコラムはこちら。同氏の論考には同意するところが多いが、中国外交が孤立しているように書いているが、ロシアは現時点では中国寄りで、中東や途上国には中国寄りのところもまだまだ多い。ポンペオ氏も講演で包囲網が出来上がっていないとむしろ指摘している。
■イージスアショア見送りの背景にある日米安保体制の脆弱さ
中谷・元防衛相に聞く、イージス・アショア配備撤廃の「内情」(ダイヤモンドオンライン)
北朝鮮のミサイルの進化でもうイージスアショアでは守れないことがわかっていたなど、ミサイル防衛のみならずかなり赤裸々に防衛の実態を明らかに。
■EUと米国のデジタル・プライバシー対立 EU司法裁判所の判決で暗雲
「プライバシー保護失格」2度目のちゃぶ台返し、Facebookはデータ移転ができなくなるのか?(ヤフー)
元朝日新聞の平桜美林大教授の秀逸な記事。スノーデン事件以来のオーストリアのプライバシー運動家の裁判闘争が身を結んだ形。FBのみならず、米プラットフォームの欧州戦略が大きな制約を受けることに。
■日本の中小企業の技術力は捨てたものではない という話
テスラも認める技術、神奈川の黒子企業が電動化で巨大企業に挑む(Bloomberg)
巻線技術という電動モーターに欠かせない技術の会社。日本の中小製造業にはまねできない技術が眠っているとされるが、生き証人のような企業なのだろう。
対中開戦前夜のようなポンペオ講演 |
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【編集長のイチオシ】ポンペオ講演/中谷元防衛相/米欧プライバシー協定は無効/小田原の「世界」企業
ポンペオ長官=cc0
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土屋 直也(ニュースソクラ編集長)
日本経済新聞社でロンドンとニューヨークの特派員を経験。NY時代には2001年9月11日の同時多発テロに遭遇。日本では主にバブル後の金融システム問題を日銀クラブキャップとして担当。バブル崩壊の起点となった1991年の損失補てん問題で「損失補てん先リスト」をスクープし、新聞協会賞を受賞。2014年、日本経済新聞社を退職、ニュースソクラを創設
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